阿曽原温泉小屋

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「想定外」って言い訳は・・・。

2021-03-07

写真

左奥白く高い山が「赤谷山」 右手前に下る「赤谷尾根」 

平成2年3月3日昼前に馬場島を出発、各班それぞれのコースから入山しました。

入山日は気温が高く小雨が降っていて、加えてこの年は積雪量が少なく元々登山道の無い 「赤谷尾根」 は藪と穴だらけの不安定な残雪で歩き辛く初日なので荷物も重く登るのに苦労しました。

もう一つ決定的な問題が・・・いかな3月とはいえ寒気が入れば厳冬期と同じ気象条件になる雪の剱岳に登ろうとすれば、テントで夜は眠り吹雪が来ればやり過ごすのが普通の登山スタイルなのですが。

しかーし、我々の班長のT分隊長(後の隊長)の提案で「赤谷尾根~池の平山~剱岳~早月尾根~馬場島」を全て雪洞のみで歩き通す計画で・・・雪洞の入り口の穴を塞ぐための小さく薄いツエルトだけを持って入山したのでした。

ただの無謀登山者!に見えますが、装備が万全の状態で救助活動に出れる時ばかりではない! 現場でアクシデントが発生すればテントを利用できなくなるかも! 最悪を想定しての理由からで 寒いのを我慢するのも訓練! やり通せる体力・経験に裏打ちされた自信があればこそ? 決して山を舐めたり・・重いから止めよう等とヨコシマな考えからではないのですが・・・。

我々パーティーは、夕方になっても雪洞が掘れる積雪量の多い標高までは届かず、仕方ないので樹木が折り重なって竪穴形状で周りに残雪で壁が出来た形の場所でビバークすることに。(想定外?)

天井にツエルトを張り込んで屋根にして、雨が滴り風が吹き抜ける竪穴で着の身着のままの5人は車座に座って訓練初日のビバークを過ごしたのでした。

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