阿曽原温泉小屋

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やっぱり神様の掌の上?Ⅸ(チャレンジ終了?)

2020-05-20

写真

コゴミ以外、まだ何も生えていません!山菜によって収穫時期が違います。

続き~。

迫って来た対岸斜面までの距離を見れば、祖母谷川まではもう一息なのが分かります。

藪が薄く日当たりのよい「山ウド」畑を後に傾斜が緩い藪を掻き分けてゆくと、今迄に見たことが無い「極太コゴミ」が生えている薄暗い平地に出ました。

「ジュラ紀の草食竜がくわえている様な!」までとは言いませんが、私の指位の太さ・膝下位まで長く伸びて・なのに先端が開かずに頭が丸まったままで・・・試しに摘んでみると柔らかく簡単に折れます!

「こんなの見たこと無い、スゲー」とウヒャウヒャ騒いでいたのですが収穫していて遅くなると・・・流石にこの先に何が出て来るのか分からないし、クマの気配の濃さから早く離脱せねばと先を急ぎます。

藪を少し進むと・・・いきなり足元が切れ落ちて、赤っぽくツルツルした岩壁が両岸ともに上流から下流に向けて見える範囲全てに続います。 地形図の表記通り、ゴルジュ帯の真ん中に到着したのです。

奥山だし、もしかしたら残雪でスノーブリッジが掛かっているかも・・・?って淡い期待を持っていたのですが、雪のかけらもないどころかゴーゴーと水流は早く激しく泡立っています。 

岩壁を降りようものなら、ツルツルに磨かれた岩は水で濡れて川床に立つどころか水量が多くてそのまま流されるしかないでしょう。 (昔の「猿飛峡」みたいな)

コゴミなんぞに浮かれている場合ではありません、ゴルジュ帯の上辺の藪を下流に向かって進むのですが、下降するのと違って横移動は川に向かってなびいている藪をかわしながら進むので結構難儀でペースも上がらず、ずーっと続いている藪漕ぎに流石に体力を消耗するばかりなのでした。

ヘロヘロになって進むと谷が広がり、藪が薄くなって崩壊斜面の上に出たのでした。祖母谷川は、広い河原になって流れも広くなっており下流には砂防堰堤が見えて、今回も濃かった「中背尾根チャレンジ」も無事帰還できたと思えたのですが・・・。

もう少し続く~!

群発地震について。

2020-05-20

写真

虹の彼方に・・・いい事あるはず。

岐阜・長野県境で発生している、群発地震について心配しておられる方もおられるかと思います。

富山県内では最大震度2が観測されていますが、今のところ黒部峡谷方面については影響は出ていません。

○トロッコ列車終着の欅平では、若干揺れた??くらいで震度は観測されておらず、作業用列車も通常運行しているそうです。

○阿曽原の上流の「仙人谷ダム」では、昨日は体に感じる揺れが2・3回有りましたが、落石や雪崩などの報告は今のところ無いとのことです。(誰も歩きに行けてないのですが)

とのことですので、今のところ黒部エリアに関しましては大丈夫ではないかと。

※参考

東日本大震災の半年後に、黒部ダム周辺で発生した群発地震では、仙人谷ダムを境にして黒部ダム側は揺れが強く、十字峡上流で地滑りが発生して登山道ごと斜面一区間が無くなってしまう被害が有りましたが、下流側になる欅平方面は明らかに揺れが弱く被害は皆無でした。

(地表近くにマグマ溜まり〔高熱隧道〕が有ると、緩衝材になって揺れが伝わりにくい?)

