阿曽原温泉小屋

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正しい雪洞生活?Ⅱ

2021-03-10

写真

赤谷山~剱岳までの北方稜線(立山町三ッ塚新の常願寺川右岸堤防より)

ある程度掘り進んだところで、5人分の荷物を入れて横になる広さと立ち上がれなくても中腰で移動できる高さに広げてなくてはなりません。

何日も使って洞内が人の熱で温められたり雨が降ったり外気温が上がると、雪が緩んで自重で天井が徐々に下がって来るので、最初に高さを確保するか後から掘り上げる必要が、適当な雪洞を作って朝目覚めて天井の低さに驚いたことがあり、いろんな条件を考え併せながら作る必要があるのです。

曇天のガスの中でも暗くなって日が落ちてきているのが分かります。どうせ一晩だけの寝床だし明日からの行動を考えると、トットと完成させて飯食って寝なければなりません。

雪洞を掘り始めた場所は、見込み通り雪の厚さがありガチガチに締まり過ぎておらず掘り易い雪質で、風も強くないので入り口が雪で塞がれてしまう心配もない適地でした。

イイ感じで広がって、もうそろそろ良いかな~って思うのですが・・・班長はスコップを振るう手を休めません。 壁の中に物置の棚代わりの大き目の穴やロウソク立て用の小さな穴を掘って、天井をなるべく滑らかにしなければ雪が融けて水滴が落ちて来ると凸凹を削り出します。 

外は日が暮れて暗くなり気温が下がって雪洞の外で作業する若い隊員が凍えていても、暖かい雪洞の中でヘッドランプを点けての作業する者には関係ありません。 なにしろ訓練なんだから、一泊だけなんだけど!キッチリとした雪洞を作るのも訓練のうち??

赤谷山頂上直下に、数日間はシッカリ泊まれる立派な雪洞を作り上げて夕食を食べ始めたのは20時過ぎだったと記憶しています。

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