阿曽原温泉小屋

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黒部は生きてます。

2020-06-16

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鐘釣駅下流、不帰谷出合の堆積土砂

一時大雨が降った黒部でしたが、天候の回復が早く被害は有りませんでした。

写真は大雨前の、不帰谷出合 の堆積土砂です。

左側に不帰谷があって、本流分も含めて見えている灰色の土砂は全て押し出されてきたものと思ってもらっていいかと。

地形図を見てもらうと分かりますが、不帰谷上流は崩壊地となっていて崩れた斜面の土砂は黒部川本流まで届いているのです。(白馬岳~祖母谷温泉へ下る登山道では、不帰谷で発生している落石・崩落音が晴天時でも継続して聞こえてます)

時には少量の雨でも黒部川を堰き止めてしまうこともあり、直ぐ上流にある鐘釣駅付近の川原がダム湖の様に水が溜まることもあります。

そもそも撮影ポイント直下の黒部川は、巨岩が沢山見られて気温の低い時期には温泉の湯気が立ち上っているのも見られたのですが・・・川床全体が数メートル嵩上げされてしまいました。(下流の猫又付近も川床がかなり上昇したし、その下流の「出平ダム」が土砂で埋まるのも理解できます。

H7年洪水後にはまだ巨岩は見えていたのですが、次々と土砂が押し寄せて来ていて崩壊が治まる気配なしです。(地形図に出ている「不帰滝」は既に埋まっているのでは?)

昭和の初めには、不帰谷出合には「新鐘釣温泉」という大きな温泉宿があったそうですが不帰谷の土砂氾濫で被害を受けて廃業したと聞いています。

黒部は、急峻な地形・地形が出来上がった要因・大雪や大雨等の気象条件等で、どんどん変わっているのが地元に住み続けていると良く分かります。

今後の運営方針!

2020-06-15

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波瀾万丈?(昨日、愛本橋直下の濁流)

本日、行政等関係機関に 「山小屋における新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」 を北アルプス山小屋協会で共同提出する予定です。(トップページで見れます!)

今シーズンの阿曽原温泉小屋の運営方針については、御伝えしてきた通り

夏場の、小屋泊・売店販売は見合わせる。

○露天風呂は、管理者が阿曽原に滞在中は利用できるようにする。

○テント場の利用を出来る様に、草刈り・水場整備・トイレ管理等を梅雨明けを目途に行う。

○登山道整備は、梅雨明けを目途に「雲切新道」の草刈り・仙人谷下部の丸太橋の整備を行う。

以上の予定でおりますが、他山域での「小屋荒らし」の情報が有ったりするもので正直決めかねております。(金目のものはないのですが、設備を壊されると・・・次から次と問題が出てきます)

夏のシーズンが終わる頃に、阿曽原小屋で対応できる程度に感染状況に改善が見られるようならば、9月中旬から小屋の営業再開をしたいと考えております。

※雲切新道と水平歩道整備については情報をお伝え出来るとは思いますが、今年は異常に残雪量が少ない「剣沢雪渓」の状態については山岳警備隊・付近の山小屋に状態を確認してから通行してください。(昨年は、平蔵谷出合下部で雪渓に穴が開いて迂回していましたが・・・たぶん今年も?)

ありがとうございます!

2020-06-14

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いただいたフェイスシールド! 

先日、馴染みのmont・bellの営業さんから、

「フェイスシールドを会社で作ってみたので、山小屋のトイレ掃除等で使ってください。」

と連絡が入り無償で120枚を自宅に送っていただきました。(「mont・bell」のロゴ入りは、レアアイテム?)

立山方面は翌週末から営業開始する為、取り急ぎ今シーズン営業予定で連絡のつく富山県内の山小屋へ宿泊者数に沿う形で分配させてもらいました。

各配布先からも好評で、ありがたく使わせていただきます!

各山小屋は営業に向けて着々と準備を進めておられますが、営業スタイル等それぞれ例年と違ってくるはずですので確認をお忘れなく!

大切な時間?

2020-06-13

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全て、お得な1ℓボトル!

飲みに出ずにヨイ子にしているのですが・・・缶チューハイ~パック入りの芋焼酎のパターンに飽きて来て。

ネットショップで、お手頃価格のボトルをイロイロと選んでポチッっと購入ボタンを押してしまいました。

取り合えず「ジャックダニエル・ライ」から手を出したのですが、元々ジャックは飲み易いのに「ライ」は更に口当たりが良くて・・・家飲みでは誰も止めてくれないので危険なのです。(「ライ」って、ライ麦で作ったウイスキーです)

これはこれで幸せに浸れるのですが・・・ヤッパリ気の合った仲間と「ア~だ・コ~だ」と飲むのは、素直に今迄を振り返えって今を確かめることが出来て、そして次に向けて頑張るための「大切な時間!儀式?」なのだと思うのですが・・・。(ただの言い訳にしか聞こえないのかな~??)

