阿曽原温泉小屋

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野生の王国!(本来の姿?)

2023-11-24

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カリカリに凍っています。

一昨日、阿曽原へ森林管理所職員と行って来ました。(営業中だけが山小屋ではありません。シーズン終わってもナンダカンダあります、っていいながら・・・夜は「吉今日」へ繰り出して「白子の昆布焼き」で飲んで来ましたけど)

事業の関係で借地の手続きの調査的なことでしたが、キャンプ場は少し雪が積もり水溜まりには氷が張っていました。

冬が近づくとドンドン太陽の高さが低くなって、黒部川左岸の山の縁にある阿曽原は山の陰になるので陽射しが届かず気温も上がりません。

雪が残ったキャンプ場は、二ホンカモシカ・二ホンサル・テン等々の動物足跡だらけで、阿曽原谷の対岸では「ギャーギャー」サルの鳴く声が冬枯れでスカスカになった山に響きます。

人がいなくなった黒部の奥山は、ある意味「本来の姿」になっているのだろうと感じたのですが・・・それにしても本格的に雪が積もり始めればクマは冬眠するけれど、厳しい寒さと豪雪に耐えながら越冬する動物たちの逞しさに驚かされます。

自分達が出来る事!

2023-11-20

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貨車を借りて回収中です。

昨日は、毎年恒例になった、黒部峡谷沿線の主に河原に埋まっている「屑鉄類」の回収作業に行って来ました。

黒部峡谷は「電源開発」「砂防事業」「トロッコ列車の運行」等々で切り開けれてきました。 厳しい地形・気象条件等で「雪崩」「洪水」被害に遭いながら人間の手が入れられてきましたが、被害に遭うたびに施設・設備が流されたりして来ました。

活動を始めて15年余りになり毎年ソコソコの量を回収しているのですが・・・大雨等で増水する度に川の流れが変わり、それまで河原に埋まっていた「足場単管」「クランプ」「鉄筋」「錆びた番線クズ」「ワイヤー」「L形アングル」「レール」等々が土砂の中から現れます。

(長尺物や土砂に埋まったものは、サンダーや切断機を持参して処理してから背負ったり土嚢袋に入れて人力で担ぎ上げます)

その険しさから流された材料等は、回収されずに放置されてきたものも多く残されていますが、全てがボロボロに錆びており遠目に観ても判る「錆色」は峡谷を楽しみに来られた方々にすれば「ガッカリ」させられるものになります。

しかし石・岩だらけの河原は、足場が悪い!ボロボロに錆びて汚い!くず鉄は重い!等々回収するにも重いものを担いで足場の悪い中を歩ける人間は限られて来ます。

そこで「宇奈月方面山岳救助隊」のメンバーに声を掛けて、メンバーで回収に当たっているのです。

昨日は前日に降った雪で河原が白くなっていて、探すのに苦労するし・寒いし・重いしで苦労しましたが、登山だけではなく「黒部」を訪れてくださる全ての方々を「ガッカリ」させない様に自分達が、出来ること!正しいと思うこと!頑張って来ました。

(寒い時期に行うのは、藪が枯れて夏場は見えないものがこの時期見えて来るのです)

31回目の片付け終わりました。

2023-11-16

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手作りのトンボで屋根雪除去(裏側の黒部川側へ滑り落ちると・・・)

私が引き継いで31回目の小屋閉めを、昨日終わらせて帰って来ました。

「倒木でトロッコが止まる」あり得ないトラブルで仕切り直して出向いて見たら・・・屋根雪が積もっており気温が低いので自然に融ける訳もなく、雪を押し落とすために野球場を均す長尺の「トンボ」みたいなものを大仏が端材で急遽手作りしてからの着手になってしまいました。

(この時期は太陽の高さが低く日射が山の陰になり、気温が上がらず除雪しない従業員部屋とトイレの屋根には翌日まで屋根雪が残りました)

除雪してもある程度トタン屋根が乾いてからでないと滑る危険・濡らしたまま収納すると湿気で部材が腐る等心配があるので解体着手が遅れてしまい、元々が仕切り直しでメンバーの都合がつかず少ない人員に加えて初参戦が二名いて最初は要領が解からず・・。(スノーボードのガイドらしいのですが、工務店でバイトしているらしく流れをつかむと頑張ってくれて大助かり!)

