阿曽原温泉小屋

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良い方向に向かうために!

2021-12-24

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丸太橋を番線で締め上げて。(私も、こんな事できなかったのですが・・必要に応じて覚えてしまいました)

先日の山小屋協会の代表者会議で「皆さん日本男児だから、自分の苦労を外に言ってこられなかったんですよね」みたいなことを議長の私が発言したら、会議後に女性出席者から「ジェンダーが叫ばれている今時、日本男児なんてことを言ったら✖✖✖✖✖」と指摘されタジタジさせられたのでした。(山の中で力仕事やレスキューしていると「男女それぞれ」出来る事すれば、っておもってしまう私は時代遅れなんかな??・・火に油ーっ!)

それはさておき、確かに今まで分かってもらうための努力が足りなかった部分もあったのではないかと・・。

そして利用者の方々も、登山道の管理が大変さも理解した上で「将来はどうなるのだろう?」と心配しているものの、仕組みやシステムが分からず?どうしていいのか分からないので「寄付の申し出」に繋がったのではないでしょうか?

今シーズン試験導入された「北アルプストレイルプログラム」は、現在のシステム・取り組みの中でみんなの自然公園の一部管理を任されている我々山岳関係者と、そこへ楽しみに訪れる利用者とが理解しあって保全しながら楽しんでゆく為には素晴らしい取り組みだと思います。

(運用してみて改善点が出て来るのは当たり前ですが、そんな中でもまずは動き始めないと!って行動してくれた環境省と槍・穂高方面の関係者の方々には敬意を表さねばと考えます)

こんな事を書くのは、実は面倒くさいし・・自分を縛ることになるので腰も引けるのですが・・。

歳を取ってしまい山で流せる汗も少なくなった自分が、みんなの山を末永く楽しめる為に「今の自分に出来る事」と考え、作文することによって少しでも相互理解に繋がって良い方向に進んでくれればと書いております。

お互い様なのです。

2021-12-23

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クレソン?仙人谷の水辺に自生しているのですが・・違っていたらゴメンなさい。

先ページでは極端な出来事と突発的な災害時の事などを書きましたが、お陰様で応援して頂いている利用者の方々の方が断然多いのが事実です。

今年も宿泊受付していると、料金より1,000円多かったので「1,000円札1枚多いですよ」って返そうとすると「道直しに寄付させてください」って申し出られました。 今年の槍・穂高方面での取り組み等で現状を知られたらしいのですが「すごく有難いのですが、ここで今頂いても上手に生かすことが出来ないから」と丁重にお断りさせてもらいましたが本当にありがたく感じました。

私は営業期間中、毎朝なるべくお客さんを玄関で見送るようにしています。

体調の悪い方がおられないか?靴底剥がれてないか?靴紐がちゃんと結ばれているか?スパッツ逆につけていないか?ザックのバランスが悪くないか?等々を見る為なのですが・・・。

本当は・・お客さんが出発前に言って下さる「ありがとう」を聞きたくて出て行っているのかも??(ブッキラボウだし、朝カレー食べ食べ出たりすることも)

オンボロ小屋だし豪華な食事も出せないのに安くはない料金を支払っていただき、加えて「ありがとう」を言ってもらえるなんて・・・。

我々の仕事を、理解してくださって応援していただいているからだと!カッコ良く言えば「やりがい」を実感できる瞬間です。

毎日のお客さんからの「ありがとう」が温かい激励(魔法の呪文?栄養剤?)となって、「こちらこそありがとうございます。次も頑張らねば!」につながっています。

本当は、世の中には「世のため人のため」我々よりもっと大変な仕事をしている人が沢山いるはずなのに、毎朝ダイレクトに「ありがとう」を頂けて、我々は幸せ者だよな~なんて思ってしまうのです。

まとまらなくなってきた~っ・・今日はここまでっ。

言い訳ではありませんが!(分かってもらえている方も多いのですが)

2021-12-22

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今年8月末の増水した仙人谷ダム(洪水時は、ゲート全開で水煙にまみれてしまいます)