更に今から20年ほど前ですが、同じような震源で夏場に地震が続いた事が有りました。

その時は、北アルプス南部の登山道が被害を受けて関係者の方々が修復に苦労なされたと聞いています。黒部エリアでは、雲切新道になる前で「阿曽原峠~仙人温泉間」の登山道が一度だけ落石で損傷を受けて迂回路を作った記憶がありますが、距離が離れているからなのか?それほど大きな影響は有りませんでした。

(後に新道を何処に作るかの調査で、尾根全体が不安定な岩の積み重なりという事が確認されて、仙人谷の対岸尾根に作ることに決めたのです)

コロナ共々、早期終息を願うばかりです。

写真は、昨日の夕方は荒天だったのですが一時だけ陽が射して濃い色の虹が出てくれました。

やっぱり神様の掌の上?Ⅷ(お気楽な三人)

2020-05-19

写真

新芽を誰かが食い千切って・・・太く瑞々しい茎が土の中に見えています。

続き・・・。

主稜線に戻った我々は、すぐ先の1,715mピークまで様子を見に行くことに。

ゼンゼン藪も薄くて楽勝、地形図 を読むとピークから北西に下って祖母谷川に伸びろ稜線が・・・距離も短く等高線の間隔が広く、同程度の藪の濃さでも随分歩き易すそうに思えます。

谷筋はゴルジュ帯(切り立った大きな岩壁にはさまれた狭い谷)の表記が続くのですが、最奥の砂防堰堤まで行ければ工事現場だったんだから「何とかなるんじゃね!」・・・何の根拠もない淡い期待がムクムクと。 

更には、対岸に工事用の道路(廃道)が来ているので、祖母谷温泉小屋まで道路を歩いて行けそうなのです。

なんて魅力的なルートでしょう! 「こんなに楽チンそうなのに行かない手は無いやろう」って、若く・体力充実・自信過剰で・・・結果として「山を舐めてた」「思慮の浅い」「お気楽な」三人は何の危機感も持たず祖母谷川に向かって下降始めたのでした。

藪斜面だけど傾斜が緩いので、ドンドン高度を下げることが出来ます。一気に500m余り下った辺りで一段と緩い砂礫斜面で藪が少ない場所に出ました。

「スゲーッ!」その場所はそこら中に、太くて・葉っぱが伸び切らず・茎が斜面に埋まっていて柔らかい見事な「山ウド」がワンサカ生えていたのです。

あまりの見事さに見とれていたのですが・・・先に誰か来てたの???折れたまま泥斜面に転がっている山ウドが??? その横に生えていた「太いアザミ」が無くなっていて、泥の中に引き千切られた茎が残されています! その近くには、泥に残された「足跡」と暗緑色の「フン」が!(山菜が豊富な時期は、たぶんフンの色が暗緑色に?)

そうです、紛れもないクマのモノ!ましてや「フン」は、瑞々しい?というか形も崩れておらず湯気が上がっているがごとく、足跡・フンともに大きいところを見れば相当な大物に間違なく直前までここで食事していたのでしょう。

周りを見渡しますが、クマの姿は見当たらず一安心ですが・・・それにしても「アザミ」も美味しいけれど「山ウド」だって人間様にしてみれば大喜びなのに、クマは足で踏みつけてゆくのだと知らされたのでした。

(「アザミ」を湯がいたり塩漬けを戻すと、黒くなるのは・・・「ミネラル」豊富なのかも???それともクマの好き嫌い?)

そんなことに感心している場合ではありません!早くこの場を離脱しなければ・・・幸いなことにクマの足跡は、我々が向かう方向と逆の上流側に向かっており、ホイッスル吹いたり大声出したりしながら先を急いだのでした。

続く~っ!

緩和になったけど・・・。

2020-05-17

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「くろべ牧場まきばの風」からの富山湾!(家の裏山です)

昨夕の雲が教えてくれた通り、昨夜から雨模様です。

緊急事態が緩和されたといっても、まだまだ油断ならないので・・・何処に行くでもなく自宅でヨイ子にしています。

立山町芦峅寺で今秋予定されていた 「布橋灌頂会」 の中止のニュースが・・・楽しみにしておられた女性も大勢おられたでしょうに残念です。

ローカル新聞「北日本新聞」の記事に、営業再開自粛業種のバーの取材で「ジェリコの戦い」のマスターのコメントが・・・6月1日まで店は閉めたままにするって出てました。

みんな頑張っているのです!

