阿曽原温泉小屋

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営業方針発表は、もう少しお待ちください。

2020-07-04

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非売品!「ありがとうございました」

「Finetrack」様より、同社で製作された非売品のマスクを送っていただきました。

添えられた文書には、

山小屋は、登山者の宿泊や憩いの施設であり、安全登山のライフラインを担う山の守り手です。山を安全に遊ぶために仕事をしている点、山小屋を営む皆様も私たちメーカーも、想いは一緒であると感じると同時に、皆様に畏敬の念を抱いております。

と書かれてありました。

先の「MOUNT BELL」さんからのフェースガードの提供しかり

「山を楽しんでもらうために、自分達が今出来ること!」

山に関係するもの同士、一緒に頑張って行かねばと思う次第です。

阿曽原温泉小屋は、未だ今シーズンの宿泊営業をどうするか判断に迷っており、皆様には御心配をお掛けしております。(登山道・キャンプ場は、利用できる様にする予定です)

梅雨明けを目途に小屋建てをして、9月位からの縮小営業を目指していたところでしたが・・・糸魚川ホンキートンク「ZIP」へ 「ぐでんぐでん」 しに行った罰が当たったのか?一晩で感染者数が増加するし、隣町で感染者が出てるし・・・このまま感染者数が増え続ける様であれば考え直さねばならなくなるかも・・・。

小屋の利用者の方々に感染者を出さないことは勿論ですが、万が一にでも小屋で発生してしまうと我々スタッフも濃厚接触者となってしまい相当日数の隔離処置を覚悟しなければなりません。

代わりに小屋の切り盛り出来る人間は何処にもいませんから、そうなるとキャンプ場の管理すら出来なくなるのでは???かえって黒部を利用し辛くなるのでは? 

小屋締め直前に、そんな事態になってしまえば雪が降る前に小屋の解体が出来るのだろうか?

等々、次々と考えてしまい正直悩んでいる次第です。

いつもの自分なら、「山を預かる者の務め!」って強行突破というか前に出るのですが・・・他人に、痛い目・迷惑が!かもと思うと利用を控えてもらうのも務めなのかもって気もしています。(山は逃げないから無理するな!って言っているし・・・去シーズンの死亡事故の多発とかも考えると対応が出来るのか?)

今シーズンの阿曽原温泉小屋の営業方針について、今しばらく発表をお待ちくださいませ。

雪渓歩きの落とし穴!Ⅵ

2020-07-04

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不安定になり始めた剣沢雪渓!見れば分かるのだから迂回すればいいのですが?

先のページで雪渓はそれぞれ違う話を書きましたが、残雪の多い時期のビッシリと埋まって安定した雪渓は、夏道に戻るポイントを見逃してしまうことがあります。

○安定した雪渓は歩き易くて、周りを見ず足元だけ見て歩いていしまう。

○そもそも、雪の上を歩くのが怖くて次の足を置く場所しか見えていない。

等の理由からですが、劒沢~仙人池~阿曽原のコースに関しては各山小屋に確認していただければ、最新の雪渓の状態を把握して「何処に注意して歩けばよいのか」を通行する方に伝える様にしております。(時には、略図を渡している場合も)

しかしコース全体の概念は、歩かれる本人・グループであれば最低リーダーが把握してから入山していただくことが大切ですが、最悪知らずに入山しても常に周りに気を配って確認しながら歩いて頂ければ迷う様なことはないのですが・・・。

更に迷った方は、雪渓の勾配のキツさ・藪に行き当たる・登山道が何時まで経っても見つからない等などで、途中で「間違ったかも!」と気付いている方が多いと思うのですが・・・。

○怖くて下れない!  ○引き返すのは大変!  ○行けば何とかなる!(現実逃避)  

この様な自分の都合?みたいな理由で「ハマって」しまう方がほとんどではないかと。

何度も書いてきていますが事後に検証してみると、単独登山者・リーダー不在パーティーがトラブっているのは明白なのではないかと思っています。

雪渓歩きの落とし穴!Ⅴ(その場その場で、違うのです)

2020-07-02

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中央上部の雪渓から右上に伸びている枝沢(雪渓)を登ってしまったのでした。

まとめ!

今回の遭難も、雪渓を登って行ってのルート間違いでしたが、他にも仙人池ヒュッテまで30分の場所で枝沢に登って行って登山道が無くなったけど・・・「小屋の発電機の音が聞こえる」って、こんな迷いパーティーが出たこともあります。

リンクの地形図中央に、破線がくびれているポイントがありますが、当時は正面の枝沢にも残雪があって、道をくびれずに枝沢の残雪を真っ直ぐ登ってしまったのでした。

(阿曽原で泊まって剣沢に向かったお客さんだったのですが、私達が真砂沢までの登山道補修に翌日向かうため小屋の片づけを済ませて夕方仙人池に着いたところで一緒になって???かなり昔の話しですが、縁が出来たのか?それ以来その兵庫のお客さんは度々阿曽原に来てくれています)

これだけ間違いがあるのならば、白馬岳の大雪渓の様に紅ガラを撒いてルートの目印にすればと考える人もいるでしょう。

仙人谷の雪渓は狭い谷筋に残るのですが、冬場の降雪量・雪崩の規模・夏の気温や雨量等によって、融雪のスピード・残雪ブロックの形状等に大きな違いが出て来てしまいます。(標高の低い場所の残雪は、気温が高くなるのに雪渓で空気が冷やされてガスが湧きやすく迷いやすい?)