しつこく続く。

ある山岳関係のイベントで、開場直後に近くの相談員ブースの前へザックを担いだ大柄な中年の男性がスタスタと歩いて、ある相談員のブース前で立ち止まり直立したまま座っていた相談員(山小屋関係者)に向かって大声で一方的に何やら話し出されました。(怒鳴るまではゆかないけれど強く演説調に)

周囲の相談員も来場者も何が起こったのか?、しばらく(2分位?)言いたいことを言うだけ言って「キレイな回れ右」(警察・自衛隊あがり?)してスタスタと会場出口に向かって歩いて帰ってゆかれました。

近くの相談員・来場者・スタッフとも「唖然」としてしまったのですが、要は「大混雑した日に山小屋で酷い扱いを受けた」ことが許せなくて会場に来て直接苦情を伝えに来られたみたいでした。

当時の状況が分からないので、簡単にどうこう言えませんが混雑時の山小屋が修羅場?と化していたのは想像出来ます。(その場で満足な対応が出来なかったものか?多分、それどころではなかったのかもしれないけれど・・)

私自身公務員(一応)からの転職組なので、山小屋運営について初めの頃は理解不足というか勘違いというか・・単純に収納能力の大きな小屋のハイシーズンの人出を見ていると「一日で凄い収入になるんだろうな~」なんてことを考えてしまっていました。

先の台風19号の話と被りますが、平成7年7月の大洪水で交通機関が壊滅してしまい小屋建屋は被害を受けていなくても登山者が山に入ることが出来なくなってしまい幾つもの山小屋が営業が出来なかったり収入が激減してしまいました。 (阿曽原温泉などは規模も小さく従業員も少なく、シャーないからって災害復旧のアルバイト等で糊口をしのぐ?ことも出来たのですが・・)

ちなみに今年のお盆は大雨で、阿曽原は元々夏は宿泊者が少ないので被害というほどのものではなかったのですが、普段のお盆なら数百人単位の宿泊者が有る小屋が「0人~一桁」だった小屋もあったそうですし、槍穂高・飛騨方面では地震の影響もあったみたいです。

規模の大きな山小屋は、沢山の従業員やアルバイトを抱えて(大きな小屋は阿曽原の客室定員数をはるかに超える人間が働いています)食材や資材・燃料等をヘリコプターで大量に運んで準備をしていたものが無駄になったり・・・。

他にも設備を更新するにも莫大な予算が必要になるし・・宿泊者が多く成ればそれだけ、火災や食中毒等への責任も大きくなるし・・オフシーズン(暇な時期)も沢山あって・・そんな苦労を後から知ると、超混雑時だけを見て「濡れ手に粟」みたいに思ってしまわれる方がいるのだろうな~なんてことを考えてしまいます。

まだ続く

理解していただくために、現実を知ってもらうのも。

2021-12-20

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東鐘釣山トロッコ列車沿線の巨木は逞しく!

続き

一昨年?台風19号の災害で、関東方面からの新幹線を始め交通機関が壊滅してしまい天気が良いのにキャンセルが相次ぎました。

このように、登山者が原因ではないキャンセルについては仕方が無い事なのですが、登山者側に原因がある場合についてはどうしたものか???

更には、同じグループが別の名前で別の日に予約を入れて片方の日だけ来て別の日をキャンセルしたり、ひどい時はキャンセルし忘れていて、こちらから連絡すると「先週行きました」って返事が返って来たりすることも・・。

また、ある山域では付近の3軒の山小屋に同じ日に同じグループで予約が入っているケースが発覚したこともあったそうです。

どうしても登りたい気持ちもわかるし、当日の体調次第では目的の小屋まで届かなくなってしまうかもしれませんが、コロナ対策で宿泊者数を制限していた中でスペースを空けて食事を用意して待っている側からすればスミマセンで済まされても・・・。

