阿曽原温泉小屋

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強い気持ち!

2025-11-19

写真

本峰!

続き

遭難者は急斜面を800mほど雪崩と共に転落して行ったはずなのに、ダメージは少なかったのだろうか・・・

新雪の集まる谷底の深雪の中の下降では両側からの雪崩は当たり前に発生していたはずだし、小窓尾根の登り返しも深雪の急登を一人でラッセルしながら登り返していたとは「生きて還る!」という強い意志で、小窓尾根を乗り越えて助けを求めに下降中に再度事故に遭って白萩川に転落してしまったのではなかろうか・・

ちなみに池ノ谷は、下部に険しい滝の連続でゴルジュ帯があり直接下降することは危険過ぎるので、登山口の馬場島に向かうにはゴルジュ帯入り口手前で向かって右側の小窓尾根の1614mピークに登り返して~尾根をしばらく下って~白萩川に降り立ち馬場島に向かうのが一般的なのですが、遭難者は無闇に池ノ谷を下降せずに冷静に通常のコースを採ったことが分かります。

どのポイントで小窓尾根に登り返したのか・・どこで白萩川側に転落してしまったのか不明ですが、とにかく小窓尾根上まで登り返していなければ白萩川で遺体が発見されることはないのですから。

後日、山岳会や仲間達が池ノ谷右俣でもう一名の遭難者を発見したのですが・・・驚いたことに、岩壁の庇の下で腰掛ける姿で発見され「アイゼン」は脇に並べて置いてあったとのことでした。

この方も転落直後は生存していて~ダメージを受けていたため下降は諦めて~現場近くで雪崩に遭わない様に岩壁の庇の下で救助を待つ体制を取っていたのではないかと・・・

白萩川で発見された遭難者は、どんな気持ちで下降していのだろう・・・思い返すと今でも胸が締め付けられる遭難事故でした。

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