阿曽原温泉小屋

k

雪崩れの威力!

2018-09-01

写真

道から、動かせません。

キャンプ場から、露天風呂に下り出して30m位のところに止まってしまった岩です。 今年は、雪崩被害で露天風呂を修理した話をしていますが、この岩は道のすぐ上の急斜面の熊笹の中に止まっていました。 去年までは無かったもので、あまりにも不安定な斜面に有って危ないので大仏達が脚で押したら、この大きな岩がずり下がり出して風呂に続く道まで落ちて来た所で止まってしまいました。(迂廻路を作りました)

多分、雪崩で押し流され(吹き飛ばされて)て、雪の斜面の上に止まっていたモノが雪が解けた場所が熊笹の急斜面だったのだと。

観察すると、直ぐ上のキャンプ場の平地の縁がえぐられて崩れており岩の延長線の下方向には露天風呂があり、振り返った上の方の延長線には阿曽原谷の支流(キャンプ場の横を流れる沢)があります。

岩の色は薄い茶色で支流にある石とよく似ているし、丸いまではいかないけど角が尖がっておらず流れの中と言うよりは沢の中に有ったものではないかと???

こんなに大きな岩を、そして沢の中に有ったとしたら、雪崩の威力に鳥肌が・・・。こんな雪崩が通り抜けたのに、浴槽の損傷があの程度で済んでラッキーだったのかも知れません。

ついでに、露天風呂の対岸の上流側の尾根の樹木が、中折れ・裂木・倒木等が見られます。 これは、阿曽原小屋上流の小さな沢から出た泡雪崩が、黒部川を飛び越えて樹木をなぎ倒したものと推察できます。

被害を受けた樹木は、遠目に見ても樹齢100年は越えているように見えます。 と言う事は、100年以上は発生していなかった雪崩が、今冬発生したことになるのでは! 風呂に入った折に見て見て下さい。 更には、折尾谷の出合の本流右岸(遥か下方)にも同じ様な倒木帯が見えます。

黒部の威力恐るべしです!

谷?が暴れています!

2018-09-01

写真

久々に、阿曽原谷の滝に濁流が・・・。

今回は、久々に強い雨でした。

阿曽原谷の滝は、普段は手前の岩が邪魔して小屋からは見えません。

大雨が降ると、滝上部の急傾斜の沢から勢いよく吹き出した水は轟音を響かせながら落下しています。水が着地した地点の、水煙を見て頂ければその勢いが分かるかと。

今回は泥の混じり方が多く、勢いが強かった証拠です。雨粒が多すぎて写真にならず、この写真は少し雨が弱まった時のモノで、少し前はもっと大きな吹き出しになっていました。(H7.7豪雨時は、吹き出しがもっとデカかったし時間も全然長く続きました)

小降りになると、水の濁りも無くなって吹き出しも少なくなります。 黒部は岩盤が多く傾斜が急なので、水の出方も早いけど引き方も早いのです。 もし行動中に、大雨に降られて度渉等が出来なくなっても、小降りになればしばらくしたら引き始めるはずなので、不安を感じたら無理せずに!

雪渓の崩壊時にしろ今回の大雨にしろ、山を震わす轟音の前では、改めて人間のチッポケさを痛感させられます。

先日崩壊したスノーブロックは、おかげで随分小さく成りました。黒部川本流の濁流にも雪の塊がドンブラコしていたので、下の廊下の残雪もかなり無くなっているのではと推察できます。

※5日に直撃予報の台風も控えていて、昨日から7日の1名までは予約のゼロ行進が続きます。

1人で留守番なので、電話の近くに居ない時には繋がりにくいかと思います。

下の廊下の工事も、雨の影響で思うよう進みません。 このページで告知が無いと言う事は、進んでいないと考えて下さい。 最近、情報が無いからとの電話での問い合わせはご容赦願います。

俺の愛車??

2018-08-29

写真

愛用の草刈り機です!