コロナ禍が収束しても、以前の様に混雑時には窮屈に収まってもらうスタイルでは営業出来なくなることも考えてゆかねばなりません。

・宿泊料金の値上げ! ・予約金制度の導入! 等々、立地条件や客層等々の違いで各小屋それぞれ新システム導入されてゆくのではないかと考えられます。

こんな事は書きたくないし読みたくもない人もおられるのは重々承知なのですが、山があって山に登る人がいる限りは山小屋・登山者・行政など関係機関が理解し合いながら山に関ってゆかねば「北アルプストレイルプログラム」みたいな良い取り組みも上手く行かないのではと心配になるので、これからもチョイチョイ山の問題について書いてゆきます。

来シーズンの予約について。

2021-12-20

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鐘釣で見つけた「サワガニ」(かなり大きかったのですが、残念ながら亡くなってました)

先日の会議でも出された問題なので紹介しておこうかと・・。

実は先月小屋閉めから帰って、今シーズンも終わって「ヤレヤレ」後は事後処理を・・・なんてことを思っているところへ、来シーズンの小屋の宿泊予約の問い合わせ電話が何件か入って来ています。

コロナ禍が先の見通せない中、来シーズンの営業形態もまだ決められずにおりますので、方針が決まり・予約帳が作られたらこのページでお知らせしますのでそれまでは御容赦ください。

そして予約方法については、先日の「北アルプス山小屋協会」代表者会議や「山松会」の集まりでも話題に出たのですが「予約金」「キャンセル料」についてでした。 

すでに予約システムを確立実行している小屋もあるのですが・・。

毎回議論になるのが「予約金」「キャンセル料」惜しさに「悪天候」「体調不良」「アクシデント」等が発生してしまっても無理して入山されることは無いだろうか?

下界と違い厳しい条件の中で建ち自分の脚で歩いて来てもらわねばならない山小屋ですが、街中の宿の様に当日キャンセル100%なんてことも無理があるし・・・。

かといって、このままでは経営自体が立ち行かなくなるのでは?

コロナ禍以前はなんとか廻して来たのですが、収容人員を制限しての経営では・・更には立地条件も利用者層も様々な山小屋協会です、ジレンマというか頭の痛い切実な問題が持ち上がっているのです。

続く

ドローン無しでは・・。

2021-12-19

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昨日の夕方、一時的に陽が射しました。(負釣山には大した積雪が有りませんでした)

昨日は、BSプレミアムの影響なのか?反響があったみたいで・・小屋のホームページへのアクセス数が40%ほど跳ね上がってました。(さすがゴールデンタイム)

テレビと言えば、月末の29日午後9時からの BSテレビ東京(7チャンネル) も、二時間スペシャルで黒部を特集してくれるらしいので興味のある方はご覧いただければと思います。

それにしても、昨今の迫力ある映像はドローン無しでは考えられなくなってきた感があります。

先日の「北アルプス山小屋協会」代表者会議の席でも、森林管理署によれば個人からのドローン飛行の届け出数が増えて来ているとのことで、実際に稜線・高原・キャンプ場を問わず見かけるようになって来ているそうです。(確かにYouTubeで沢山の映像が流されています)

そんな中で多く飛び過ぎていると、山小屋への物輸・レスキューヘリコプターが飛来した時に事故が発生しないか?雷鳥が猛禽類等の天敵と間違えないか?との心配する声が聴かれました。

ヘリコプターは、電車と違って決まった時間に決まったコース・高度を飛んでくるわけではありません。

それはドローンも同じなのですが「ここまで影響ないだろう」と気付いてくれるのは良いほうで、侵入方向によっては尾根の裏からイキナリ現れたりして直前まで気付かない人も出て来るのではないかと・・。

昨今の物輸ヘリコプターの料金高騰に頭を悩ませている山小屋業界なのですが、万が一エンジンへの吸い込み・テールローターへの接触等で墜落事故でも発生してしまえば「山小屋経営への影響が出て来るのは必至ではないか」と懸念する声が上がっていました。

今のところ規制が追い付いていないというか、物輸・遭難捜索等々ドローンの公益的な可能性が大きくなって来ている中では規制も出来ないのが実情なのだろうと。

取りあえずは、山岳地帯でドローンを飛ばされる方に対して様々な危険性・影響などを伝えて「飛行させる時には、周囲の状況に注意する等していただくように呼び掛けてゆくしかない」って話をしたところです。

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