小さな幸せ?
2023-09-12
土曜日に欅平から来てくれた信州からのグループの先着者によれば「靴のソールが剥がれた人がいて、ゆっくり向かっている」ってことでした。
ゆっくりといっても、夕食時間には全員余裕で届いておられてシッカリしたグループでした。
到着された信州マダムは両方とも靴底ソールがベロ~ンと全面剥がれて、つま先部分だけがなんとか接着していたものをリーダーが持参の細い針金で靴を丸ごと縛って阿曽原まで届かれました。
夕食を食べていただいてる間にビス止め補修を始めたのですが、中間のウレタン部分が欠損していたり柔らかくて固定してくれないので長めのビスを打ちたいところですが、靴の中まで貫通させては拷問状態に・・・ソールも場所によっては厚みが違うのでいろんな長さのビスを沢山使って両方を固定して、補助に結束バンドを巻いて翌朝マダムが靴を履いた時点で締め上げて固定して差しあげました。
(「至れり尽くせり~」って黄色い声が同行マダムから聞こえて来て、実は少しだけ耳を紅くしていたりして・・)
今シーズン2件目でチョイチョイ発生してしまうのですが、小屋で補修して差し上げています。(もちろん男性の靴も)
明りの有る受付前玄関で作業していると、他のお客さんも興味深そうに寄って来られて色々と話しかけて来られます。
大した事していないのですが、感心されたり・感謝されたり・・・補修作業しながらの受け答えだし照れ臭いしで「ハイハイ」的な?適当に答えてしまうのですが・・実は「山小屋やっていて良かった~!」的な、小さいですけど幸福感?充実感?に浸れる時間なのです。
山の中でいろんなトラブルに遭われた方々にしてみれば本当に困ってしまう訳ですが、我々が少しのサポート・お世話をしただけで「ありがとう」を自然と言って頂けるわけで「いい仕事させてもらっているわ」なんてことをおもうと「次も頑張らねば!」ってことになるのも自然(あたりまえ)なことだと?
人それぞれ「幸せ」を求めて生きているはずですが、山小屋稼業は連日いろんなことが起きてしまい「イラっ」とすることもあるけれど、実は「幸せ」を沢山感じれる仕事だと思っていたりする小屋主なのです。
※だからって、壊れそうな靴で山に入って困るのは歩かれる本人ですから入山前の点検はシッカリお願いいたします。
我々にしても、お客さんが到着される時間帯は忙しいしお楽しみの飲む時間が削られるので、一度に何足も修理するのは流石に・・・。
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