阿曽原温泉小屋

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正しい雪洞生活?Ⅶ

2021-03-17

写真

左より 台形の「マッチ箱ピーク」~尖った「小窓ノ頭」~黒い岩壁の「小窓ノ王」~三ノ窓コル~剱尾根

翌朝7時半、寝坊を決め込んでいたのですが我慢しきれずトイレがてら外に出て、雪洞の中からでは無線の電波が届かないので同じ様に沈殿しているであろう「小窓班」と連絡を取ろうと外に出たら・・・マズイ!曇天ながら微風・視界も数百メートルもあるではないですか。

小窓班と無線交信すると、既に行動中であることが分かりました。池の平山が邪魔して馬場島の隊長達とは通話が出来ないものの、こんな日に我々だけが行動していないことがバレたら、馬場島に下山したらどれだけ気合いを入れられるか分かりません。

慌てて雪洞に戻ると、汗・レトルト・タバコの臭いが混ざった淀んだ空気の中で寝袋に潜ったままのグダグダメンバーが転がっています。

外の状況を伝えると、班長は外を確認して「オイッ行くぞ!」と即断即決して簡単に朝食を取って外に荷物を出してパッキングします。

雪洞の利点は、凍ったテントを畳み直しさなくても良いので荷物をパッキング出来ればすぐに出発できます。 前日の行動中グラグラになっていた若い隊員は、幸い体力は回復しているみたいです。(怖いルートの連続で、精神的に参っていたみたいです)

池の平山頂上まで登り返して、小窓ノコル までザイルフイックスしながら痩せた急斜面を下ります。(地形図を見てもらえば、途中からどれだけ険しいか分かるかと)

前に書いているはずですが・・・この痩せ尾根では、捜索中に灌木に頼って登っている最中に小規模な雪崩に遭遇して短時間ですが、全身が落下する雪に押さえつけられて慌てて灌木にしがみ付いて難を逃れた場所です。(この時、雪崩って「重くて」「暗い」ものだと知りました)

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