阿曽原温泉小屋

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ラッキーって・・・!

2018-08-22

写真

十字峡から10分上流の水を被る沢から、黒部川を見下ろす!

写真は、先のページのヌルヌル沢から黒部川を見下した写真です。

先にも紹介しましたが、黒緑の苔が付いた石は滑りやすいのですが、整備後は石も除けられて歩き易くなりますし、手すりロープに掴まって通過して頂ければ滑って転落する事はありません。

しかし手摺沿いに歩くには、沢の水を被らねばなりません。それが嫌で、水の掛らない登山道の外側を通ろうとする方がおられるようです。

当然、手すりに手が届かずにバランスを崩して、写真の沢に転落して亡くなられた方もおられます。

通過の際は、滝行のごとく「エイ!ヤーッ!」と水を被りながら歩いて頂ければ・・・。(ホンの一瞬ですから)

※九年位前に、宇奈月山岳救助隊の清掃事業で、写真の沢の中段まで15メール位ザイルで下降して沢のゴミ拾いをしに行った時の事です。

作業の最中に、突然ドーン・ボーン・ドドドッって音と共に沢筋に登山者が転落して来て・・・。

作業中の救助隊員の目の前に落ちたのを、咄嗟に手を伸ばして転落者の服をを掴んで、その場で転落を防いだことが有りました。

狭く足場も悪くヌルヌルの沢の中で、転落者が隊員に直撃していたら・・・、隊員が掴み損ねていたら・・・、想像しただけで背筋が寒くなります。

速攻担ぎ上げて、ヘリを要請して搬送して一件落着!

怪我はしておられましたが、素早いと言うかスムーズと言うか。

「奇跡の生還」というほどの、救助作業ではありませんでしたが世の中にはラッキーな方がいるものです。

ちゃんと、手すりに手を沿わせて「滝行」して歩いて下さいませ!

下の廊下情報!(雪は少ないけど、整備の進捗次第です)

2018-08-22

写真

十字峡から10分上流の、水を被る沢 (黒緑の藻がメチャ滑るし、石を除けてからでないと・・・)

①黒部ダム側からの整備は、新越から先は全く手付数の状態で一般の方がとても歩ける状態ではありません。 

補修用丸太の、空輸を週末に予定していましたが台風の影響で延期が濃厚です。(丸太が無い事には、仕事に成りません)

ただし下の廊下全体の残雪量は少なく、黒部別山谷出合などは全く雪が有りません! 新越・大ヘツリの残雪量も同様に少なく雪質も軟らかい印象で融けるスピードが速かったとの事で、今年は早く雪が無くなりそうとの事です。

②仙人ダム側からの整備は、東谷の吊り橋まで程度なので、まだまだ時間が掛かりそうです。こちらも、一般の方が通行できる状態ではありません!

●半月沢には土砂が堆積して足元が非常に不安定! 

●十字峡から10分上流の、水を被る沢にあっては歩く場所がヌルヌルに苔が付いた岩と岩屑が堆積して非常に危険!

●十字峡から15分上流地点、地滑りで岩盤が30m近くむき出しになった場所の丸太桟道は跡形も有りません!

●白竜峡のブリッジについては、中央にかなり大きめのクラックが入って来て、そう長くは持たないであろうとの予測!

③阿曽原の露天風呂が被害を受けていたように、下の廊下全体の丸太桟道・手すり番線等の被害が多い様な気がするので、例年よりも若干手間が掛りそうです。(歩道に溜まった土砂・岩・倒木等もかなり多いです)

残雪が無くなったばかりの斜面・沢筋は、残雪の上に留まっていた岩や石が不安定な状態のままの事があります。 この先、雨が何度か降ったりしてくれると自然に治まってくれるというか斜面が落ち着いてくれます。そういった意味でも、整備が終わるまでは少し時間を置いてやるのが良いと考えます。

何れにしろ、昨年の様に残雪の心配は無さそうですので、開通時期は整備の進捗に掛かって来ますので、逐一このページでお知らせして参ります。

※信じて下さい!

