まさかの・・・?(見れば分かるはずなのに)
2020-06-25
続き。
後の漂着者は、遥か下方の道路を見て右俣を下降すると決めて下り始めたそうです。
尾根からの下りだしは急斜面の藪だったであろうし、途中には岩盤の壁もあったはずで、当然ですが何処かで手・足が滑れば転落です。
谷底に降りても、右股は側壁が崩壊しており落石が間無しに発生しているであろうことは想像できるし、水流は左俣との合流位までは落石で埋まって隠されていますが、溜まった岩は不安定で足を捻って動けなくなれば通り掛かる者も目も向ける者もいない右股ですから結果は・・・。
ラッキーというか本流まで下りきったのですが、対岸に自動車道路は見えても黒部川の本流は梅雨明け直後で水量は多く勢いも強く、ましてや山に雪渓を沢山抱えている時期なので全身を冷水で濡らしてしまうと直ぐに冷たさで身体の自由が奪われてしまいます。
(子供の頃、ゴールデンウイークに友達と黒部川へ泳ぎに行って死ぬほど凍えた経験がある私なのでよく解ります)
その水流を見れば、その場所で川を渡るのは無理だと判断がつきそうなもので、少し下流に藪を漕いで下って流れの浅い・弱い場所を探すなりすれば良いモノを・・・遭難すると正常な判断が出来なくなってしまうのでしょう。
その人はザックを浮き輪代わりに前に抱えて、そのまま黒部川を泳いで渡ろうとしたらしいのですが・・・。
激流に流されて~冷たい水に体温を奪われ~身体の自由が利かなくなり~必死でザックにしがみついたまま流され続け~1キロ足らず下流のダム湖まで漂着したのでした。
その頃には泳ぐ力も残っておらず、取水口に向かって漂っているのをダム勤務員が見つけて「とび口」で岸まで引き寄せて助けたとのことでした。
続く!
この記事の URL : http://azohara.niikawa.com/news/2020/06/n20200625a.html