阿曽原温泉小屋

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運行再開に向けて。

2021-04-15

写真

良いものは良いのです。

来週から、運行再開作業に入ることになりそうです。

トロッコ沿線の残雪状況等の情報をもらいましたが、残雪量は特別少なくはないものの早いペースで融けているとのことでした。

しかし鐘釣駅対岸の「万年雪」については、写真を見る限りでは少ない印象でした。(去年ほど少なくはありませんが)

欅平から祖母谷温泉までの道路にしても例年並みですが、祖母谷温泉の周りには残雪が無く小屋の被害もない様に見えました。

気になったのは、倒木が雪崩で押し流されて来ているのが目立つ様な???

先日までの黒薙温泉付近の山腹調査でも、倒木処理して来た写真を載せましたが「カシナガキクイムシ」の影響が出て来ているのではないかと?

事前の山腹調査が、大切になってくるのではないかと考えます。 ここら辺が、同じ自然公園といっても標高の高い所に比べて管理が大変なのです。(それでも樹木が生い茂るお陰で、新緑や紅葉がキレイなんですけれど・・・)

ちなみにカシナガキクイムシは、標高の高い所には行かないので水平歩道の高さまで来ると被害に遭った樹木はありません。

※今更ながら。

BY YOUR SIDE が無性に聴きたくなって、今更ながら買った「SADE]に夜な夜な浸っています?

集中会議!

2021-04-14

写真

黒薙温泉に向かう道からの「後曳橋」(奥の水色)

昨日は午後から宇奈月セレネ国際会議場で、黒部峡谷に関係する会議・意見交換会が3つあって2つに出席してきました。

最後の黒部峡谷情報交換会では、国交省黒部河川事務所・富山森林管理署・県庁自然保護課・県庁観光振興室・関西電力・黒部峡谷鉄道・黒部市・黒部宇奈月温泉観光局・黒部警察署から、昨年までの取り組みと今年度の事業計画の報告と情報交換会を市長が議長してくださっての恒例会議です。

黒部峡谷は観光利用に目が向きがちですが、治水・治山・森林保全・発電等々関わっている機関や会社が沢山あります。

目的が違えば、黒部を見る目・接し方がそれぞれ違う訳で、関係者が一堂に会して情報交換する事は意義のあることなのですが、毎回終わりの方で報告の無い私に市長が「意見を述べよ」って指名されて・・・一言語る羽目になります。(今年は、会の途中で事務局の市職員が「決まってますから」みたいに、ソーッとマイクを持って寄って来て)

私が28年前に小屋を引き継いだ時に、前経営者の方が言うには「黒部に縁のある人間でないと、大変だからおまえがいい」みたいなことを言われました。

気が付いてみれば我々は小屋の営業だけではなく、先に上げた関係機関・会社と一緒に黒部で通常作業・災害復旧等に携わってきました。(本業が何だか分からなくなりそうですが、御蔭で昨年は小屋の営業出来なくても食い繋げました)

こんな事自分で言うのも???なのですが、「煙たいこと?」も言いますが現場で見て感じて考えてやることやって、後ろ指差されるような「自分への利益誘導」にならず「黒部の利益」になる為に活動して来たつもりで、二十数年かいた汗の御蔭で分かってもらえる様になってきたのかな~??

改めて、一緒に身体張って来てくれた仲間に感謝感謝です。

※プチ下の廊下?

写真は黒薙駅から黒薙温泉旅館までの道ですが、「下の廊下」と同じく両岸が断崖となっています。

「下の廊下」は、距離も長く時間も掛かるので歩き通す自信が無い方はこの道を歩いて見られれば、お手軽に?「黒部峡谷」を体験できます。

いろいろなレベルで!

2021-04-13

写真

宇奈月ダムサイトに咲いてましたが、食べれそうにないので名前知りません・・・。

前のページで「チャレンジ」みたいなことを書きましたが、山に入るのはそれぞれのレベルの人がそれぞれの目的で入って目的を達する行動というか???

