阿曽原温泉小屋

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当たり前じゃないのが当たり前??(ベタベタ祭り)

2024-07-09

写真

途中の沢も大暴れしてました。

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祖母谷温泉に荷物を運びこんで遅い昼弁当を食べ始めたら・・・小屋主のトシ君が「温泉は来てるけど水が来ていない」って暗い顔して呟きます。 半月前に下見に来た時にはガバガバ水場から送られていたそうですが、水が無い事には源泉が熱くて温泉に入れないし食事も作れません。

目の前の祖母谷川には濁り水がゴーゴー流れていますが・・どう見ても食事には使えそうにないし、欅平側に戻った場所に湧き水は有るにはありますが16人分の食事を作る大量の水を取りに行くわけにもゆかず・・。

レトルト等で準備してあるわけではなく、大量の生肉系メニューだし、なにより酷暑の中脱水症状で降りて来るメンバーが喜ぶだろうと大仏の実家から送っていただいた「三輪そうめん」を作るには大量の水が必要です。

トシ君が水場の様子を見て来てくれることになりましたが、サポートに救助隊の事務局の市役所職員がついて行きました。

私と残ったものは、新品の発電機にエンジンオイルを入れたり使われていなかった部屋の掃除したりしていたのですが、カンカン照りだった空が??薄雲が広がり出したかと思ったら見る見る黒い雲に入れ替わりザーザー・ゴーゴーと強い雨が降り出して祖母谷川は一気に茶色の濁流と化してしまいました。

水場の様子を見に行ったメンバーは強雨なんて考えてもいなかっただろうし、そもそも祖父谷対岸までだし雨合羽など持って行かなかったはずです。

しばらくしてトシ君達はずぶ濡れになって次々帰って来たのですが、配管の途中で塩ビ100㍉パイプが落石で粉々になっていたそうで、補修材料を取りに来て再度向かってゆきましたが、雨は降り続いていているのですが「今更着替えても」ってことで全身に衣服がベッタリと濡れて張り付き長靴を逆さまにすればジヤーって水が流れ出すのですが・・そのまま作業に戻って行きました。

相前後してパトロール隊も次々と下山してきましたが、「もう少しで降り出されたから」ってことでレインウエアーを着ている者はおらずベタベタ人間が玄関に溢れてしまいました。

当たり前ですが普段下界で生活していると、スイッチ一つで明かりが灯りエアコンで快適になり蛇口をひねればキレイな水が出るのですが・・・今更ながら「俺達の稼業は、沢の暴れ方然り!エライところでやってるわ」なんてことを思い知らされたのでした。(そりゃ落石災害も起きてしまう訳です)

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