阿曽原温泉小屋

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セーフ!

2018-09-02

写真

仙人谷下部の丸太橋には流木が・・・。

天候が回復したので、仙人谷下部の丸太橋の様子を見に行って来ました。

大雨の度に、流されたり壊されたりと手間の掛かる奴です。数年前の秋の大雨では、流されると言うより「粉々に粉砕」との表現がピッタリの壊され方でした。その日は丁度NHKの海外向けの登山番組の撮影班が通過出来ず、一緒に仮設の橋を作って通過して行ったのでした。

幸い今回は、流木が引っかかっているだけで壊れてはいませんでしたが、丸太橋にはかなりのテンションが掛かっていたのでしょう、手すりロープを流木から外してみたらダラリと弛んでしまいました。

写真には写っていませんが、各橋脚にも流木がかなり引っ掛かっていました。

橋の上には川砂が残っており、越流していたのが分かります。

このままでは、4日に接近する台風が来た時に流されかねません。度重なる流失と腐食で、6年前に補充した予備の丸太が無くなっており、今月末にヘリコプターで丸太の補充計画をしているのですが、それまでは現在の丸太橋に頑張ってもらわないと。

とは言ってはみたモノの・・・、橋脚の流木はなんとか私一人で除けられても写真の流木は???チェンソーは下の廊下の工事現場に行っていて、刃渡り24cmの小さな手ノコ一丁で切らねばなりません。

丸太橋の上に伸びている部分は、足場が良い・細い・裂けているから作業も簡単なのですが、そこを切っても意味が有りません。

橋の下に潜り込んで屈み込みながら力の入らない体制で、足場の悪い流れの中の岩に足を踏ん張って、ノコギリを挽き始めたのです。

流木は反っていて、切り口が開くに連れてテンションが掛かり出すと、捻じれながら開いてゆく側と閉ってゆく側がどうしても出来てしまいノコギリ刃が潰されて動かなくなるし、元々黒部の山に育つ樹木は年輪が混んでいて硬いし、おまけに生木ときたもんです。

今日中に終わらせないと、明日はエンジェルスの大谷投手の先発登板を見なければならないし、頑張るしかありません!

全ての作業が終わったのが3時間後でしたが、2日前から一人で留守番していて宿泊者もおらず御飯も炊かずインスタントラーメン・アルコール・ツマミの生活だったので、「シャリバテ」ヘトヘトになって小屋に帰って来ました。

みなさん、ちゃんと御飯を食べてから行動しましょう!

雪崩れの威力!

2018-09-01

写真

道から、動かせません。

キャンプ場から、露天風呂に下り出して30m位のところに止まってしまった岩です。 今年は、雪崩被害で露天風呂を修理した話をしていますが、この岩は道のすぐ上の急斜面の熊笹の中に止まっていました。 去年までは無かったもので、あまりにも不安定な斜面に有って危ないので大仏達が脚で押したら、この大きな岩がずり下がり出して風呂に続く道まで落ちて来た所で止まってしまいました。(迂廻路を作りました)

多分、雪崩で押し流され(吹き飛ばされて)て、雪の斜面の上に止まっていたモノが雪が解けた場所が熊笹の急斜面だったのだと。

観察すると、直ぐ上のキャンプ場の平地の縁がえぐられて崩れており岩の延長線の下方向には露天風呂があり、振り返った上の方の延長線には阿曽原谷の支流(キャンプ場の横を流れる沢)があります。

岩の色は薄い茶色で支流にある石とよく似ているし、丸いまではいかないけど角が尖がっておらず流れの中と言うよりは沢の中に有ったものではないかと???

こんなに大きな岩を、そして沢の中に有ったとしたら、雪崩の威力に鳥肌が・・・。こんな雪崩が通り抜けたのに、浴槽の損傷があの程度で済んでラッキーだったのかも知れません。

ついでに、露天風呂の対岸の上流側の尾根の樹木が、中折れ・裂木・倒木等が見られます。 これは、阿曽原小屋上流の小さな沢から出た泡雪崩が、黒部川を飛び越えて樹木をなぎ倒したものと推察できます。

被害を受けた樹木は、遠目に見ても樹齢100年は越えているように見えます。 と言う事は、100年以上は発生していなかった雪崩が、今冬発生したことになるのでは! 風呂に入った折に見て見て下さい。 更には、折尾谷の出合の本流右岸(遥か下方)にも同じ様な倒木帯が見えます。

黒部の威力恐るべしです!

谷?が暴れています!

2018-09-01

写真

久々に、阿曽原谷の滝に濁流が・・・。

今回は、久々に強い雨でした。

阿曽原谷の滝は、普段は手前の岩が邪魔して小屋からは見えません。

大雨が降ると、滝上部の急傾斜の沢から勢いよく吹き出した水は轟音を響かせながら落下しています。水が着地した地点の、水煙を見て頂ければその勢いが分かるかと。

今回は泥の混じり方が多く、勢いが強かった証拠です。雨粒が多すぎて写真にならず、この写真は少し雨が弱まった時のモノで、少し前はもっと大きな吹き出しになっていました。(H7.7豪雨時は、吹き出しがもっとデカかったし時間も全然長く続きました)

小降りになると、水の濁りも無くなって吹き出しも少なくなります。 黒部は岩盤が多く傾斜が急なので、水の出方も早いけど引き方も早いのです。 もし行動中に、大雨に降られて度渉等が出来なくなっても、小降りになればしばらくしたら引き始めるはずなので、不安を感じたら無理せずに!

雪渓の崩壊時にしろ今回の大雨にしろ、山を震わす轟音の前では、改めて人間のチッポケさを痛感させられます。

先日崩壊したスノーブロックは、おかげで随分小さく成りました。黒部川本流の濁流にも雪の塊がドンブラコしていたので、下の廊下の残雪もかなり無くなっているのではと推察できます。

※5日に直撃予報の台風も控えていて、昨日から7日の1名までは予約のゼロ行進が続きます。

1人で留守番なので、電話の近くに居ない時には繋がりにくいかと思います。

下の廊下の工事も、雨の影響で思うよう進みません。 このページで告知が無いと言う事は、進んでいないと考えて下さい。 最近、情報が無いからとの電話での問い合わせはご容赦願います。

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