メンバーは暗くなるまで頑張ってくれて、翌朝は放射冷却で霜が降りて片付けの着手も遅れ気味(二日酔いだったからではありませんから)になりましたが、なんとか予定通り終わらせて帰って来ることが出来ました。

最後の最後まで、次々とイロイロなことが起こるシーズンでした。

明日からは「支払い」「下げ荷の片付け」「取材対応」に加え、来シーズンに向けての「営業日数」「予約システム」「スタッフ態勢」等々、今シーズンの反省を踏まえて頭を捻らねばならないのですが・・・月末には松本市で開催される「長野・岐阜・富山三県山岳遭難対策協議会総会」参加やら個人的な飲み会も御誘いがポツポツ?次々???

今シーズンもありがとうございました!

取り合えず、もう少し頑張りまーす。

さすがは!やっぱり!最後まで???

2023-11-12

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解体日和だったのですが・・山の葉っぱは落ち切ってしまいました。

11日土曜日からの小屋の解体に向けて、小屋内の壁の解体~電気配線の回収~厨房機器に磨きをかけて~食器のハイター漬け~布団干し・収納~水回り配管撤収~玄関屋根解体等々準備を進めます。

心配された寒冷前線通過による天候悪化も、本番当日9時から翌日の作業終了予定時間までピンポイントで回復傾向の予報が出て「さすがは阿曽原、持っているわ!」って納得?

作業終了後の宴用にも黒部名水ポークで作る「豚の角煮」の下準備で大根を二本を切って米の研ぎ汁で下茹で・卵を30個茹でて殻を剝いて、マカナイのゴマちゃんがすぐに調理できるように完璧な段取りします。

11日早朝、応援部隊全員が宇奈月からトロッコに無事乗ったことが確認出来て一安心していたのですが・・・。

メンバーから電話が入って??

「昨夜の荒れた天気で、猫又駅の先で倒木が一本発見されて電車が止まったままで何時になったら発車できるか分からない」

とのこと・・・。

倒木処理に時間が掛かるとのことで、応援部隊の乗った列車は宇奈月に帰ることになり・・たとえ復旧して午後から再度向かっても、翌日の正午頃から雨予報が出ているので着手時間が遅れればそれまでに解体を終わらせるのは無理で、強行して壁・床などの木製品を濡らしてしまうと来シーズン建てる時「ふやけて」「カビだらけ」になってしまいます。

結局「仕切り直し」とすることにして、糸魚川・白馬村等からの応援部隊も、それぞれ帰宅して貰うことに・・・。

相変わらずのドタバタ続きで、「やっぱり阿曽原?」なのですが・・・今シーズンは特にその傾向が強かったような???(最後のタイミングで滅多にないことが起きてしまうなんて)

阿曽原小屋は、不便な黒部奥山での仕事なのでアクシデントは付き物! 

その都度クリアしてゆくのが「甲斐性」なのです。(スミマセン、少し強がり入ってます・・)

マニア

2023-11-06

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露天風呂真上の紅葉も終わりです。

4日のキャンプ場利用者は56人、5日の利用者は10人で予想よりも少なくて・・・。(缶ビールが少しあまりそうです)

遅れ気味だった紅葉ですが、さすがに露天風呂の周りも散り始めました。

この3連休は、

・「昨日、吉今日で飲んで来ました」って、毎年キャンプで来るペア 

・今シーズン3回目?黒の上下ノースリーブに短パンのキャンプ男性 

・宿泊最終日に二人だけの朝食なのに揺すっても起きて来ず?食べてからまた布団に潜って寝ていた男性は三年連続宿泊最終日に来ているらしく 

・キャンプの3人組と5人組の若いグループは「ブログが楽しいです」ってワザワザ声掛けに来てくれたり (他の宿泊のお客さんからも沢山)

・ここ数年顔を見せていなかった、営業終了してから群馬から来られる男性は膝の手術して復活しましたって

等々、書き切れないほどのリピーターさんや初見参の「阿曽原マニア?」さんたちから労いと応援の言葉を頂きました。

「下の廊下」コースは、この先落ち葉で道が隠されて歩き辛くなりますし日暮れも早くなりますので、一般登山者の方は今シーズンの歩行は終了と考えていただけたらと思います。

今シーズンも、ありがとうございました。(これでもかっ!)

