阿曽原温泉小屋

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やることやっておかねば!

2024-07-08

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御柱??祖母谷温泉手前トンネルを塞ぐ土石流と巨倒木

白馬岳~祖母谷温泉・唐松岳~祖母谷温泉 両登山道パトロール隊の迎え入れに祖母谷温泉に行って来ました。(工事関係者扱いで、一般の方は入れません)

先日までの大雨の影響を少しは心配していたのですが・・・。(自分には不幸やトラブルは起きないと信じている多くの方々と同じ???)

一応道路は先週までには車が走れる程度になっていると聞いていたので、祖母谷温泉の車両を当てにしていたのですが・・・道路を少し進むと道路が洗堀され抉られているし、岩・流木で埋まり車では前進することが出来なくなりました。

進めないどころか、写真の様に完全に土砂で埋まって重機を持ち込まないとどうにもならない場所が三ヶ所ほど出て来ましたが、重機を持ち出して土砂をどかしていては明るいうちに到着できません。

仕方ないので皆で手分けしてボッカですが、道路はガタガタで足場が悪く山奥とは言え標高が低いので猛暑の中を汗だくになって歩きますが、持ち切れないものは引き返して再度ボッカして搬入が終わりました。

腹空かせてヘトヘトになって下山して来るであろうパトロール隊を迎えるために、大量の肉・肉・肉と喉をカラカラにして降りて来た時のお楽しみのビール・ワイン・ウイスキーやもタップリ用意して、加えて欅平から奥は電気工事業者が来れていないのでポータブル発電機(こいつが重いけど冷蔵庫も電燈も使えないのでは)と燃料も用意したら相当の荷物になってしまいました。

今回は帰りの人員を乗せて帰る車両台数の関係で、運転手と補助者がいてくれたので本当に助かりました。

今シーズンは両登山道の利用は控えてもらう様に登山者には呼び掛けており、利用者はほとんどいないと考えるのですが、パトロールして通常の草刈りを済ませておかねば藪の濃い黒部の登山道は、来シーズンからの管理が大変な目に遭わされるのが目に見えているので登山者の利用の有る無しに関らず「やることやっておかねばならない!」なのです。(トロッコが止まって、普通と違う分苦労するのですが・・・)

動き出さないと!

2024-07-03

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増水ってことは、宇奈月ダムは水位を下げて洪水調節&排砂

今回の大雨では、黒部川の増水だけでなく立山町では避難勧告が出ていた様だし、「横尾~」槍沢の登山道や上高地 で被害が出ているとの情報も・・・。

画像を見る限り、槍沢の水量が減り山腹からの湧水も減らない事には手が出せないのでは???

突発的な荒天で登山道が被害を受けてしまう事は、時々発生してしまうのですが・・・被害場所や状況によっても違ってきますが、取り合えずの復旧を行うにも費用も掛かってしまいます。

当黒部地区の「欅平~祖母谷温泉道路管理組合」では、毎年予備費的なモノを少しずつ用意しておくようにしています。

突発的な災害が発生した場合に備えているのですが、一昨年八月末の大雨で発生した土石流で道路が土砂で埋まってしまった時にも、予備費のおかげで直ぐに復旧に着手することが出来ました。(ちなみに他の山域で吊り橋が流失してしまったのですが「予算が無い」ってことで、翌年まで吊り橋が架かりませんでした)

富山県内の中部山岳国立公園への入山者の方々に、試験的に今シーズンから入山協力金的なモノを頂く取り組みが始まります。

槍沢のある「鑓・穂高」方面は先行して実施しておられますし、最近マスコミで「富士山への入山料徴収」について取り上げられていました。

どちらも根っ子は同じで「今まで管理体制が曖昧で、仕方ないので現場の山小屋等が一部分ですが整備・管理・情報発信して来ていたのが立ち行かなくなって来た」ってことかと?

いままで無かったことを始めるのですから、想定外・トラブル・運用方法等々問題が起きてしまうとは考えられますが、現場で対応している者からすれば「とにかく動き出さねば」立ち行かなくなってしまうだろうと心配しているのです。

流木が有るということは!

2024-07-02

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川道沿いに大量の流木が引っ掛かっていました(向こうの岸が抉られているのが分かります)

黒部の山奥では、大雨での斜面崩壊・雪崩によっての倒木等々が発生して山中に留まっていたものもあるはずなので、今回の大雨だけでこれだけの流木が発生したものではないと思います。

漂着した多くの流木の皮が剥がれた様子を見れば、まだ生きていた樹木なのだろうと見て取れます。

大量の濁流と流木ってことは、山腹が崩れて河川の堆積土砂も押し流し更には樹木が倒され流されれば流域の構造物も破壊しかねません。

太古の昔から黒部川は出水を繰り返しながら現在に至っていますが、人間が本格的に手を加えるようになってからたったの百年!しか経っていません。

昨日も書きましたが黒部は災害がついて回るのですが、開発したことによって・下流域が安全安心に生活できるようになり・流域の発電事業と治水工事で仕事を得られ・治水されたおかげで旨い米が採れるようになり・元々の自然景観と開発に伴ったトロッコ列車を利用しての観光地として賑わってきました。

近年は上流のダム・砂防堰堤と流域の護岸整備で洪水被害的なモノは無くなって来ましたが、しかし中流域沿線で十年毎に災害が発生して観光事業にダメージを受けているのも事実です。

「ヘリコプター」の観光利用は研究してみる価値があるような・・・。

法規制・地形や送電線網・料金等々、クリアしなければならないものは有るでしょうが・・・。(何度かヘリに載って黒部を飛びましたが、ズ~ッと載っていたかったです)

ちなみに立山・剱岳で遭難が発生した場合に、富山平野から立山連峰が雲で隠されていて直接アプローチできないことが時々あります。(暖められた空気が、上昇して立山連峰に当たって雲が湧く)

そんな時は、黒部川沿いに上流に向かい剱岳の遭難の場合は十字峡から剣沢にアプローチすることもあります。

ということは、立山がガスで視界が利かなくても黒部川沿いは視界が利いていることが多ってことになります。観光ルートとすればアドバンテージになると思うのですが・・・。

突発事案というけれど・・・それでいいの?

