阿曽原温泉小屋

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それでも山へ・・・Ⅵ

2021-04-13

写真

左の谷が左股、右の谷が右股(池ノ谷二股直下より剱尾根末端)

御遺体の発見現場は、白萩川から小窓尾根1,614mに登るポイント「雷岩」より上流だったのですが、小窓尾根からの下山中にアクシデントに遭ったのか? 途中で動けなくなって、後に白萩川まで流されたのか?

いずれにしろ、生きていた事だけでも驚かされるのですが馬場島に向けて下山していたことが分り、驚異的な行動力と精神力に驚かされると共に、今でも「下山中に彼は何を想っていたのだろう」と考えると切なくやるせない気持ちになったし、彼の頑張りに感嘆して称賛したし諦めたらダメ!ってことを教えられた気がします。(でも自分だったら、そこまで強い気持ちで動けただろうか???)

その後も、もう一名の方の捜索が同じ山岳会の方々が中心となって続けられ「池ノ谷右股」の剱尾根側岩棚で座る様にしておられるのを同じ山岳会に所属する奥様によって発見されたのでした。

推察するに、この方は身体にダメージを受けていたのか下山することが出来ず、雪渓の中から発見されたのではないということは雪崩の直撃を受けない剱尾根に退避してビバークしながら救助を待っていたのではないかと考えられました。

この方も事故直後は生存していたことになり、一人で山に残された不安・後悔・恐怖等を考えると・・・。

「山で死んではいけない」のですが、人間はチャレンジして来たから今があるはずだしチャレンジしたいという人間を他人が抑える権利はありません。

でもチャレンジするからには、シッカリ準備して「人間は山には敵わない!」「山の中に入れさせてもらっている」という謙虚さと恐れ?みたいなことを忘れずにって思うのですが・・・。

ただし安全がある程度確保されている場合は、それぞれのレベルに合わせて大いにチャレンジして限界を超える努力して体力・技術・経験がステップアップしてゆくのが楽しみだし、レスキュー隊員は激しい現場で平然と動くために限界レベルを上げておくための精進は大切ですよね!

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