阿曽原温泉小屋

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登山道情報!

2023-07-09

写真

増水と流木の激突で、流失した仙人谷下部丸太橋

登山道情報!(梅雨明け時期によって、予定が遅れる可能性があります)

〇白馬岳~祖母谷温泉・唐松岳~祖母谷温泉 週末の強い風雨の中を宇奈月方面山岳救助隊員・県警山岳警備隊員が登山道パトロールを行ってきました。

残雪は少なく倒木処理も済ませて来ましたが、今年は積雪が少なかった為か融雪が早く進んだせいで例年よりも早く雑草が生い茂っています。

草刈り整備が終了するまでは、一般登山者の方は困難が予想されます。

 草刈り整備は例年通り ・白馬線 7月24日以降  ・唐松線 8月初旬 を予定してます。

〇水平歩道(仙人谷ダム~阿曽原~欅平)

現在整備中ですが、阿曽原谷の丸太橋が掛かっていませんので降雨により増水量によっては渡渉が困難になる事も考えられます。

折尾谷の隧道(トンネル)は、砂防堰堤状?の中をくり抜いた形状となっており梅雨末期の豪雨時には隧道内に濁流が流れ込んでしまい水抜き穴に枯れ枝・土砂が詰まるとプールの様に水がミゾオチ高まで溜まることがあります。

〇雲切新道(仙人池~阿曽原)

・仙人谷下部丸太橋の架橋は、梅雨明けが終わるまでは流出が予想されるので作業は行えません。

写真右端の丸太橋の上に丸石が見えるのは濁流が橋を越流した証拠だし、大きな流木も増水で運ばれてきたものです。(何度も流されたことがあり、架け替えする資材も簡単には補充が出来ません)

・架橋が終わらないと、その先の草刈りにも向かえません。

・「仙人温泉直下の丸太橋」については、諸般の理由により本年は架橋する予定は有りませんので飛び石で歩いて頂くことになります。(少々の降雨なら、問題なく渡渉出来ます)

なので降雨で水量が増えれば、仙人池から阿曽原への下降はお勧めできません。(予定変更も視野に行動してください)

※整備状況は随時流しますが、どこのコースでも降雨で作業が中止となりますので整備も滞ります・・特に黒部は増水量が半端ないので、梅雨明けまでは無理をなさらぬ様に御願い致します!

(参考ですが、剣沢二股の吊り橋も12日以降に架橋予定だそうですが、天気次第で遅れる可能性も有るようです)

今日からパトロール

2023-07-07

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小黒部谷左岸尾根からの「唐松岳」は雪が見えません。(右下の谷に祖母谷に向かう道路が)

今日から、宇奈月方面山岳救助隊員と黒部警察署等の山岳警備隊員合同で「白馬岳~祖母谷温泉」「唐松岳~祖母谷温泉」 各登山道の事前パトロールに16人が入ります。

私は15日に予定される荷揚げの準備やら入山前の雑用処理?やらで参加しませんが、明日の夕方に祖母谷温泉に入って下山して来るメンバーを迎える予定です。

梅雨明けしてからにすればいい様なものの、毎年この時期に実施するのは夏山シーズン前に登山道の崩壊・倒木で道を塞ぐ等が発生していないか事前に調べておくためです。

本格的な草刈りは、梅雨明けしてコース上の残雪が無くなって草が伸びてから行わないと意味がありません。(二度三度と草刈りに入れる予算も人員も用意できません)

いわゆるアルプスと言われる高所のコースでは雑草も倒木も心配ないのですが、標高が低くなる黒部峡谷では猛烈に植生が発達するし、急峻な地形に加え豪雪地帯であるため雪圧で巨木が倒されてしまう事が時々あります。(台風通過時でも谷筋は強風が集中することも)

長大高低差のある黒部エリアの登山道の維持管理には、他のエリアとは全く違った苦労があるのです。

梅雨時で天気が悪いのですが、本格的な草刈り前に事前調査してある程度処理できるモノは処理しておくためにチェンソー・ノコギリも持参しながらのパトロールは時間が掛かってしまい、例年祖母谷温泉到着が日没前後になってしまいます。(ある意味無謀登山?)

