雪の付き方!Ⅱ
2020-03-01
まだ続くの続き。
一刻の猶予もありません、「早く早く」反応は弱くても生きています。 同じ仮死状態の人がもう一人確認されていましたが、残念ながら他の6人は全く反応が有りません。
ヘリコプターに収容できる人数は限られているので、反応のあった2名だけを機内に収容して病院に向かってもらうことに。
ヘリコプターが、二人を乗せて飛び立って直ぐに無線連絡が入ります。
「剣御前小屋に、同じパーティーの2人が収容されている。確認に走れ!」
現場保存に一名の隊員を残し、2名で凍った稜線をアイゼン付けずに走り出します。(蒼氷になる場所は殆ど無く、強風に曝されたルートは山全体が固まっている感じ)
別山の頂上に着くと、前日の新雪を被った剱岳がピーカンの日差しに照らされる姿をカメラに収めようと、三脚が立ち並びカメラをのぞき込む人が大勢いました。(雪のある時期の別山は、遠回りでも必ず頂上廻りのルートを!)
我々に気付いたカメラマンが
「夜明け前に場所取りに来たら、凍えて弱った二人の男性が岩の影にうずくまってビバークしていて、剣御前小屋にみんなで収容しておきました」
みたいなことを教えてくれました。(我々は走って来て、息も絶え絶えなのですが警備隊のユニフォームを羽織っている以上は冷静に聴く振りをしないと・・・なので記憶が曖昧で、みたいなことなのです)
小屋に着くと一目で遭難パーティーと分かる二人が、玄関に座り込んでいて消耗はしていますが受け答えはしっかりしています。
昨日朝から、室堂~一の越~立山と縦走して来て、午後になって真砂岳の肩まで来たところで猛吹雪になって進退窮まって、元気な二人が近くの内蔵助山荘に助けを求めに先行したが方向を見失ってビバークして早朝にカメラマンに助けられたとのことでした。
二人は確かに頑健に見えたのですが妙に納得させられたのは、あの頃から一般に普及してきた「ゴアテックス」の雨具を着ていたのです。
もう少し続くはず・・・って、コロナ騒ぎで何処へも行けないし~・・・。
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