2023-11-04

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安定感抜群!(いつもご苦労様です)

昨日は、宿泊営業最終日でした。

昼前「十字峡の展望台から人が川に落ちたらしい」「川に落ちた人がいて手を振っている」次々と小屋に電話が入ります。(阿曽原小屋ではなく110番・119番かも?通報が入る様になったのも、携帯電波のエリア拡大のおかげです)

どちらも救助要請ではないし・・今までも毎年一人前後は滑り落ちる方がいるのですが、怪我をしたって話は聞いたことがありません。

黒部署のY小隊長と連絡を取り対応を協議しつつ、予約帳を調べて下の廊下から阿曽原に向かう方で出来そうな方?に目星をつけて電話を掛け「様子を見てもらえないか」とお願いしてみると、快く引き受けてくださった方がいて、後から「川を覗きながら来たけれど、それらしい人はいなかった」と連絡があり直後に室堂山岳警備隊と川に落ちた本人が連絡が取れて無事に道に戻っていることが確認取れてこの件は一件落着。

次々と到着する登山者の対応をしているうちに「足首捻挫」した人が二人続けて玄関先に現れて、それぞれテーピングして差し上げます。

テーピングが終わった直後「相棒が、阿曽原谷の対岸で足を滑らせてポキッって音がして動けなくなった」と男性がやって来ました。

ダイブツはカレーの仕込みが佳境で手が離せず、取り合えず私一人で救助用の背負いバンド・シーネ等を持って現場に向かいますが、そこそこシッカリした体格の方で私一人で背負ってバランスを崩してもいけないと小屋に無線してスタッフKと遊びに来ていた宇奈月の救助隊員でもあるKの二人に来てもらい前後をサポートしてもらいながら、怪我した足をシーネとテーピングテープで固定して小屋まで背負って搬送します。

その頃にはキャンプ場は、かなり混雑し始めていたのですが皆さん通路を開けて搬送に協力して頂きました。

ヘリコプターでの搬送を考えましたが、日没時間の関係で翌朝に来てもらうことになり、テント泊の方だったので小屋閉め準備で荷物で塞がっていた山岳警備隊員の詰所を空けて怪我人と介添えに同行者の寝床を準備します。

今朝4時半に起きて「膝のテーピング」して上げる約束してた人の手当てをして送り出して~朝食(二人)の仕込みを始めつつ富山県消防防災センター・県警山岳警備隊と連絡取りながら~昨日の怪我人をキャンプ場の阿曽原谷側から吊り上げるのに残っていたテントに声掛けして移動してもらい(朝風呂で留守のテントは、こちらで引きずって)~残っている離れた場所のテントにも強烈なダウンウオッシュでモノが飛ばない様に声掛けして周り~小屋から怪我人を担ぎ下ろします。

六時半過ぎに消防防災ヘリ「とやま」が上空に来てくれて、隊員二名が降下して来て怪我人を吊り上げて一件落着!

昨日は、小屋泊40名余・テント泊150名余と人数的には大爆発ではなかったのですが・・・やっぱり阿曽原?これでもか!って事案が発生してしまったのでしたが、事案対応に人出が取られれば他が穴埋めなければならずスタッフの連携が必須となり、協力して頂いた多くの登山者の方々のおかげで最終日を終えることが出来たのでした。

ドタバタ忙しかったけれど、阿曽原にいるみんなの「信頼関係」「一体感」みたいなものが感じられて良い一日でシーズンを終えることが出来ました。

阿曽原に来て頂いた皆様・来れなかったけれど応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

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