みんな真面目に元気なうちから、雪渓に弁柄まいたり手間を掛けて下るのですが・・下ればそれだけ樹木も大きくなり沢筋の崩壊の確率も高くなります。

早朝から動き出して、疲れが出て来てからの祖母谷手前のエリアで困難にぶち当たり毎年苦労させられているのです。

明日は強い雨の予報が出てしまっているのですが、無事にパトロールを終えてくれますように。

これもアイノカタチ???

2023-07-06

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トロッコ列車が見えるでしょうか?

昨日の途中の尾根から見下ろした 小屋平 左側の小屋平駅をトロッコ列車が通過中です。

実はこの撮影ポイントの痩せ尾根は、小屋平側の斜面が崩落してしまい視界が利くようになっていたのです。

崩落したからこその景色なのですが、崩壊面は屑石が積み重なった形の斜面だったので崩壊が進行して大きな「ガケ崩れ」面になってゆくのではないかと・・・。

すでに尾根上の巡視路は、一部分が樹木の根っ子で作られた「ハンモック」状態で崩壊が進めば道として歩くことは出来なくなるので迂回路を作らねばならなくなります。

唐松岳~祖母谷温泉間登山道の、「餓鬼山」の大黒鉱山側の尾根道が一部このような状態になってしまい・・・今週末からの宇奈月方面山岳救助隊の登山道パトロールで確認して来てくれるはずです。

何処のコースでも同じですが、入山される際には最新の情報を仕入れてくださいますようにお願いいたします。

余談ですが、最近市役所に問い合わせが有って・・・

「いろんな山を行きつくして、下の廊下を日帰りしたい」

「下の廊下日帰りの情報がネットにどこにも出ていない」と言われて、

「不可能です。不可能だから出ていないんです」と返しておいたとのことでした。

トレランしている人ならば距離的なことだけならば全然余裕かも知れませんが、正しく地図を読んで情報を仕入れれば、走るには危険過ぎるし追い越しされる方だって迷惑な話だと分かるとは思うのですが???(黒部に怪我無し!コロナ禍前に11日間で5名の転落死亡事故が発生したコースなのです)

ましてや、そんな登山道利用をしていて滑った転んだの事故を起こされても・・・救助する人間からすれば口には出さないだろうけど「オイオイ!」って気持ちになると思うのですが???

以前放送されたテレビ番組で、非常識な行動で遭難騒ぎを起こした登山者を私が叱りつけるシーンが流れて怖がられているみたいですが??周りから怖がられても、叱らねばならない時は叱りますから!(これもアイノカタチ?)

これから荷上げの食材等々の調達が遅れているので頑張ってきます。

全ては、登山道の維持管理の為!

2023-07-06

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新しい傷はベタベタです。

昨日も7時11分発のトロッコで、小黒部谷左岸の尾根の巡視路点検に行って来ました。

冬の間に発生した倒木が道を塞ぐ、倒木が手摺ロープを引き千切る、ロープ・ハシゴを固定している支点が破壊されている、尾根道が崩落して迂回しなければならない等々が確認できたので持参したロープで応急処置しながらの調査でした。

急峻で積雪の多い黒部峡谷なので、送電線鉄塔の維持管理も他の山域とは比べ物にならない手間と労力が掛かってしまいます。

地味だけど大切な作業なのですが・・・鉄塔の維持管理業者さんも人材難で我々に依頼が来る様になりました。

先にも書きましたが、登山道の維持管理したくても継続して仕事が有る訳でもなく・・頑張ってくれる人材確保のためには「食べてゆける体制」を作ってあげなければならないと考えて引き受けることにして来ました。

山歩きに長けた人材の有効活用的な???発注側も受注側もメリットがあるのではないかと。

60歳過ぎた私なんぞは、現場から引退して若い人に稼いでもらう積りでいるのですが・・・今回は一部終了期日が迫っており、梅雨時で天気回りが怪しくなり・・晴れているうちに班を増やして終わらせようということで出て来ました。

蒸し暑くて汗だくになりましたが、奥山が普段見る角度と違って見えて面白かったです。

写真は、途中の針葉樹の根元に新しい熊の引っ掛き傷があり、樹液(マツヤニ)でベタベタになっていました。近くのブナの木の樹皮にもいたるところで引っ掻き傷が・・縄張りアピールと聞いたことがあります。 

山に入れば熊だっている訳なので、注意はしますが一々怖がっては仕事にならないのです。   相棒とワイワイ話しながら歩けば熊にも聞こえるだろうし・・ニンニクの食べ過ぎ?自分の汗臭さに時折むせ返る時が有るので臭いでも逃げて行ってくれるのでは???

