阿曽原温泉小屋

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28日は、マルの日。

2020-02-29

写真

中央右側のコルが「三の窓」その裏が「池の谷ガリー」と「池ノ谷」

その頬を涙で濡らさないで♪

君の笑顔が一番好きなんだ♪ 君の笑顔がみんなを幸せにする♪

だから笑っていて この青空の下で♪ 君よ強くなれ♪

君の笑顔が一番輝くとき♪ 後ろを振り向かず歩き出せるだろう♪

だから笑っていて この青空の下で♪ 君よ強くなれ♪

「しおり」って沖縄のアーティストの 「Smile」 って曲の一部です。

東日本大震災の直前2月28日、県警の山岳救助訓練中に剱岳 「池の谷ガリー」 で故「丸山分隊長」が雪崩に巻き込まれて殉職してしまいました。 ※参考リンクはこちら

山から収容された後に、葬儀・警察葬だけでは会場スペース・短い焼香時間等、「お別れするには足りない」との沢山の方々からの思いで、別途 「丸山政寿君を送る会」 を有志の手作りで各方面からの協力を頂いて催しました。

750人収容の黒部市コラーレの大ホールが、ほぼ一杯に成るほど全国から集まっていただき皆さんに思いっきり泣いてもらいましたが、その時のトドメみたいな?エンディングに流された曲です。

簡単に「いい漢」って言うには、全然言葉が足りない漢でした・・・なのに最後に周りを、どんだけ泣かせたことやら・・・。

山が強いのはもちろんですが、大酒を飲むだけ飲んで〆にラーメン屋に行けば「ワンタンメンW盛り・ギョーザ・チャーハン・ビール」って・・・そして何よりよく笑う楽しい酒で本当にみんなから愛され慕われるマルでした。

実家も同じ市内で、高校山岳部の後輩でもあり隊員になってからも、ずーっと仲良く付き合いをして来て、救助訓練直前には一緒に旅行に行って相変わらずの楽しい酒をクタクタになるまで飲んでいたのに・・・。

一昨日は富山市内での講演を頼まれて、そのまま富山市内で飲んで朝帰りの高速道路から見る「剱岳」は、夜半まで降り続いていた雪が止んで新雪を被って、朝モヤに煙った山はバックから朝焼けに照らされて、二日酔い気味の身にはやたらと眩しくて・・・マルに「今日は、俺とも一杯やりましょう」って言われているみたいで。

午後から一人で、マルのお墓に缶ビールを一本供えて来ました。

先に誰か来ていたのでしょう生花と缶ビールが、たわいのない話を一方的に少しして家に帰って「Smile」聴いたらこみ上げて来て・・・このページ書きながらも・・・。

今でも事故は悔しいけど「涙は人を強くするちゅーことで???」たまに泣いても、マルの分も楽しい酒を飲んでゆかねば!!!

雪の付き方!

2020-02-28

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中央の三角が大日岳~立山~浄土(右に向けて、流杉Pより)

続き。

機内から見下ろす真砂岳の稜線は吹きっさらしで雪が吹き飛ばされて、なだらかな尾根は薄茶色の地面が凍って硬く固まっている感じに見えます。

情報が錯綜していて、大量遭難事故が発生しているのは間違いない中での緊急出動でしたが一目瞭然です。

(この時の様にまず出動しないと! 「現場の状況確認してから出動」なんて言うトップがいるけど??? 「事件は会議室で起きてるんじゃない!」って聞いたことあるでしょ)

そのダラダラと広い尾根に、人間が男女8人バラバラに寝転んでいてヘリコプターが近づいてもピクリとも動きません。(ほとんどの方は、真っ直ぐに伸びていた様な記憶が???)

少し離れた場所に降り立って、直ぐに手分けして一人ひとりの状態を確認します。

最初に目に付いたのが小柄な中高年の女性でしたが、「チッ、マジかよ」思わず心の中で舌打ちしてしまいます。その方の身に着けている雨具が「半透明の駅の売店で売っている」みたいな物で、汗が合羽の内側を濡らして、それが凍って固まったのか?バリバリになっていた様な???

殆ど絶望的な状況のなか確認すると、その女性は硬く目と口を閉じて全身が硬直して呼びかけにも顔面の刺激にも反応はなく呼吸も脈拍もなく、申し訳ないけど今から蘇生術を施しても・・・モタモタしていられないのです、他にも近くにバタバタ倒れた人がいるんだから。

近くで真上を向いて倒れていた、大柄な中年男性の頭を持ち上げると瞼が微かに動いたのです。 「生きとるぞー」他の隊員に伝えて、上空で待機していたヘリコプターに着陸よう要請することを近くの隊員に頼んで直ちに蘇生を試みます。

呼吸をしているのか?していないのか?、小さく薄い氷の結晶みたいなものが眉毛と睫毛に付着して震えています。顔面は氷魂のごとく冷たくて硬くて・・・仮死状態で一刻の猶予も無いのは誰が見ても明らか、少しでも温めようと手袋を外して素手で弾力の失せた頬を擦ったり、自分の目出帽をめくり上げて額を男性の額に付けて大声をかけ続けますが反応は殆どありません。

まだ続く。

雪の付き方は一目瞭然!

