阿曽原温泉小屋

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黒部のパワーが凄くて・・・。(らしくない話で、すみません。)

2020-04-24

写真

黒部大橋下流の芭蕉像と句碑

くろべ四十八ヶ瀬とかや

     数知らぬ川をわたりて

        那古という浦に出づ

松尾芭蕉が奥の細道の中で、黒部川を渡るときに難儀した様を残しています。

当時は黒部川に架かる橋は、扇状地の扇の要に当たる日本三奇橋の一つ「愛本橋」まで旧北陸道上街道まで遡らねばならず、下流域の旧北陸道下街道には真面な橋を架けることが出来ず、「四十八ヶ瀬」とある様に愛本より下流は流れが何本にも分かれて広い範囲が黒部川となっていました。(愛本って地名!なんだか素敵でしょ。別の機会に話しができれば)

富山の地図を広げてもらうと、新潟側の入善町とその向こう隣の朝日町との境界に「古黒部」という地名がありますが、愛本から古黒部方向に向かって絵に描いた様な河岸段丘が見られます。

昔の黒部川は今とは全然違ったところを流れていた証拠で、氾濫する度に扇状地を好き放題に流れていたのでしょう。

今の流れになったのは、関ヶ原の合戦後に赴任した前田家の殿様が堤防をほぼ現在のルートに決めたからとのことですが、その後も大雨の度に氾濫して洪水被害が流域を襲っていたそうです。

反対に流れが変わって影響が出たこともあって、入善町春日集落の住民が年貢として毎年供出してきた鮭が水量が減って遡上して来なくなり、年貢の減免を代官宛に願い出ていた書簡が残されているとの事です。(春日地区は、古黒部地区の海側にあります)

黒部川のパワーを、他の方向から少し分かってもらえたかな~・・・外出自粛の暇つぶしになれれば良いのですが。

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