なんじゃこりゃ?には、ご注意を!
2018-09-17
紅葉シーズンど真ん中の夕方、黒部別山谷上流の「大ヘツリ」出口で登山者が転落したとの通報が入る。 黒部峡谷は、携帯電話の電波が無いので通報は遅くなるのが普通で、救助活動は暗くなってからのの方が圧倒的に多くなります。
大ヘツリの登山道で滑ってガレ沢を転落、脚の骨折をしたとの通報。 阿曽原からは、常駐している警備隊員と小屋のスタッフが、室堂警備隊からも隊員が向かう事に。 現着時点で真っ暗なのは毎度のことだけど、生暖かい風が吹き始めて怪しい雲行きに・・・。
「ピカッ!」光ると同時に「バリバリーッ!」と目の前を稲妻が走ったのでした。
マジかよ、黒部の谷底なのに稲妻?! 同時に激しい豪雨となって。
現場は黒部ダム~仙人谷ダムの中間地点で、夜間で豪雨の中をどちらに向かうにも危険過ぎる、怪我人は骨折だけで慌てて医療機関に搬送する必要も無いとの判断で、警備隊員と現場で朝までビバークすることに。
その連絡をするために、無線の電波が届く黒部別山谷下流まで行って、警察に連絡をしてから現場に戻る時の事です。
黒部別山谷は普段は飛び石で簡単に渡れるのですが、連絡に行く時には足首より少し多めの増水でしたが、連絡を終えて帰ってくるとなんか雰囲気が違う様な???
増水時は濁りが入るのですが、見たことが無い量の黒く炭化した枝や葉が沢山混ざった濁流が??? なんじゃこりゃ?様子を見ていると一気に水嵩が増して、渡渉など不可能な胸高までの流れが押し寄せて来たのです。 これが「鉄砲水」なのかと背筋に寒いものが走りました。
想像するに炭化した黒い枝葉は、斜面に堆積していたモノが大雨の土砂崩れで沢に流れ出して、一旦堰き止められた沢が決壊して一気に増水したのではないかと・・・。
「鉄砲水」の前兆はこれだけではないと思いますが、普段見れないものを見た時には「なんでだろう?」が自分の身を守る事になる事例ではないかと。
遭難者は、翌朝天候が回復してヘリコプターで無事収容されて、メデタシ・メデタシでした。
紅葉シーズンは、樹木は水を吸い上げないので、降った雨がそのまま沢に流れ出します。 思わぬ増水には注意が必要な時期ですから皆様ご注意を!
※下の廊下の整備状況について!
計画されている方は心配しておられると思いますが、18日に通して見てくる予定です!(現在、一般の方が安全に通れる訳では有りません)
工事は、次の週末までに完全には終わりません! 週間予報が回復傾向なので、工事は進みそうなので、もしかしたら技術・装備がしっかりした人なら、取り敢えず可能が有るかも知れませんが過度の期待はしないで下さい。
18日夜には、写真を載せて説明が出来るかと思いますので電話での問い合わせはご容赦下さい。
この記事の URL : http://azohara.niikawa.com/news/2018/09/n20180917a.html