2020-02-26

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ヘリコプターの真下の緩い三角の山が「真砂岳」

1989年10月9日「真砂岳稜線」にて、8人もの方々が凍死してしまう悲惨な遭難事故が有ったことを覚えておられる方もいるのでは?

その日から始まる予定の、山岳救助訓練のために上市警察署に早朝から出向いて出発準備をしていた時だったと記憶していますが

「詳細は未だ不明だが、真砂岳で大勢の遭難者が出ているらしい。ヘリを要請したからすぐに向かえ」

との指示。 

今は雲一つない青空が広がっていますが、昨日午後から夜半までは冷え込んで強風が吹き荒れる荒天で上市から望む劔岳は一晩で真っ白になっていました。

取り合えずの準備を整え仮設ヘリポートに向かい、第一陣として眩しく輝く新雪の真砂岳に向かいます。

民間ヘリは小型の機体で、隊員の搭乗は3名だったかと?快晴・無風の好条件で、大パノラマをじっくり眺める間も無く現場まで15分余りのフライト。

稜線から少し下がった雷鳥沢への斜面や室堂平は、かなりの新雪が積もっているのが斜面の形状登山者のラッセル跡を見ることで知ることが出来ます。

しかし「立山~真砂岳~別山」にかけての稜線上は、ほとんど雪が付いておらず薄く張り付いているだけで稜線の形そのまんまです。 (写真の稜線みたいな感じで、強風に曝されていたのが一目瞭然です)

真砂岳 上空に近づくと、「エーッ・・・!オイオイ!」信じられない光景がだんだんハッキリ見て取れる様になって来たのでした。

続く・・・。

今シーズンの、営業期間・宿泊料金について。

2020-02-25

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カイザー食堂の「豚スタミナ丼」

今シーズンの営業について

●小屋の営業期間  : 7月下旬~10月31日(土)

●テント場利用期間 : 7月下旬~11月7日(土)

●小屋の宿泊料金  : ◎一泊二食  10,500円  ◎素泊まり  7,500円 (入浴料含む)

●テント場利用料金 : ◎一名一泊  800円   ◎入浴料金  700円

とさせていただきます。

営業期間については、近年寒くなるのが遅れ気味で紅葉の盛りも11月に入ってからになってしまうことが多いので月末まで伸ばすことにしました。

10月最終週は冷え込みが優しくても、日没時間が早くなるのは変わりませんので「明るい間に小屋に届く自信の有る方のみ」の利用となります事をお忘れなく!

※大町でランチといえば。

せっかく信州に行ったんだから、美味しい「そば」も食べるのですが・・・実は「カイザー食堂」を密かに利用させてもらっています。(面識は無いんだけど、マスターは以前白馬方面の山小屋番していた山仲間?)

ボリューム満点のメニューは、全てライスが一合330g付いてきます。(普通の食堂では180gだそうで、食べる自信のない人は事前に減らしてもらいます)

「豚スタミナ丼」は、会議直前に食べるには失礼な???ニンニクたっぷりの豚肉も大盛で!一合ライスまで届かず見えず・・・お腹がいっぱいになって会議中爆睡間違いなし!みたいなランチを堪能してまいりました。

(一緒に行った、祖母谷のトシ君・黒薙の炭田君は巨大なチキンカツ&一合ご飯と格闘していました)

※昨日も出ました。

 昨日も、宇奈月町内での目撃情報が! こんだけ暖かいんだから寝てられないかも・・・。

来年は総会当番!

2020-02-24

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懇親会の御膳は、食べ切れないほどの質・量でしたが廻っていたので食べそびれて・・・。

北アルプス山小屋協会は、5支部に分かれて持ち回りで5年に一度総会当番が回ってきます。

会員の山小屋はもちろん、来賓・関係官庁・関連業者等百人足らずの参加があって・・・ 会員数の一番少ない我々黒部の組合なので「一年後は大変やな~」って、来年の心配を今からしていてもシャーないので懇親会~二次会と騒いで参りました。(来年はホストなので、おもてなししなければなりません?)

二次会の「カラオケマイク」は、ほとんど立山・黒部の富山メンバーが次々と・・・騒ぎ過ぎてガラガラ声になった喉はやっと復活して来ました。(立山・劔の山小屋は、三代目連中が元気で仲良しです)

今週も、木曜日・土曜日と富山市内での飲み会が・・・。 肝臓を労りながら、頑張っております!

流れが見えているって・・・!

2020-02-23

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大町山岳博物館からの鹿島槍方面

信濃大町での会議の行き帰りに山を見てきましたが、白馬のスキー場下部・ジャンプ台付近はほとんど積雪が無く・・・乾いたアスファルト道路を、スタッドレスタイヤを摩耗させながらのドライブになりました。

写真は大町山岳博物館の三階の窓からですが、見た通り山腹は黒く樹間に見える積雪も少ないのが分かります。 

標高2000M以上には、それなりに白くみえますけど・・・。

立山室堂も前回の降雪で積雪量は昨年を上回ったとの情報ですが、標高2000M以下ではやはり異常に少ないとの事です。

ヘリコプターで積雪状況を確認してきた剣沢小屋の主人によると、剣沢の 真砂沢ヒュッテ~近藤岩(二股)間の河原では水流が見えているとの事です。

どんだけ少ないんでしょうね・・・。

※大町山岳博物館

随分久し振りに立ち寄って来ましたが、奇麗になって展示物も充実しているし、景色もなかなかでした。

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