阿曽原温泉小屋

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加賀のランボー?

2023-08-20

猛暑の午後、帽子・スカーフ・サングラス等等で昔の強盗犯?みたいないでたちで現れた女性が来られました。

受付時に、なんか見覚えあるような?って声を掛けると

「昨年9月に、仙人谷で転んで自力で下山して来て・・あの時はお世話になりました」

あの時の 加賀の人 (北島三郎が歌った演歌!若い人は知らないだろうな~)でした。

単独登山で仙人池ヒュッテから阿曽原に向かい20~30分辺りの、なんてことない道で転倒~転落して大岩に盛大に身体を打ち付けて~痛みをこらえ自力で道に戻ったところで、冷静に考えれば仙人池に向かった方が断然近いのに・・「阿曽原に行けば、なんとかなる !」って強く強く思ったそうで???

なんとか阿曽原に自力で着いて、そんなこと知らない私は「お疲れ様」って気軽に声を掛けた途端に緊張が解けたのか?「転んで怪我したんです~〇✖〇✖〇✖・・・・・・・・・・・」って痛みを堪えながら、要は膝が痛いと言うので確認したら「膝頭が大きく深いカギ裂き」状態!肋骨も強く痛むらしく息も絶え絶えで・・翌日病院で診察したら骨折が判明して!

(負傷したランボーが、麻酔無しで傷口を処置する時のミゾオチに全身の力を込めて呻きながら?傷口を見せてくれる姿が強烈でした!)

よくもまあ、自力で歩いて来れたものです!

当日詰めていた警備隊のK分隊長に、応急処置してもらい~の御飯を食べさせてもらい~の「お姫様」待遇だったのですが、本人は痛くて痛くて!それどころではなかった様でしたが・・・。

ワザワザ元気になった姿と、膝の傷跡を見せに?阿曽原まで来てくれたのでした。

昨日は他にも「以前同行者が、東谷出合いで怪我してしまい、当時お世話になりました」って方が来られたりで・・・その時その時出来る事をして来ただけなのですが、わざわざ挨拶に来て頂いて・・なんだか重なる日でした。

当たり前の事!今の自分が出来る事!それだけなのに、照れ臭くもあるのですが、リピーターとして訪れていただきありがたいことです。

言っときますが、怪我してリピーターにはならなくてもいいですから!。この日も毎年来てくれる信州の御夫婦も御揃いの菅笠風の被り物で仲良く来てくださいました。

夏は暇な阿曽原ですが「リピーターさんに助けられている」って、改めて強く感じてしまうのでした。(ちなみに明日も、控え目で優しい笑顔で旨そうにお酒を楽しんでるOさんが久し振りに顔を見せに来てくれる予定です)

秋が近いはず?

2023-08-19

写真

ミンミンゼミ (今年はエゾセミ見ないんですけど?)

昨日の阿曽原も夕方から一時的に弱雨が降りましたが、長続きもせず山に沁み込んでくれたようで夜の涼しさも増したような・・・。

ガスボンベの残量点検に厨房の下に廻ると足場単管の縁でバサバサと音が?セミが飛び立てずにもがいていました。

簡単に手で捕まえることが出来て、早朝で寝惚けているのか?涼しくなって弱って来ているのか??猛暑の中を鳴き疲れたか???

雨上がりでスッキリした空の青さですが、山は濃い緑から少し変わってきたようにも見えます。

残暑厳しい長期予報が出ていますが、日の出・日の入り時間も短くなり~太陽の高さも低くなって~ススキの穂もどんどん広がって来ています。

※今日からパトロール

宇奈月方面遭難対策協議会メンバーが、仙人池までの雲切新道~仙人谷上部の登山道パトロールに向かってくれました。

大仏がハンマーを持ってゆきましたので、どこかにアンカーを打ち込むことを企んでいるのかと。

※明日も草刈り

S会長が、明日は駒ヶ岳(越中駒)までの登山道の草刈りに向かってくれるそうです。

無理せず、待つことも!

2023-08-18

写真

一時間後には、吹き出しは見えなくなってました。

昨日は欅平からの予約がありましたが、昼過ぎから雷と共に雨が降り出して14時半頃には写真のように阿曽原谷が暴れ出しました。

土砂降りの中をずぶ濡れで到着された方を迎えるために、今シーズン初の乾燥室のストーブを点けて・濡れた登山靴に入れて水を吸わせるために新聞紙を用意して・玄関に足ふき用にバスタオル敷いて・御褒美の「あんずボー」を用意して・・・。

最初に到着さんに、他の登山者の情報を聞くと

「他に2人向かっていたけれど、1人はそのまま向かっているはずで、もう1人はテントを持っているからって折尾谷手前の小さな穴でビバークするって言ってました」

遅れて到着した男性は、折尾谷のトンネルの手前で増水した谷をみてこのまま進んで良いものか?悩んで結局進んだのは良かったのですが、悩んで時間を掛けた分増水してしまった様で「折尾の大滝」の渡渉で怖い思いをされたようです。

到着された頃には雨も弱まり阿曽原谷の吹き出しも見えなくなっていたのです。

黒部峡谷は、岩盤急斜面が多いので強い雨が降ると急に増水することがあります。

しかし事前に大荒れが予想されているなら元々入山者は少ないはずだし、昨日の様な突然の荒天は・・そんなに長続きするものではないと考えても良いかと?

急な大雨での増水で「滝潜り」「渡渉」に危険を感じたら、無理して突き進まずに少し引いて雨が治まるのを待てば水量が少なくなるのも早い黒部峡谷ということをお忘れなく!

