雪渓歩きの落とし穴!Ⅱ(ポイントでは、地図と周りをよく見て)
2020-06-29
続き。
行動の概略は、仙人温泉を過ぎてから~ルートを間違えて~藪稜線に出て~藪稜線を歩いてビバーク~一名が尾根から下って~仙人温泉下部の枝沢を下山!
仙人温泉から仙人池に向かって登山道を2・30分登ったポイントに、 仙人山~坊主山 の稜線から仙人谷本谷に合流する枝沢があります。(合流点には滝があって、映画になった漫画「岳」の第一話の救助現場になった滝では???)
雪渓が融ければ登山道が出て本流沿いに仙人池に向かうのですが、この時期は残雪が多くて合流点は雪渓の二股になっており(下から登るとY字に)、雪で埋まっているとパッと見では右側からの枝沢の方が広く見えるのですが、二股で周りを観察してもらえれば幅10m位の枝沢を渡った対岸に登山道が見えているはずなのですが・・・。
二人は間違って枝沢を登り詰めてしまい、「2,143mピーク」付近の稜線に出て~藪尾根(猛烈な)を彷徨い~「2,051mピーク」辺りでビバーク~一名が仙人谷に向かって下降して私と合流! みたいな流れでした。
(写真左側の三角が「坊主山」、手前の雲海の中に仙人谷と迷い込んだ枝沢が隠れています。急斜面と藪の濃さが分かるかと)
という事で、同行の男性は稜線の藪の中で助けを待っているので、遭難対策無線で状況を小屋と警備隊に連絡しますが・・・既に正午を回っていて、ヘリコプターでの「ピックアップ」又は「隊員投入」して連れ戻るかしなければなりません。(地形図を見れば、稜線が切り立つほどではないにしろ何処も急斜面なのが読み取れるかと)
遭難者の待つ稜線は藪が濃く、更には夏山は午後からガス(雲)が湧くのが当たり前なので、 そもそもフライト出来るのか? 発見できても藪が邪魔して、ヘリコプターでアプローチできるのか? 水の無い稜線のビバークで、消耗しているはずだから早く収容しなければ!
等々の問題が・・・救助隊員の現場到着が遅くなって暗くなれば、藪尾根の捜索は無謀なので救助活動は明日になってしまう。
ちゅう事で藪で動けて現場の一番近くにいる私が、今から行動すれば遭難者と今日中に合流出来る可能性が高いとの判断で、一人で枝沢を登って遭難者の捜索に向かうことにしたのでした。
続く。
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