阿曽原温泉小屋

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なんという廻り合わせ!

2023-10-19

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少し進みました。

昨日から、手薄になった阿曽原小屋に急遽助っ人が来てくれました。

先日キャンセルで空きが出た日に滑り込みで泊まって、カレーをオカワリしていた元気な女性ですが「仕事を辞めて今年は山登りに集中している」ってことでした。

ダメ元で「短期間でいいからと」と声を掛けて見たら、一旦下山して態勢を整えて来てくれました。

四国のお寺で農作業しながら、十年ほど働いていたってことですが???

食器洗い・布団の上げ下げ等の手際の良さと謙虚さだけで「来てもらえてよかった」と思っていたのですが、英語も独学で勉強していたそうで外国人の対応もスラスラとこなしてくれて大助かりです。

不便な山小屋なので人手はどうしても掛かりますが、そんな中で従業員部屋のスペース・仕事の向き不向きや得手不得手・メンバー同士の相性等々いろいろあるのですが・・・ドナドナ姐さんに着いて回って、いろいろ教えてもらっている姿も初々しくて好感が持てます。

偶然に偶然が重なり、ナイスなタイミングで「使える人」が来てくれることになって本当にラッキーでした。

毎度毎度、ギリギリ!行き当たりバッタリ!な阿曽原ですが・・・「縁!」絶妙な廻り合わせに感謝しております。

そうこうしているうちに、今日も阿曽原発の登山者から救助要請が入ってドタバタしています。

欅平駅への到着時間に着いて。

2023-10-18

行楽シーズンで、平日でも11時46分発宇奈月行きの列車を目標にお願いすると伝えてきたところです。

先程欅平駅長から連絡が入り、

*:平日**は全員が全員11時46分発を目指してもらわなくてもなんとかなるのだが、阿曽原滞在者が全員昼過ぎに欅平に到着されると間違いなく乗り切れなくなるということです。

との連絡が入りました。

先日このページで平日でも混雑しているとお伝えしたところ、ありがたいことに皆さん早出される方ばかりで、小屋泊まりの方で今朝の朝食を食べてゆかれた方は二人だけでした。

週末はこれまで通り早出を強くお勧めいたしますが、平日はなるべく11時46分発を目指して頂き御帰宅の段取り等で出発時間をお決めになられれば良いですから。

ロープを跨いだ?

2023-10-18

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だから~っ、暗くなる前に到着してください!

昨日17時半前、予約が入っているペアから小屋に電話が入ります「仙人谷ダムを過ぎましたが、道を間違えたのかもしれなくて・・・」要領を得ない説明です。

説明を聴いて、関電人見寮を過ぎて~水平道に登り返して~右折せず~送電線巡視路に迷い込んだ登山者が今までにも何人もいたので、「もしかしたらロープを跨いで進んでいません?」と尋ねたら「ロープ跨ぎました」って答えが返ってきます。

なるほど、たまに間違えられる送電線巡視路に入り込んだらしい。

それだったらロープまで引き返せば水平道の分岐だから、下らずに左折して水平道を進んで短いトンネルを過ぎて15分進むと阿曽原へ向かって下る道になるから10分足らず下れば小屋に着くと説明します。

真っ暗だし「へばって」いるだろうけれど、小屋に着くまで一時間は掛からないだろうから18時半からの二回目の食事には間に合ってくれるだろうと考えていたのですが・・・一時間以上経って二回目の食事が始まっても到着せず心配になり始めます。

そこへ電話が掛かって来て「川のような所を下っているけれど、間違っているのではと心配で・・・」???「川」って無いけれども・・いろいろ聞いてみたら小屋の近くまで登山道を降りて来ている様で、会話を聞いていた警備隊員のN隊員S隊員が「迎えに向かいます!」って駆け上がっていって間も無く合流と無線連絡が入りました。

なんでそんなに時間が掛かったのか?隊員達が聞いて見たら、「ロープを跨いでいた場所は、人見寮の裏の水平道への急な登り返しに張られていたフイックスロープだったらしく・・・」 ということは「ロープを跨いでいたのではなく、ロープを頼りに登り返していた」ということで・・・。

遅くなって不安を覚えて電話して来てくれたのですが、「水平道への急登・川に見えた?急な阿曽原への下り」でプチパニックというか冷静に状況判断出来なくなってしまっていたのではないかと・・・。

早目の行動で暗くなる前に到着できているはずだし、おかしいと思ったら地図を確認してもらえればよいのですが・・・。

週末の天気予報!(無理しないで)

2023-10-18

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風呂の対岸も、紅葉はこれからです。

今週末の天気予報を見ると、金曜日から崩れ始めて土曜日には気温が下がる予想が出ています。

天気図見ると絵に描いた様な?「寒冷前線」の通過後に、急激に気温が下がる予報です。

雨が強く降ると「黒部別山谷」「折尾の大滝」の増水が心配になりますし、冷たい水で身体を濡らせば激しく消耗してしまいます。

この時期は樹木が冬支度で水を吸わなくなると聞いたことがあります。

元々岩盤が多い黒部ですので保水能力も高くなく、急こう配な渓谷は増水するのも早いのです。(引くのも早いけど)

