阿曽原温泉小屋

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二代目「とやま」就航!

2020-03-21

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オリジナルTシャツのバックプリント

富山県消防防災ヘリコプター、二代目「とやま」の就航式が19日に執り行われ4月1日から運用されることに。

引退する初代「とやま」には、お世話になりました。特に去秋シーズンの事故が多発したときには、狭い谷筋・迫る岩壁や夕暮れ迫る中でのフライトで収容作業等をしてもらって・・・感謝・感謝でした。(1996年運用開始って、永い間頑張ってくれていたんですね)

消防・警察ヘリ共に言えますが狭い黒部川の谷中でのフライトは、その繊細な操縦で爆音を轟かせて砂・葉を風で巻き上げながらのギリギリの救助作業を一目見れば、「すげーっ!」と同時に「事故を起こしちゃダメ!」って思ってもらえるはずです。

(事故が発生すれば現場出動するのがレスキュー隊員ですが、自分が事故を起こすことで赤の他人であるレスキュー隊員を危険な目に遭わせることなることを忘れてはなりません。安全で楽しい登山願います!)

二代目「とやま」は昨秋に来富しており、運用開始に向けて訓練中だったのは先にお伝えした通りです。

事故は無いのに越したことは無いのですが、「とやま」の活躍を期待して安全運航を祈るばかりです。

二つ玉低気圧接近中!

2020-03-20

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キレイだったけど、全てが紅過ぎでしょ・・・。(昨夕の朝日岳)

昨日の夕方、大相撲が終わった頃に外が強い赤色に染まっているのに気付きました。

昨日の富山はフェーン現象で日中の気温が24℃まで上がって、夜には「二つ玉低気圧」の通過で大荒れになる予報が出ていました。

普通夕焼けは翌日の晴天のサインなのですが・・・上空には怪しい雲が次々と流されて来て。(観天望気・気圧配置・天気予報を併せて見なければ!)

予報通りに、夜間は強風が吹き荒れて強い雨も・・・夜が明けてからも、日差しが出たかと思えば雷が鳴るし霰は降るし強風も治まらず不安定なままです。

気圧配置!等圧線の狭さ!どちらも荒天予報通りでしたが、日中は気温が上がって融雪が進み、寒冷前線が通過した後に標高の高いところでは吹雪になっているのか???

ちなみに、立山室堂の積雪量は暖冬の割には全然多く積もっているとの事です。しかし標高2,000m以下については異常に少ないとの事です。

廻り合わせ。(自分が出来ること)

2020-03-19

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ヒスイ海岸(遠くに親不知の壁が)

いろいろ有るたびに「なんで自分の周りでばかり、次々と起きるんだろう!」(映画「ダイ・ハード」ブルース・ウイルス???)

なんてことを考えたことも有るけど、不幸な事故が有っても対応に当たることによって度胸(経験)を着けさせてもらって???次に落ち着いて現場対応出来るように「神様が仕組んでくれている」って思うようにしています。

(神様の掌の上でコロコロと???その都度、前に出ないと後悔するかな~って!)

そもそも事案が発生しても、前に出ようとしない人間には「度胸」とか「経験値」が着く訳もなく。

(訓練では優秀でも、遭難者の血を見ただけでテンパイする人間を見てきました)

前に出なければ血や泥を被ることもないけど、本当の意味で関係者・遺族なんかの苦悩・悔しさ・心の痛みなんかも解ってあげられないのでは・・・?

うまく言えないけど・・・難しい事ではなく、その時その時に「自分が出来ること」してカッコつけずに寄り添うことで「信頼」関係が出来上がってゆくのでは?

信頼関係が出来上がれば、人間それぞれの得手不得手を補い合える強いチームが出来ていい仕事が出来るようになってゆくのでは???

にしても確かにあの時は、「山本」~「丸山」って続いてしまったな~っ・・・。

ヒスイ海岸

新潟県境の宮崎~境にかけての海岸ですが、ヒスイの原石が見付かり「まが玉工房跡」(浜山玉つくり遺跡)が朝日町で発見されたことから命名されたそうです。

海がシケた翌日に、打ち上げられている事が有るとかないとか? この日も、波打ち際を見ながら歩いている人がいました。

先日、紹介した「タラ汁街道」は海岸線から鉄道線路を挟んだ国道8号線沿いです。

廻り合わせ。(前置きが長くなりました)

2020-03-17

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東鐘釣山、岩壁下降中(人間って小さいのです)

長々と書いてきましたが、その後の捜索~収容までの話を書き出すとキリがないので・・・「廻り合わせ」について。

当時の私、たまたま受けた健康診断で血圧が下120~上200もあることが判明しました。

ネパール行のメンバーからは

「血圧が高いまま高所まで行って、プッツンと逝ったらどうすんの」

と言われていたのです。

知り合いが前年に、ネパールをトレッキング中そんな症状が出て亡くなってしまっていたのです。(前日の夕飯では普通に飲んでたらしいです)

自分に不幸が降り掛かるなんて事は思わないようにしていたのですが・・・チョッピリ心配になってはいたのも事実でした。(血圧は、お薬を頂いて治まっています)

出国直前に発生した事故で、ネパール行きを取り止めたのは偶然なんだろうか???なんてことを後から考えたりして・・・。

そんな「廻り合わせ」みたいなのに、遭遇したことありませんか?