やっぱり神様の掌の上?Ⅶ(外さない男)

2020-05-17

写真

左から3番目のピークが白馬鑓(仙人池より)

続き。

堆積土砂・堰止湖・登り返しの斜面状況等々の状況調査を終えて、このまま登り返して中背尾根を下って祖母谷温泉までは今日中にはとても帰れないだろうとの判断で、少し早いけど今夜は堰堤下流の河原でテントを張って泊まることにします。

乾いた砂の平地もキレイな水も有って快適なテント場でくつろいでいたら、S君が「チクショー!」って・・・ 「カモシカマダニ」 に噛み付かれているのを見つけてブーブー言っているのでした。

S君抜きでに山に入ると私も噛み付かれたことが有りますが、S君と山に入ると不思議なことに彼にばかりダニが喰い付くのです。(O型の血液型が関係するのか?彼にはダニにまつわる伝説が他にも)

大仏と密かに「ダニホイホイ」って呼んでいたのですが、いつも彼はいろんな意味で楽しませてくれるのですが? やっぱり「外さない男」今回も期待を裏切りませんでした。

翌朝、前日下った藪の急斜面を登り返します。 ルート全体にペナントで目印が有る訳ではないので、本能の赴くまま?握力・腕力頼りで藪を握って強引に上部を目指します。 

山菜取りなさる方なら分かると思うのですが、藪は枝の伸びる方向や枝の密度を見定めると自ずとルートが決まるのですが、何も考えずにタダタダ真っ直ぐ突き進もうとすると大変な苦労を強いられます。(藪を読む目が必要です)

途中の小さな岩の上が棚になっている様に見えたので、棚に手を掛けて強引に登って目線が棚の上に出た瞬間、トグロを巻いた「マムシ」と睨めっこ・・・手を離せば転落するのでソーッとクライムダウンして、迂回させられたりしながらも中背尾根の初日のテント場まで無事登り返したのでした。

若く元気で「山を舐めてた?」三人・・・神様は新たな試練を与えたのでした。(自ら飛び込んだとも?)

続く~!

※参考(十月初旬の仙人池から)

この写真では崩壊現場は陰になって見えないのですが、左端から 旭岳~白馬岳~白馬鑓~天狗の頭~天狗の大下り~唐松岳となります。

黒部中流の山域が広いのが分かるかと。(特に後立の稜線から黒部川までの懐が広いのです)

本物!

2020-05-16

写真

北陸新幹線「黒部宇奈月温泉駅」 水平線は富山湾!

この週末は、東京で「山小屋サミット」に参加予定だったのですが・・・平成8年から参加させてもらって、東日本大震災の年以外は毎年恒例になっていたのですけど今年は仕方ありません。

写真は半月ほど前の新幹線駅ですが、高架手前左端三角の無料駐車場がスカスカで、高架の向こう側にある沢山の無料駐車場も同じで・・・乗車率4%も頷けます。(本当は、あそこに車が止まっていたはずなのに)

写真右側の、大きな白い建屋は「YKK AP」の工場ですが、そのすぐ向こう側に黒部川が流れています。

「YKK」は世界中で事業展開してますが、黒部市から出た会社って知ってました? 生地には、広大な敷地の本社工場があります。

私がまだ警察官やっていたS59年に、ジミー・カーター元アメリカ合衆国大統領がYKK創業50周年式典に生地まで来られて、田舎に本物のVIPが来るなんて県警はテンヤワンヤ、私は往路では車列がスムーズに進めるよう交差点で信号操作して交通整理、復路の富山空港では私服で警護員した思い出があります。

富山空港で、カーター氏の身辺警護している本物のボディーガードのデカかったこと!小口径拳銃の弾丸では、貫通しないであろうプロレスラー級の大迫力な男性が寄り添っているのを見て「こりゃ、敵わん」と真剣に思いました。

(なんちゃってSPだったんですが、中曽根元総理が来県されたときも警護員として駅のホームで本人から数メートルに配置されたことがあって、こちらも風格漂う本物オーラに溢れておられました!)

人間だけでなく刀剣・美術品・コンサート等なんにでも言えるけど、本物を目の当たりにしたり体感した時の「感動」で達成感・幸福感みたいなものに包まれると、本当のモノの見方・考え方が身に着くのでは?(上手く言えないけど)

黒部峡谷は、間違いなく人間を感動させる力を持った本物だと思います。

ウイルス騒ぎが治まったら、本物を体感しに来てくださいませ。

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