今年は、夏の猛暑が続いている間は成りを潜めていた雑草たちが、最近の雨で息を吹き返して一斉に伸び始めました。

小屋の周りや露天風呂までの道も、キレイにしてあったのですが足元が見え辛くなって・・・。

天気が悪くてキャンセルが出て、お客さんが居ないし雨が上がった午後から頑張っていました。

すると、欅平からテントを担いだ登山者が一人来られて、「翌朝早出したいので、テントの撤収に時間が掛かるから小屋に泊めて下さい」との事です。(翌朝4時には姿が有りませんでした)

あわてて夕飯を作って、少しお話したら埼玉県の方で

「朝早い北陸新幹線に乗ったら、10時過ぎのトロッコ列車に乗れて阿曽原まで来れました」

とのことで、便利になったと仰っていました。

脚の強い方なら出来るようになったのです。

以前から会合等で提案しているのですが、立山・黒部に来られるお客さんには「黒部宇奈月温泉駅」で降りて頂いた方がどちらもアクセスが良くて便利なはずなのです。

「はくたか」しか停まらない駅だけど、山のシーズン中だけは東京発の始発の「かがやき」を「黒部宇奈月温泉駅」に停まるようにして、立山室堂には直行バスを用意して近くにある黒部インターから向った方が富山駅からよりもスムーズで安く行けるのでは?(黒部駅は空いていてバス乗り場も近い・富山でバスに乗り換えると市内の混雑に・電車に乗り換えれば高い運賃と遅い列車)

黒部峡谷には、隣接する富山地方鉄道を利用すればもっと早くトロッコに乗れるのに!

って、言っているのですが・・・JRのお偉いさん、読んでくれないかな~。

もしもし、サルはいますか? あったりまえです!

2018-08-29

写真

キャンプ場に現れた、サルの群れ!

ニホンザルは、欅平~阿曽原間には複数の群れが居ると何かの資料で見たことが有ります。

実際に、阿曽原に現れる群れは確実に2グループは確認できています。 数年前までは、片方の群れに白っぽい色のメスザルが居たので判別し易かったのですが、今は見分けがつきませんけど。

その群れは、人間が近くに来ても適当な距離を置くだけでしたが、別の群れは人間が近づくと威嚇して来ました。

写真は2日前の雨の晴れ間に出てきた群れです。出て来るしばらく前から「ギャーギャー」と、鳴き声が聞こえ出して気が付くとキャンプ場で草の種等を食べていたようです。

シーズン中何度か出てきますが、ずっとそこに居ても餌が有る訳では無いので山の中を巡回して餌をあさっています。 若い雄サルは、群れには入れてもらえないので一匹で現れます。

先にも書きましたが、出くわしたら少し間を置いて通り過ぎてゆくのを待ってやれば怖い思いをしなくて済むかと。

※対決!「気合だーっ!」

以前、知り合いが東谷の吊り橋を渡ろうとしたらサルの群れが対岸から、吊り橋の板の上や左右のメインワイヤーを伝って「ギャーギャー」と凄い勢いで向かって来て怖くて慌てて引返して遣り過したと小屋に来て言いました。

翌日、私が一人で吊り橋に行ったら同じように対岸からこちらに威圧しながら向かって来ました。 

最初が肝心!「人間舐めんなーっ」一声出して睨みつけて、背中に差していたピッケルを引き抜いて振り回したり吊り橋のワイヤーを叩いたりしながら「ドリャ―」と気合を入れながら速足で前に進んで行くと、奴らは慌てて回れ右して対岸の藪の中に消えてゆきました。(怯えて逃げる姿は可哀想で、自分が大人げない気に・・・)

少し違いますが、包丁を持って暴れて一晩自宅に立て籠もっていた男性を、夜明けと同時に前山岳警備隊長と突入して取り押さえたこと(保護)が有ります。 怯むことなく気迫を持って対するのは同じです。(柔道・逮捕術の試合で、組んだり構えたりしただけで、達人には敵わないとすぐ分かります。スキが無く、いわゆるオーラが!)