※写真説明

去年の定期検査時の写真ですが、崩落事故後の復旧工事が終わった後も定期的に点検しています。

黒部川流域は基本的に花崗岩(御影石)なのですが、鐘釣付近の山は石灰岩なのです。

岩壁を観察すると、茶色部分が見えるかと?石灰岩以外の混ざり物が、風化している部分で脆くなっているのです。(崩れやすいって疑わねばなりません)

他にも、シマシマの筋が浮き出た場所が有ったり、ちなみに石灰岩部分が長年雨に融かされて、砂がシマシマに地層みたいに堆積した部分の砂は融けずに残ったからだとか。

サンゴ礁の隆起?って、昔は南の海の底だったってことで・・・地球のダイナミックな動きに驚かされます。

(南の海の大きな川が有る場所!プレートに乗って来たって元々何処だったんでしょ?)

当たり前だけど、地球に比べると人間なんて小さいし、自分が生きている時間なんて・・・。

あんまり「小さなことクヨクヨせずに」ですよね!

廻り合わせ・・・続き。

2020-03-16

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初夏の早月川と劔岳(伊折集落の手前より)

遭難事故の正確な情報はまだ入って来てませんが、会合をそのまま退出します。 

発生現場や状況等を考え併せれば・・・。

ネパール行きのメンバーは、丸山とは皆濃い付き合いです。 連絡を取り合い、キャンセルを即決定して対応に当たることにしたのでした。

ドタバタしているであろう、前線基地の馬場島派出所にいる隊長・隊員に電話して確かめる訳にもゆきません。

でも居ても経ってもいられず、エーショウと二人で除雪してある上市町伊折集落まで車で入って、そこから輪カン履いて馬場島まで歩いて入ることにしました。

暗くなってから歩き出してますが、幸い新雪は少なく月夜だったか割と明るい夜です。 暗闇の中で動物の気配や光る眼が見えますが、こちらから吠えたり唸ったりして脅しながら休まずに歩き続けます。(熊は冬眠中のはずなので、弱っちい奴ばかりなんですが・・・カモシカは、目が悪いので動かずジッとこちらを見ていることがあるのです) 

2・3年前?に足首を複雑骨折しているエーショウは、長く・冷える雪道では痛みが出ているだろうと心配になりますが頑張って歩いています。

午後11時過ぎ、歩き始めて4時間掛かって馬場島派出所のシルエットが見えたところで室内の明かりが消えてしまい、大声でコールしながら速足で暗い玄関に到着、そこで微かな願いも打ち砕かれる現場の状況を聞かされたのでした。

※写真説明

剱岳頂上から、左にスカイラインを下った所のコル(三の窓)から、細く白い雪渓が微かに見えるのがマルが眠っていた「池ノ谷」です。

頂上から手前に延びて降りるのが「早月尾根」で、早月尾根が降り切った辺りが「馬場島」になります。(手前の山で隠れています)

廻り合わせ。

2020-03-15

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彼が撮ってくれた、東鐘釣山の岩壁での作業風景

先のページで、9年前の2月28日の訓練中に発生してしまった事故とその後の話をしましたが、実は個人的な思いというか廻り合わせというか・・・。

剱岳での訓練中の事故の5ヶ月前の9月28日、ネパールのダウラギリ峰に向かった登山隊が雪崩に遭遇して、行方不明になった隊員の中に阿曽原小屋や黒部の災害復旧・雲切新道の伐開で頑張ってくれていた山本君がいました。

(他にも一緒に黒部で働いてくれた男達が、ヒマラヤ・アンデス等で亡くなっている話しを前に書いたかと)

彼は愛知県出身で、阿曽原で働いてくれていた時に同僚だった女子バイトのスズちゃんと仲良くなって、二人で富山に移住して籍を入れて生活始めた矢先の事故で・・・。

(山本君は、戦場カメラマンの経験を生かして阿曽原小屋HPの「山のお仕事」の写真は彼の写真が沢山使われています)

ネパールで発生した事故なので、我々に直接出来ることも無く・・・年が明けた2月28日から知人・山仲間でダウラギリが望める場所まで慰霊に行く計画を立てたのでした。

(当時、義援金を各方面から頂きましたこと、この場を借りて改めて御礼申し上げます)

2月28日午後に市役所での会合に出席して、夕方集合してから関西国際空港に車で向かう予定でしたが、会合中にエーショウから着信が・・・切っても直ぐに再度掛ってくるので?外に出て話しをしてみると、訓練中の事故発生の速報でした。

※写真説明

左側の岩壁表面が白っぽく見えて、右側の雑木が折られているのは、岩盤崩落が通過した痕跡です。 岩盤崩落の際に、岩と岩がぶつかって表面が削られ白く、雑木はなぎ倒されて軒並み折られています。

この地点から、200m余り下部の黒部川に底雪崩で汚された残雪が見えますが、浮石を落としながら川まで懸垂下降して降りて作業終了となります。(左側が私で右側が大仏)

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