いずれにしても、元通りに美味しく楽しく飲める世の中に早く戻ってくれることを祈るばかりです。 

知らないってことは!Ⅸ(相性って・・・)

2020-06-13

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初代「つるぎ」随分軽そうに見えます。(柳又谷にて)

久々の続き。

それにしても、夜の永かったこと!「マス寿し」を食べてひと時の幸せに浸れたのですが、比べようもない圧倒的な緊張感と暗闇の長さ・・・。

這い松に潜って・長次郎谷熊の岩での豪雨の中で・テントが潰されそうな豪雪時等々を体験してきましたが、「安心して横になれることの有り難さ」今から考えると、当たり前のことですが山小屋の重要な仕事なのだと身に染みて覚えさせられたような気が・・・。

空が白んで来た頃には、無線で撤収の段取りの連絡が入り出します。遭難者もなんとか自力で、フイックス(張り込んだ)ロープを使って登ることが出来たので、時間は掛かりましたが全員合流してから、初日に使った藪のトラバースルートにも次々とフイックスしながら「ゴルジュ帯」上流の池ノ谷に還ることが出来たのでした。

しばらくして、県警ヘリ「つるぎ」がピストン輸送で遭難者を下山させた後、我々は勤務地の劒沢へ空輸してもらって一件落着したのでした。

遭難パーティーによると、池ノ谷から 小窓尾根1.614m ピークへの登り返しポイントを見逃してしまった。

そのまま池ノ谷を下って行ったら「滝」の上に出たが、ゴルジュの怖さを知らない彼らはロープで滝を下降したが、先へ進むことも登り返すことも出来なくなり・・・まさに進退窮まってしまったとのことでした。

小窓尾根への登り返しルートは、登山道ではなく草付き斜面の踏み跡みたいなルートで、パーティーの中で誰かそのことを知っていたのだろうか?(記録だけ読んで入山して、痛い目に遭う人も大勢見て来ました)

池ノ谷ゴルジュは、地形図を見れば険しさが想像できなかったのか? 迷った時に「下に向かえば良いや」って安易に行動してハマってしまう例がいくつもありますが・・・天下の「池ノ谷ゴルジュ」知らなかったでは済まされない救助でした。

一人でも怪我をしていて自力で登り返せなかったら、大変な苦労と危険を伴う救助活動だったことでしょう。全員無事に生還できたのは、ある意味「奇跡」だったと今でも思っています。

もう一つ言うとすれば! N隊員は大切な仲間なのですが、一緒に出動すると、「なんでこうなるの?」的な現場が多くて・・・。

先に書きましたが、大窓での無食料ビバーク・ヘリコプターのドア開放飛行・ガスの降下と競争しながらの遺体収容等々、他にも下界で仕事や飲んで・・・ここには書けない様な事がチョクチョクと、これが相性というものなのでしょうか?

※池ノ谷ゴルジュ

ちなみに 池ノ谷ゴルジュ で検索するといくつか出てきます。

「北アルプス山小屋協会」統一ガイドライン!

2020-06-11

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カイザー食堂の「豚スタミナ丼」

昨日は、信濃大町で「北アルプス山小屋協会」の統一した宿泊者受け入れガイドライン策定に向けての会合に出席してきました。

タタキ台は、北アルプス山小屋友好会(横尾山荘;山田会長)の方々が頭を捻って北穂高小屋の小山君が文章をまとめてくれて、昨日の会合で若干手を入れさせてもらって「北アルプス山小屋協会」統一ガイドラインとして今シーズンの山小屋運営の指針とすることになりました。

正式なガイドラインは来週には出来上がると思いますが、各々の山小屋の設備等の違いによって対応は変わってきますので、御利用される際には必ず予約を入れていただいて各山小屋の利用方針に沿った形での御利用をお願いいたします。

不自由をお掛けすることになりますが、全ての登山者と山で働く者を守るために御理解・御協力のほどよろしく御願いいたします。

※信濃大町と言えば。

二月にも紹介いたしましたが 「カイザー食堂」 の豚スタミナ丼を食べてきました。 マスターは元山小屋従業員だそうで面識もなく言葉を交わした事もないのですが、信濃大町に行くことが有ると応援がてらというかランチのボリュームに釣られて食べてきます。(普通盛りで一合御飯のランチ)

いつも満腹になるので、午後からの行事が眠くなってしまって困るのですが・・・。

※白馬と言えば。

昨日は早目に出発して時間に余裕が有ったので、白馬村の 「おばんざい&かふぇ ごま」 に寄ってアイスコーヒーを。

オーナーの「ごまちゃん」は、阿曽原の小屋の建て壊し(ある意味祭り)の賄いを引き受けてくれています。 

小屋締め前に残った食材を工夫して、コンロや水回りも制約がある中で毎夜の宴会料理を作ってくれるのは流石です。 (ドイツやメキシコのホテルでシェフ?コック?みたいなことしていたらしく、山小屋紹介番組でも以前働いていた小屋で作っていた「天狗の釜プリン」が紹介されていたこともあるとか!) 

阿曽原の祭り(宴会)を、安心して任せておける大切なメンバーなのです。(任せられない奴もいたってことか???)

ローカルが集まる目立たない店で頑張っておりますので、白馬を訪れることが有れば顔を出してみてください。

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