阿曽原温泉小屋

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山側の手は、フリーに!

2018-10-04

写真

雨上がりの十字峡!(棒小屋沢の水量が多くて合流点は白濁しています)

「下の廊下」は未整備区間が残っていますが、取りあえず歩けています。 

昨日も、小屋泊・テント泊合わせて20人余りの方が通行されました。

しかし、全体を通して気の抜けないコースである事には変わりありません。 通行される方は、整備済み・未整備個所に係らず慎重に通行して下さい.

下の廊下・水平歩道とも、数か所に昇降は有るものの大部分は平らな道が続きます。 平らな道が続くと、知らず知らずのうちに腿上げが疎かになってしまい、小さな突起に躓きバランスを崩すことが有ります。

山側の手摺番線に、直ぐに手を掛けてもらえれば転落する事も無いのですが、疲れて来ると反射神経も鈍感に・・・。

※頬のシミ!

10月中旬の夕飯前、知り合いのガイドが「お客さんが落ちたじゃ」駆け込んで来ました。

小屋と仙人谷ダムの中間で、夫婦のうちの奥さんが躓いて道から落ちて・・・暗くてどこまで落ちたのか分からないけど、コールしたら反応が有った様な気がするとのこと。

その日の阿曽原小屋は私以外の男手は留守で、1人で向かうには危険過ぎる! 玄関先で馴染みのガイドさんが、黒部ダムからのツァーを終えてビールのロング缶の2本目を「プシュッ」っとしたところ・・・私と目が合い「付き合ってよ」と頼んだところ快く出動してくれることに!

早速装備を整え現場に走ると、旦那さんが道から下の藪斜面に向って大きな声を掛けておられました。

現場は、権現峠の阿曽原寄りの斜面で道の直下は藪斜面だが・・・その下は岩壁か滝が有るのか?いずれにしても急斜面には間違いないのだが、とにかく暗くて見通しが効かない。

ザイルを固定して、ガイドさんに上で確保をお願いして枯沢地形を下降する。真下に遭難者が居るのだから絶対に落石を落としてはならない! 真っ暗の中を慎重に2ピッチ下降したところで、枯滝の下の少しの平らに横たわる遭難者と合流しました。(ラッキーなことに、落ち葉が溜まってクッションに)

救助バンドに固定して、背負って道まで登り返します。上で確保してもらいながら、藪に掴まり強引に登り返して半分くらいまで来て、ザイルを緩めて支点を変えて再度登り返すためにザイルを引いたときに???何かに引っ掛かった感じがして。

暗闇の中、上を見たらヘッドライトの明かりの中に、突然四合瓶位の落石が降って来るのが目に入りました。   ザイルにぶら下ったまま身を翻そうとしますが、人間を背負っているので一瞬対応が遅れたものの四合瓶は顔をかすめただけで事なきを得ました。

水平道まで登り返して仙人谷ダムまで背負って、関西電力・黒部峡谷鉄道の協力で遭難者を下界までの搬送を引き継いで一件落着です。

出動してくれたガイドさんが、「お前、顔は大丈夫か?」って???左頬から流血が・・・!そういえば、背負い搬送中に口の中が血の味がしていて、遭難者が頭を怪我でもしているのかと思っていたのですが・・・。(さっきの四合瓶は、頬骨をかすめただけでなく結構なダメージを・・・)

翌日からも小屋が忙しくて、そのまま治療も受けずに絆創膏だけ当てていたら、大切な顔にシミが残る事に成ったのでした。

これ以上、顔にシミを作りたくありませんので?山側の手摺番線に何時でも手を延せるように、山側の手はフリーにして置いて下さい。

☆100円硬貨について!

先日も、お知らせしました100円硬貨についてですが、お陰様で反応が速攻ありまして。持参して来られる方が沢山おられまして助かっております。 ただ、わざわざ重たい思いをして大量に持参して来られては申し訳ありませんので、御釣りが出ない程度に用意して頂ければよろしいですから。 お気遣いありがとうございました!

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