週末で計画されている方も多いかと思いますが、天気予報を見極めて無理はなさらない様に御願い致します。

集中力を切らさずに!Ⅱ(体力と反射神経は衰えるのは仕方ありません)

2023-10-18

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続き

夜明け午前5時20分に、阿曽原小屋常駐の隊員二名が現場に向かうのに合わせて助っ人スタッフSちゃんがオニギリを握って持たせてやります。

続けて夜明けに合わせて午前6時に富山県消防防災ヘリコプター「とやま」がフライトして、現着している隊員から現場の天候・状況等が無線で伝わって来ましたが、昨日確認されていなかったザックカバーが約50m下部の斜面に確認出来ると連絡が入ります。

宇奈月からは7時11分発の作業列車で、陸上部隊の山岳警備隊員で向かう段取りです。

小屋の宿泊客の朝食中に、消防防災ヘリ「とやま」が阿曽原上空を通過して直ぐ上流の「権現峠」下部の尾根裏付近でスピードを落として現場隊員と無線連絡を取りながら捜索を始め、しばらくしてから遭難者を確認して隊員をホイスト降下させて収容に当たり富山空港に帰投してゆきます。

宇奈月駅で出発直前の陸上部隊に連絡して帰らせるやら、現場の隊員の後片付けやら・・・・事後処理する傍らで忘れられがちな「肩脱臼」の方の対応しながら、ドタバタした朝が過ぎていったのでした。

目撃者・同行者等からの話では、「躓いて、そのまま転落されてしまった」とのことで、長時間歩いて集中力が途切れだした~足が上がらなくなる~躓く~加齢と疲れから反射神経が衰えて「手摺り番線」を掴めなかった。

みたいな流れになるのではないかと推察されるのですが、加えて「コロナ禍中」の数年間は思う様に山歩きが出来ていなかったのも大きな原因ではなかろうかと・・・。

70歳代で元気な方も毎日来ておられるので、年齢だけでドウノコウノ言うつもりは毛頭ありませんが、事実・現実を理解したうえで計画を立てて行動して頂けたら事故は減るのではないかと考えます。

ちなみに、このツアーは少人数のお客さんをガイド・添乗員が付き添っているので、ケアが行き届いているとおもうのですが、一人ずつ手取り足取り歩く訳ではありませんのでツアー会社が悪いとは言えないと思います。

黒部に怪我無し! 「下の廊下」「水平歩道」を歩かれる方々は、集中力を切らさずに歩いて頂きますようお願いいたします。

集中力を切らさずに!

2023-10-17

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早朝からフライトしてくれました。

昨夕受付がゴチャゴチャし始めたところへ、テント泊予定の男性が「肩を脱臼」して到着しました。

明らかに右肩が下がってしまい痛そうです。常駐している二名の山岳警備隊員が対応して一旦は元に戻ったのですが、少ししたら再度外れてしまいます。

以前にスノーボードで転倒した際に外れてから癖になっている様で、痛がっているのですが鎮痛剤を飲ませるくらいしか出来ずにいるところへ、阿曽原に向かっていたツアーガイドから

権現峠 のトンネルから仙人谷ダム側で、74歳の男性ツアー客が転落した。下を覗いても確認できず、呼び掛けにも応答がない」

との連絡が小屋に入りました。

権現峠とは、阿曽原と仙人谷ダム間の水平歩道にある短いトンネルですがその前後は樹林帯の様に見えますが急傾斜が数百m続き特に転落地点の仙人谷ダム側は断崖と言ってもよい場所です。

更に隊員が現着した頃には暗くなり雨も降り始めてしまい、転落地点は垂壁と支点も取れず直接降下できるような場所ではなく少し離れた場所から降下できる場所を探してみても、そもそも目標が見えない断崖と藪のミックス斜面を目標もない中下りてみても遭難者が発見される可能性は限りなく小さいと考えられます。

遭難者が目視できる・呼び掛けに反応する・ヘッドライトの明かりが見える等、確認出来ているのならば別ですが、大きな二重遭難の危険を冒してまで下降することはあまりにもリスクが大き過ぎます。

以前私自身、権現峠の阿曽原側の道から転落した女性を担ぎに降りて落石が顔を掠って自分の出血を味わいながら?怪我人を背負って帰ったことがありますが、藪の急斜面は浮石の巣なのでそこで行動するには明るさは必須です。(前に、ここで書いたはず?)

残念ですが翌早朝からヘリコプターと応援隊員を増強しての空と地上からの捜索に方針決定されます。

混乱する夕食時の小屋内を捌きながら、無線・電話の中継やら遅く帰って来る隊員の夕食やら忘れられそうになっていた「肩脱臼」に方の対応やら・・・。

小屋内もドタバタしますが、想定外の事案が発生した時の対応力も小屋の実力???

続く

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