黒部を守るということは

2023-07-05

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先日の大雨翌日の「雲切の滝」は水量が多く迫力がありました。(仙人谷ダムより)

今日は鉄塔巡視路の点検作業に欅平に行って来ます。

来週12日までに欅平~猫又までの区間を終わらせてくれないかと依頼で、メンバーは週末から白馬線・唐松線の登山道パトロールが入っているし・・週明けから雷マーク付きの雨予報が出たので、少しでも進めておかねばと私も応援作業に行って来ます。

営業開始準備はダイブツが一人泊まり込んで頑張ってくれていて、昨日は布団干しを頑張っていると連絡が入りました。

昨日のページで、田渕先生のお便りに「阿曽原から見た鉄塔を描いている」と紹介しましたが、険しい黒部峡谷でガッチリ立っている鉄塔に何かを感じられたのか??

ちなみに、十字峡のスケッチに行かれる時にガイドで同行しましたが、全然手前の○○峡とか名前の付いていない我々から見たら「ただの川」にしか見えないところで、突然立ち止まられてスケッチ帳を取り出されて??一心不乱にスケッチを始められて・・・やっぱり我々とはモノの見方・感じ方が違うのだと驚かされたことがあります。(出来上がった作品を観ましたが「さすが!」の出来栄えでした)

大自然の中では違和感のある送電線鉄塔ではあるのですが、ダムの建設等発電事業のおかげで下流域が「洪水被害」から守られている事実もあります。

自然との共生!を体感できるのも黒部峡谷だと思っています。

こんなアルバイトやっている余裕ないのですが・・・。

これも、世の為 人の為 黒部の為?今日も頑張って行って来まーす!

取り合えず宇奈月ルートは!

2023-07-04

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田渕先生からご丁寧な礼状が

連日早朝からの行動だったので、昨夜は19時過ぎには意識が無くなっていた様な??

僧ヶ岳の宇奈月側からの林道は大雨後だったので土砂が道を塞いでいないか心配だったのですが、1,050m地点までは問題なく整備も終わっていました。

既に数台の乗用車と県外ナンバーのバイクが駐車しており、平日でも登りに来ておられる方がいるのだから頑張って来ました。

取材カメラも同行していたのですが、半月前のパトロール時よりも幼木・雑草が伸びてい来ていたものを草刈り機で刈りこみながら小ぶりな「熊手」で刈られた草を避けながら1,500m先まで昨日は終わらせてきました。

この先はメンバーが限られているなかで、巡視路の点検・白馬線唐松線のパトロール・小屋の荷上げ・雲切新道の丸太橋架けもあるし、梅雨時なので天気次第で休むことも出て来そうだし・・・。

随時お知らせしますが、僧ヶ岳の宇奈月ルートについては、前回の事前パトロールで倒木処理は終えているので少々草が伸びていても問題なく登れます。

毎年頑張ってくれているS会長が言うには

「毎年少しずつ広く丁寧に草刈り機で刈って来たからの成果で、今キレイだからって三年も手を入れないと掻き分けなければ足元が見えなくなるほど茂ってしまう」

昨年作業していたら通り掛かった人から、「他の登山道はコロナ禍以降は草刈りが行き届いていないコースが沢山出て来て歩きずらくなっているけど、ここはありがたい」って言われたそうです。

「そんなこと言われると、また頑張っちゃわなければならないんだけれど…」なんてことを言いながら作業していました。

※家宝!

先日開催された「宇奈月温泉開湯100周年式典」にて、久しぶりにお目に掛りご挨拶させていただいた、田渕俊夫先生 に「黒部の谷の小さな山小屋」を後日贈らせてもらいました。

数日前、先生から丁寧な礼状が届きました。なんでも阿曽原から写生した鉄塔を描いておられるそうで、写真絵本が参考になりましたと喜んでおられました。

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