冬山でも下の廊下でも、遭難事故が発生しているのを知っていても入山者が絶えないのはそれだけ魅力が有るからですよね。

厳しいチャレンジするのも、シーズン・山域毎に違う花や山菜を探しに行くのも楽しみだし、百名山登頂を目的にする方や地図の登山道を全て歩き通す等々いろいろありますよね。

楽しみ方がいろいろあるってことは、いろんな人を受け入れてくれている山は「懐が深い」ってことだし、山小屋に来られる人も目的も経験も体力もその日の体調も違う人たちが来ておられるってことですが、共通しているのは皆さん楽しみに来ているって事です。

受け入れる山小屋は、何が出来るのか?何をしてゆかねばならないのか!今年もシーズンに備えねば。

それでも山へ・・・Ⅵ

2021-04-13

写真

左の谷が左股、右の谷が右股(池ノ谷二股直下より剱尾根末端)

御遺体の発見現場は、白萩川から小窓尾根1,614mに登るポイント「雷岩」より上流だったのですが、小窓尾根からの下山中にアクシデントに遭ったのか? 途中で動けなくなって、後に白萩川まで流されたのか?

いずれにしろ、生きていた事だけでも驚かされるのですが馬場島に向けて下山していたことが分り、驚異的な行動力と精神力に驚かされると共に、今でも「下山中に彼は何を想っていたのだろう」と考えると切なくやるせない気持ちになったし、彼の頑張りに感嘆して称賛したし諦めたらダメ!ってことを教えられた気がします。(でも自分だったら、そこまで強い気持ちで動けただろうか???)

その後も、もう一名の方の捜索が同じ山岳会の方々が中心となって続けられ「池ノ谷右股」の剱尾根側岩棚で座る様にしておられるのを同じ山岳会に所属する奥様によって発見されたのでした。

推察するに、この方は身体にダメージを受けていたのか下山することが出来ず、雪渓の中から発見されたのではないということは雪崩の直撃を受けない剱尾根に退避してビバークしながら救助を待っていたのではないかと考えられました。

この方も事故直後は生存していたことになり、一人で山に残された不安・後悔・恐怖等を考えると・・・。

「山で死んではいけない」のですが、人間はチャレンジして来たから今があるはずだしチャレンジしたいという人間を他人が抑える権利はありません。

でもチャレンジするからには、シッカリ準備して「人間は山には敵わない!」「山の中に入れさせてもらっている」という謙虚さと恐れ?みたいなことを忘れずにって思うのですが・・・。

ただし安全がある程度確保されている場合は、それぞれのレベルに合わせて大いにチャレンジして限界を超える努力して体力・技術・経験がステップアップしてゆくのが楽しみだし、レスキュー隊員は激しい現場で平然と動くために限界レベルを上げておくための精進は大切ですよね!

食べれないものは!

2021-04-12

写真

イカリソウ?

黒薙温泉の周りには、イロイロ咲いていました。

道端に咲いていたのですが・・・「イカリソウ」って教えられましたが、ネットの写真を見てみると違うような気もするのですが???

基本的に、食べられないものは積極的に覚えようとしないので・・・間違っていたらゴメンナサイ。

それでも山へ・・・Ⅴ

2021-04-12

写真

小窓尾根1,614mからの「池ノ谷」

「池ノ谷」との出合いを過ぎると水量も増えるので本来ならば、通称「タカのスワリ」といわれるポイントまで赤谷尾根の踏み跡を登り返す高巻きを強いられるのですが、装備もメンバーも揃っているので白萩川沿いに下ることが出来て時間短縮になりました。

警察署の車庫へ収容した所で、警察医の先生に来て頂いて刑事課員と検視が行われました。

白萩川流域では登山者の行方不明者の届け出はなく、一般人が入り込む登山道の無いエリアで自殺企図者?とも考え辛く???身元を特定する者が無かったのですが、後に発見された胴体・所持品等から正月登山で早月尾根「シシ頭」で雪崩で「池ノ谷」に流されたうちの一名であると特定されました。

にわかには信じられないのですが、雪崩に巻き込まれて数百m流されていたはずなのに、自力で 「池ノ谷右股」 を下り左股と合流する「池ノ谷二股」より下流で小窓尾根に登り返して白萩川に下ろうとしていたことになります。

それだけの距離を雪崩に流されて、ダメージは無く自力歩行できたのだろうか? 両側が切り立っていて雪崩の巣となっていたはずの「池ノ谷」を下ることが出来ていたのか? 豪雪で急斜面の小窓尾根を単独で登り返せていたとは・・・。

※写真は鍛冶さんの捜索時の小窓尾根1,614mからのものです。

テント奥右上に伸びる雪渓が「池ノ谷右股」となり、右上ピークが「剱岳頂上」となります。

雪渓右側の(テント真後ろ)岩稜が「剱尾根」となり、その左側稜線のコルが「三の窓」になります。

雪渓も尾根も岩壁も、何もかもが険しいエリアなのです。

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