ここでお知らせしている情報は、その都度確認したものです。それに加え、「下の廊下」と「登山客」を長年「見て」「汗をかいて」「整備」と「救助」をして来た私どもの予測・知見等を加えたものです。

また、提供間隔を出来るだけ短くすることによっても正確さを増して来ているものと考えます。

我々を信じて、「ダメ!」と言っている間は、無理して下の廊下には向かわないで下さい。

以前8月中旬に、黒部ダムから下って来てきた夫婦が白竜峡まで来たところで、進退窮まりヘリコプターで救助されています。

整備が終わるまでは、限られたクライマーと整備業者?のエリアであることをお忘れなく!

特に今年は、無責任な誤った情報の垂れ流し・情報伝達の不備によって、我々自身大変に厭な思いをしています。情報の重要性については、身に染みておりますので責任感と覚悟を持って流していおります!(今日の、赤字の強調文字が多くなった理由を御賢察下されれば幸いです)

優しくありませんから!

2018-08-19

写真

十字峡、剣沢に架かる吊り橋より釜を見下ろす!(水量が多くて釜が泡立っています)

小屋には、いろんな電話が掛かって来ます。

「私に歩けるでしょうか?」

「一ヶ月後の天候は・・・?」

「バスの駐車場は、広いでしょうか?」

等々、耳を疑う質問も時にはあります。

最近、気になる問い合わせが相次いでありましたので。

○剱岳の北方稜線に行きたいのだけれど、仙人谷の雪渓の状態は?

○池の平山から小窓に行きたいけど、行けるだろうか?

バリエーションルートに行こうかという人間が、一般登山道の雪渓を心配したり、地図を見て池の平山から小窓にかけての嶮しさは一目で分かるはず、山小屋に問い合わせる内容ではないと考えます。

簡単に行けないから、一般登山道では無い訳です。少々の困難は覚悟の上で、困難を乗り越えるだけの体力・技術・装備・経験・心構え等を持ち合わせた人間が立ち入るエリアです。

どうしても行きたいならば、ガイドを雇うなり経験者に同行してもらうことを御奨めします。

電話してくる方は、そのエリアが事故の多い事を分かっているはずですし、私自身何度も救助に向かった経験が有ります。(学生時代にも池の平小屋でアルバイトをしていたので尚更に嶮しさは知っているつもりです)

そういった問い合わせがあると「そもそも自信がないから阿曽原に電話して来る?」と、とらえてしまいます。

傲慢に聞こえるかもしれませんが、そんな質問には優しい受け答えは出来ずにツイツイきつい答え方になってしまいます! 危なっかしい人が危険なエリアに行くのに、阿曽原から情報を仕入れたり泊まって行ってもらっては心が悪いのです。

※数年前10月中旬に「阿曽原から仙人池を越えて剱御前まで行きたいのだけど、道はどうでしょうか?」との問い合わせがありました。

「二股の橋は撤去されているし、剣沢は青氷の所も有るかも知れないし、そもそも人が居なくなったエリアへ、どうぞ行ってらっしゃいと山小屋の主人が言える訳がないだろう!!!」

って、叱った事がありました。 後からその問い合わせは、某TV企画の「一筆書き」で歩く本人からの問い合わせと分かりました・・・。 それだけの根性で入ってくるのなら、ウエルカムとなります!

足回りは大丈夫?

2018-08-19

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玄関に放置された、ソールが剥がれたシューズ!

先日から、靴置場に置いたままになっていた靴です。

登山用のシューズではなく、アウトドアっぽいブランドのものです。

靴底のソールは綺麗に剥がれてツルツル、とても歩けたものではないので、予備のシューズで帰ったのでしょうか・・・?