ビバークされた方は、翌日昼現在阿曽原には届いていませんが夕方からは雨も治まっていたし「明日、引き返す」って言っておられたようですので心配ないかと。(今日、知り合いが向かってくるので確認できるかと)

黒部は、水が豊富なのです。

2023-08-17

写真

水が美味いと、進んでしまうのです??(レアな瓶が分かりますか?)

昨日は、台風騒ぎで小屋泊テント泊無しで完全OFF!な阿曽原でした。

雨も降るには降ってくれたけれど、降れば水を集める露天風呂横の側溝には流れ込む水が無く??やっぱり乾き切った地面に沁み込んだ程度だったのだろうと・・・。(雑草伸びるんだろうな~っ)

それでも稜線の山小屋にすれば、待ちに待った雨だったのでは?水が無ければ、食事作り・食器洗い・洗濯・掃除等は思う様に出来るはずもなく・・・苦労の様子が伝わって来ておりましたが、サービスの低下は結果として利用者である登山者の方々に跳ね返ってしまいます。

天気だから仕方ないのですが・・・阿曽原小屋を引き継いで二年目の平成6年にもこんな事があった記憶がありますが、幸い阿曽原は水が枯れることもなくシーズンを終えることが出来ました。

標高が低く「暑い」「雑草が伸びる」「虫が多い」等々、黒部ならではの大変なところはあります。(逆に樹木が大きくなり葉っぱも多く、紅葉すれば色の密度が濃い!)

ですが「水に恵まれている」おかげで、心配なく小屋の営業出来るし「御飯」が美味しく炊けるし「丸氷」作ってロック飲めるし「水割り」もグイグイ進むし???ありがたさを実感しています。(そこに話が向かうか!??)

昨夜は、干物が美味い黒部市生地の 高岡商店 で買って来た「特大ホッケ」を焼いて一人酒してテレビの前で転がったまま朝を迎えました。

※写真は一部のみです!(お気遣いなく)

厨房の棚には身内や知り合いが持ち寄った、バーボン・スコッチ・ワイン・日本酒・焼酎・・・が溢れています。

写真の他に、今日現在は冷蔵庫の生酒と箱に入ったままの一升瓶が七本、ウイスキー類も数本仕舞ったままです。

呑み助が集まった日、早寝した私が朝起きたら・・飲みかけだった一升瓶が三・四本空になっていました。(一升瓶が全国的に不足しているとのことで、回収用の空箱を用意しました。・・って、どんだけ空ビン出すつもりなんよ!)

もちろんビール・チューハイ等の販売用酒類も自家消費している訳で・・・。(販売用はあんまり手を付けずにいます)

シーズン中、時々「差し入れ」って重いのに酒類を担いで来てくださる方がおられます。

嫌いでは無いので?大変ありがたく頂いてはいるのですが・・今年は特別に暑いし重い思いして苦労されてまで持ってきていただかなくても・・気持ちだけ頂かせていただきますので御気遣いなさらぬようにお願いいたします。

今のところ・・・

2023-08-16

写真

7時半現在の阿曽原谷 この時期にすれば少な過ぎます。

台風7号は幸いなことに阿曽原は本日午前7時現在、夜半から降り出した雨も強い降り方ではなく風もほとんどありません。

これまでのカラカラ天気で猛暑が続いていたせいで、阿曽原谷の水量は若干増えた程度だし、キャンプ場も降雨の際には水が溜まりやすいポイント(「サトウ池」と呼ばれてます)にも水が溜まる気配もなく・・・どんだけ乾燥していたのやら?

気が付けば、ススキの穂が開いて夜には秋の虫の鳴き声が聞こえ出した阿曽原ですが、これをきっかけに涼しくなってくれればよいのですが・・・。

昨夜泊まってくれた単独のお客さんも早出して行かれて予約も無いしで、雨音だけの静かな阿曽原になりそうです。

それにしても、テレビ局の撮影隊のタイミングの良かったことといったら!(小椋さん持ってる?)

昨日は室堂で取材している様でしたが、良い番組が出来上がることを期待しましょう。

水情報の確認を!

2023-08-15

写真

トンネル内に避難させました。

午前中の宇奈月では、それほど風が吹いていないとのことですが、阿曽原は時折強く吹き付けています。

今夜のお客さんは池の平からの1名だけなのですが、何時頃になるかもわからないし・・取り合えず出来る事は済ませておこうかと、風呂の洗面器と看板を湯元のトンネル内に避難させて~キャンプ場の看板を撤収して~小屋廻りの片付けと玄関の外履きサンダルを回収して・・・陽射しは有りませんが、外で動くと暑くて汗だくになります。

天気予報では、今夜一時的に雨が降るようですが・・・どうせならば少しまとまった雨が欲しいところです。

阿曽原は、まだ水源は枯れていませんが・・・後立山等の稜線の山小屋は、水不足で大変な苦労を強いられているようです。

入山される際は、小屋&キャンプ場等の水情報を確認されることを強くお勧めいたします。

※スノコを五枚にして上塗りして

露天風呂奥のトンネル内スノコは、雨天時の脱衣所になっております。

そもそも雨が降れば風呂に行く人も少ないので去年までは三枚でしたが、二枚追加しましたので少し余裕が出来たのではないかと。

黒く見えるのは数年前に「クレオソート」系で防腐処理した2X4材で自作したものですが、今年は防腐塗料を上塗りしてやったので湿気の有るトンネル内でも長持ちしてくれるのではないかと期待しています。

※参考情報

当山小屋組合員の「朝日小屋」は、9月3日をもって営業終了となるそうです。

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