そもそもⅢ(引き返す勇気)
2020-03-05
翌朝天候が回復して、消防防災ヘリ「とやま」が出動して遭難者はピックアップされて無事病院に収容されたのです。
現場出動した警備隊員によれば、テント内でビバーク中に「錯乱」とまでは行かないけれど低体温症の症状が出ていたそうです。
この遭難事故についても、先の真砂岳の大量遭難とリンクする「状況判断の甘さ」があったと言われても仕方ありません。(「トムラウシ遭難」・白馬「小蓮華岳遭難」然りです)
そもそも荒天予報が出されており、どのような状態になるのか?どんな危険が出て来るのか?予測して行動を決めるのがリーダーの役目であり、周りの者も意見を出して考えるのがパーティーのはず。 (事実当日は、お客さんからのキャンセル祭り状態でした)
そして先行パーティーが「常識的には引き返しているのでは」と言わしめる、沢の増水を目の当たりにしても渡渉しようとした判断は大きな間違いと言わざるを得ないでしょう。
小柄な高齢女性を増水した沢を渡渉させられるのか?自分達の実力が分かっていないのに突っ込んでいるのでは???
全体のコース概要が頭に入っていれば、黒部別山谷までの所要時間を考えれば阿曽原まで明るいうちに届くとは考えられず、引き返せば十分最終バスにも間に合っていたでしょう。
『引き返す勇気』よく聞く言葉ではないでしょうか?
山は、一度や二度そのコースを歩いたからといってベテランって訳にはゆきません。
時期・時間帯・天候・整備状況・消耗度合い等々で、難易度が大きく違ってくるのは私が言わなくても分かるはずです。
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