「気迫」「気合」は、ハッタリかます人間?にもサルにも通じるような気がします。(最初に怯むと効果無し!確信犯や薬物中毒等にも、効果無しですから状況を見て!なんのアドバイスやら? 危険な業務を、真面目に遂行している警察・消防・自衛隊らの方々をみんなで応援しましょうね!)

祝砲???

2018-08-29

写真

巨大なブロックが不安定に折り重なって!

阿曽原谷のスノーブリッジが、崩壊しました。

2日ほど前から、時々ブリッジの内側の雪が剥がれ落ちる音が小屋まで届き出したので、そろそろ崩壊が近いかな~って。小さな崩壊は、チョコチョコ有りますが、谷を渡しているブリッジが崩壊するのはシーズン中一度だけです。(あたりまえですが!)

上手くゆけば動画で撮れないかと考えていたのですが、夕方7時過ぎに「カッ!・・ボッカーン!」と大きな崩壊音と共に小屋の窓がブルブルと震えました。 見ると手前3割位が崩落していました。暗いので撮影は諦めて、明日まで何とか残ってくれればと思っていましたが深夜に轟音がして・・・、朝起きて見たら全部落ちていました。

急傾斜の谷底から立ち上がる、向って左側のブロックの高さは30メートル近くは有りそうです。今年は、雨が少なかった・雪渓の上を覆っていた土砂・腐葉土が多かった等の理由から高く残ったような気がします。 小屋からは全容は見えませんが、谷底に崩れたブロック量もかなりのモノです。

谷底に崩れたブロックは、どんどん解け出して見る見る無くなります。左側の大きなブロックは、岩壁に寄り掛かかる形でまだまだ残って、最後はゴロン・バタンと谷底に転がって崩れるか、そのまま小さくなってゆくかのどちらかになります。

※祝砲?

昨日は、雨の中欅平から3名のお客さんが来てくれました。 温泉マニアの方々で、全国を回っておられるとのこと。

リーダーの方は、阿曽原が3000箇所目との事でした。お祝いに阿曽原谷が、「祝砲」で祝ってくれたのでは・・・!

 

関電・黒部ルートの一般開放報道について!

2018-08-28

写真

仙人谷ダムより、飛龍峡と上部専用鉄道鉄橋。

一部マスコミに、関電・黒部ルートの一般開放問題が進展しているかのような報道が有りました。

ネット上でも「電車で阿曽原に行けるのかな?」みたいな事を書いておられる方がおられます。

報道をよく読むと、何にも決まっていないのでは???と思えるのですが。

阿曽原HPトップ下に、去年作成した「立山・黒部世界ブランド化についての意見書」 「関電黒部ルートの利用方法についての私見」の中に書いておきましたので読んでみてもらえれば幸いです。 

安全管理対策については、協定締結時とは全然レベルが上がっています。 対策には、莫大な費用と時間が必要になるのですから!

万が一、問題をクリアして一般開放になったとしても、阿曽原での乗降車は無理どころか、途中下車すら無理だと思います。

映画「ホワイトアウト」を覚えておられますか?ダム・発電所等の施設は御硬く言えば「重要防護施設」なのですから、一般人が勝手に動き回られては事業遂行の邪魔になるのは目に見えていますもの。

と言う事で、阿曽原が観光客で溢れる等と言う事も無いと確信しております。

この話を書き出すと終わらなくなるので、トップページを覗いてみて下さい。

※昔の映像(DVD)

阿曽原小屋には、昭和29年秋に撮影された下の廊下を遡行した時の映像「絶瞼 黒部十字峡」が有ります。

このページの、写真の鉄橋がまだ建設されていない頃のものでカラー映像です。

いい加減な解説や、わざとらしいヤラセ(脚色?)の部分も有って苦笑い部分も有るのですが、貴重な映像には間違いありません。

ご希望が有れば、小屋のテレビで見て頂けますので遠慮なく申し出て下さい!

アーカイブ

最近の記事