このような靴を履いて来られて、壊れるトラブルが時々有ります。

また、ちゃんとした登山靴でも点検せずに履いて来て、ソールが剥がれるトラブルもシーズン中に10件位は必ずあります。(先週も一足補修しました)

シッカリした靴ならば、ソールをビスで固定してから靴とソールを結束バンドで締める応急処置もしてあげれるのですが・・。

登山靴みたいな靴???や、軽登山靴でソールと靴本体の間の芯のウレタンがスカスカに劣化したモノ等は補修のしようが有りませんので、入山前に必ずチェツクしてから来てください。

やっと、作りました!

2018-08-18

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今年の玄関先のベンチです。

もっと早くに作りたかったのですが、あまりの暑さと宿泊者の少なさに「まぁ、いいか」と遅れ遅れにしていた玄関のベンチを王子と作りました。

今年は、ずーっと使われずに有った杉の間柱材を使って長く広くしてみました。

軒先の柱の単管を利用して受けを作って、杉材を並べて番線で締めただけの簡単なものですが、登山靴の着脱やコーヒーを沸かす場所等に便利になりました。

あと70日ほど営業したら解体しなければならないので、ついつい手を抜きたくなるのですが作り始めると楽しくて・・・!

ついでに、看板横に吊るしてあった「安全祈願の鐘」も高い所に移しました。(目に入らずに、頭で鐘を突く方が時々居られて・・・「危険な鐘」だったもので!)

大雨被害は有りません!

2018-08-18

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県警ヘリ「ツルギ」 頼りにしています!(慌てて携帯で・・・ボケてしまいました)

宇奈月温泉はかなりの降水量が有ったようですが、奥に向うにつれて少ない雨量の様でした。

○雲切新道の仙人谷下部の橋も問題ありませんでした。

○仙人温泉下の仙人谷の雪渓横断ポイントについては、架橋地点の雪が怪しくなって来たため、下流側に迂回してから残雪に作られた階段を使って河原に下りてから、飛び石で対岸に渡って下さい。 

その先は、斜面にルートを切り開いて有るので仙人温泉源泉下の雲切新道に出られます。(仙人池ヒュッテのスタッフが頑張ってくれました。通行される方は、必ず仙人池ヒュッテで情報を仕入れて下さい!)

※夏が終わった?

今朝5時の気温は10℃まで下がって、さすがに長袖を引っ張り出しましたが明日からはまた気温が上がりそうです。繰り返しながら、普通の秋?が近づいてくれれば良いのですが・・・。

お盆が過ぎると登山者が少なくなり、毎年巡回して来る森林管理所のグリーンパトロールのバイト達が下山すると、朝晩が涼しくなって来て「夏が過ぎた~」って感じます。

ちなみに、今年のグリーンパトロールは元気な女子二人ペアでした。入山して28日間、後立山を縦走してから白馬~祖母谷~阿曽原~仙人池~剣御前~池の平~阿曽原を歩いて、毎日登山道のゴミ拾いや立ち入り禁止エリアのロープ張りをしてくれました。

今年は雨が少なくて、身体を休める事も出来ずに大変だったのではないかと・・・、御苦労様でした!

※「ツルギ」

平成7年7月豪雨が治まった際、小屋の厨房の窓の高さで目の前に先々代「ツルギ」が飛来して来て、外部スピーカーで「救助は必要ですか?」と呼びかけてきました。

あの時は、停電でテレビも無線も使えず電話も不通で、黒部川中流域が大災害に見舞われているなど全く知らずにいたので、「何を言っているんだか???」スタッフ一同、シーズン目前で開業準備に追われて忙しいのに!近くでホバーリングするものでダウンウォツシュが強くて「小屋の屋根が飛びそうで危ないから離れて」と手を振って申し出を断って。「ツルギ」が帰ってから胸騒ぎがして(遅っ)、大仏と取りあえず仙人ダムに情報収集に行ってビックリ!(ダムのゲートが全開になって、凄まじい水飛沫でした)

トロッコ列車の線路がズタズタで、停電・電話の復旧の目途も??とのことで、山に取り残された観光客・山小屋従業員等は警察と自衛隊のヘリコプターに救助されて下山したとのことでした。

ここで一言!

人の善意は素直に受けましょう!!

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