下手に目印を固定してしまうと、かえって危険な場所に誘導してしまうこともあるのです。

なので、大雪渓と同じ様な対応は出来ないのでチョコチョコと様子を見に行って、その都度目印を付けに行ったり状態が非常に悪くなった時には現場に一日中張り付いて誘導するために阿曽原から毎日通ったこともあります。

先に紹介しましたが、10月初旬まで残った枝沢の雪渓の崩落に巻き込まれスノーブロックに埋まった登山者を救助したこともあります。

すみません!これから糸魚川に飲みに行けねばならないので・・・明日、元気なら続きを書きます。

疲れるけど。

2020-07-01

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前ページの「虹」を振り返ったら夕焼けが。

昨日は午前~午後に、黒部峡谷関連の総会二つ・会議一つの都合三つ連続出席・・・森林管理所と事務局の市役所職員以外で、全て出席は私だけ???少々疲れました。

先週も会議やら総会やらが・・・毎年この時期は会議が続きますが、今年はコロナの影響で明るい話題は出ないし気が重いです。

阿曽原に帰りたいけど今年はまだ小屋が建っていないので、例年なら内装作業したり食器洗ったりしているはずですがナンも出来ないし、梅雨で天気が悪いので草刈りも出来ないし、雲切新道の丸太橋も梅雨明け宣言までは架けられません。

そんな中、昨日の夕焼けがキレイで! 見ていると雨が降り出して、振り返ると「虹」がクッキリと掛かっていました。(写真撮っている間に、濡れネズミになりましたが)

疲れるけど悪い事ばかりじゃないですよね。 がんばろーっと!

雪渓歩きの落とし穴!Ⅳ

2020-07-01

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昨日の夕方に現れた虹がデカくて。(薄く外側にも)

続き。

稜線まで 高低差600m 余りですが、急斜面をガシガシとダイレクトに登るので案外早く稜線に近づきます。

最後の急斜面の濃い藪に入った辺り、稜線まで30分位?の藪斜面で「とやま」の爆音が遠くから聞こえ出して無線で遭難者のビバーク地点にアプローチする旨の連絡が入ります。

爆音は近くなって真上を通過してゆき、稜線上で遭難者を発見してホイストで隊員が降下して無事ピックアップ終了させてヘリコプターは離脱してゆく無線が入りますが、「遭難者のザックを回収できなかったので頼む!」って言われて・・・。

シャーないので稜線まで登ったのですが、傾斜が緩くなった途端に灌木が密生していて苦労させられましたが・・・ラッキーなことにザックはすぐに見付けることが出来たのでスグに下山を開始、日没前には阿曽原に帰ることができたのでした。

雪渓歩きの落とし穴!Ⅲ

2020-06-30

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旧道崩壊地手前から仙人谷を望む(中央左奥緑の台地内に仙人温泉小屋)

続き。

私も日帰りで草刈り作業に来ていたので、ロープ等装備はおろか食料と言っても弁当は食べ終わっており行動食も僅かしか用意していません。

このまま天候が持って、ヘリコプターでの捜索~救助がスムーズに運べば私が稜線まで登り返す前に終わらせてくれるはず、一応ですが持っている容器に水を満タンにして 枝沢 の雪渓を登り始めます。

(写真は時期が遅くて残雪は少ないですが、右上から降る枯れ沢を登りましたが、沢の中には灌木が無く草付きの急斜面なのが分かるかと!この時期になると雪渓歩きが出来なくなり、登山道を歩いてもらえるので基本的にコース間違いはないのですが・・・)

10分ほど登ると雪渓は無くなり、急な斜面が始まるのですが 「すり鉢状」斜面は、雪崩の通り道や雪渓のずり下がりのコースとなっていて岩屑と泥でパンパンに固まった斜面で手掛かりになる藪は無く短い雑草しか生えていません。

取り合えず、雪渓は蹴り込めば足場が出来るしピッケルを突き立てることも出来てなんとか安定するのですが、雪の無くなった岩屑斜面は不安定過ぎるので枝沢の真ん中から逸れた藪斜面にルートを取って2,051mピークに向けて登ります。

途中で無線で、消防防災へり「とやま」が準備が整い次第現場に向かうとの連絡が入ります。

続く。

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