2024-07-01

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昨夜の大雨で、黒部川は濁流となってました。(愛本橋直下)

昨夜からの大雨で大雨警報が出されていた富山ですが、午後から黒部川の様子を見て来ました。

濃い泥色の濁流が勢いよく流れて泥臭さが漂い、河原の中洲や曲り角の外側には流木が沢山の大小の流木が打ち上げられているところを見れば水量が減ったのだろうと推察できました。

先週は観光関連の会合に出席してきましたが、本年正月の地震被害でトロッコ列車が今シーズンの全線運行を諦めてしまいました。

トロッコ列車の観光客を当てにしている「観光関連事業者」にしてみれば大ダメージなのですが・・・はたして「想定外の自然災害だし仕方ないよな~」で済まされるのでしょうか?

トロッコ列車が一年間不通になるほどの災害は私が阿曽原に入ってからの30年余の間に「平成7年の洪水」「平成14年の落石」と今年の災害と三回発生しています。

要は十年に一度の割合で1シーズンヤラレてしまっている計算になります。(他にも昭和44年等多くの災害に見舞われてきました)

「黒部は生きている!」とこのページで何度も書いて来ていますが、百年ほど前から険しい地形で厳しい気象条件の黒部へ、電源開発のために分け入った人間は何度も跳ね返されながら今に至っています。

先週は観光関連の会議に出席してきましたが、十年に一度の確立で災害が発生するのであれば「突発事案発生」として仕方ないと片付けずに、黒部の観光スタイルを見直す切っ掛けにしてゆかねばならないのでは???なんてことを感じてしまうのですが・・・。

(ヘリコプター峡谷遊覧飛行と、トンネルだらけで景色の無いキャニオンルートを往復で使うとか?)

でも「十年先?の災害時には、私は引退しているだろうな~」ってことを考えると要らん事を口に出さなくてもイイか!っても考えたりして。

でも十年ごとに、みんなが困った困ったって言ってるのも事実なのだから、黒部に応じた観光の有り方を研究すれば良いのにって・・・煙たがられるのは承知で?先日少しだけ意見して来ました。

黒部はリゾートです!

2024-06-29

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会議で浮いてしまうのですが・・・逆さま?根性は逆さまではないはずです!

昨日は午前中に一つ午後から二つ、観光・環境保全関連の会議に出席してきました。

午前中は出席者に合わせて、クールビズシャツにジャケット羽織って参加しましたが・・・蒸し暑さが不快で午後からはアロハ羽織って出席してきました。

そもそもが、「黒部」というリゾートをどのように保全しながら集客して楽しんで行ってもらうかが肝なのですから、受け入れ側の私達も普段からリゾート感を出していてもいいのでは??

大昔一度だけ東京ディズニーランドに行ったことがありますが、会場の清掃スタッフ等の制服やゲストを迎える姿勢に感心させられたことがあります。

ハワイ以外でも沖縄の「かしゆり」しかりだし、もちろん会議をないがしろにしている訳でもないですし・・・全国・海外からのゲストに「黒部」を楽しんで行っていただくために何が出来るのか???

せっかく集まるのだから、会議会議した姿で事務局のお膳立て通りに追認するのはモッタイナイ・・?リゾートなんだから雰囲気出して話し合えば前向きな意見も出やすいのでは?

受け入れる我々から意識を変えてゆかねば!なんてことを?

今年の黒部は・・・

2024-06-27

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昨日の自宅からの夕焼け(毎晩暑くて)

今日~明日と、観光関連・環境保全等々の会議が四件入ってます。

これでも一昔前まではバラバラの日程を組まれていて・・その度に阿曽原から下りて参加していましたが、調整してくれたお陰で効率が良くなってくれました。

来週は、宇奈月方面遭難対策協議会メンバーで「白馬岳~祖母谷温泉」「唐松岳~祖母谷温泉」各登山道のパトロールが行われるので、そのサポートで走り回ることになりそうです。

昨日のニュースで富士山頂で三名の方の遭難が伝えられていました。

何度も書きますが今シーズンの黒部は、 ほぼ登山者が入らないと考えていただいても良いかと!したがって整備も救助体制も例年通りの体制が取れないことを了解しておいてください。

唐松線を祖母谷に向けて下山中に沢に滑落して動けなくなり、家族からの届け出を受けてヘリコプターに一週間ぶりに無事発見された事案がありました。

登山道から停止した沢底まで充分声が通る距離だったのですが、元々登山者が少ないコースで発見されることが無く一週間過ぎてしまったのでした。

白馬線を下って唐松線を登り返す猛者?も時々おられるようですが・・・もし計画を立てられる方がおられるのであれば、慎重の上にも慎重な判断をお願い致します。

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