阿曽原温泉小屋

k

登山道情報!(仙人温泉上部雪渓)

2019-09-01

写真

草刈り機で格闘する王子。

仙人谷ルート仙人温泉上部20分の二又地点の雪渓を、仙人池ヒュッテの主人が状態確認をして来てくれました。

坊主尾根側から合流する沢の雪渓が薄く成って来たので、雪渓が無くなるまでは上流側を迂回して沢を通過する事に成るとのことです。(それほど長くは持たないと思うのですが、寒くなって来て雪渓が硬くなって案外長持ちするかも?)

長雨で状態が急に変わったのですが、登山者の少ない時期なのでそれほど心配もしていないのですが「仙人池ヒュッテ」に立ち寄って状況を聞いてから降りて来て下さい。

写真中央は、阿曽原谷左岸の登山道に覆い被さる「ススキ」を草刈り機で刈り払ってくれている王子の勇姿?

落石現場に行った時に「ススキ」が気になって、晴れ間にやっつけに行ってくれました。 あの場所は業者さんが一度終わらせているのですが、小屋の周りと一緒でドンドン伸びて来て二度三度と刈ってやらねばなりません。

大仏は、宇奈月の 「僧ヶ岳」 登山道の階段施工に取り掛かってくれていて、来週から本格的に王子と「下の廊下」上半の作業に向います。

私は、研修会で明日から立山室堂へ行く予定。九月は他に、北アルプス南部の研修会と別件で北海道行(しかも旅費付だったのに)が有ったのですが・・・スタッフそれぞれ働いているのに、さすがに空け過ぎなので諦めました。

来週は、ある研究グループが3連泊する予定なので少しは食事に変化を付けてあげないと。

小屋の営業的には15日まで暇なのですが、電話での予約と問い合わせが沢山あって・・・、実は毎年この時期は暇は暇なのですが、なんやかんや有って人間を回すのに苦労しているのです。

暇なので。

2019-08-31

写真

これから、塩・生姜・鷹の爪・白醤油を投入します。

先日からの長雨で、キャンセル続出!元々暇な時期なのですが、家の周りで収穫された「ミョウガ」が大量に上がって来ていました。

天ぷら・スープや味噌汁の薬味・炒め物等に使っていましたが食べきれる量じゃないので、またもや醤油漬けにしてみました。

アッサリ目に美味しく出来ましたよ。

このハシゴを下りて欅平側1分!

2019-08-31

写真

この後、手掛りロープに結び目を作っておきました。

落石現場は、阿曽原から欅平に向かって高度を稼いだ後にハシゴを下りて1分進んで左に曲がった場所です。(道を均したばかりなので、すぐ分かるはずです)

落ちるモノは落ちたと思うのですが、大雨等が降るとまた不安定にならないとも限りませんから、サッサと通過する様にして下さい。

このハシゴ場、実は私が阿曽原を経営し始めた年のシーズン直前に斜面ごと水平道が崩落した為に高巻きする事に成ったのです。

当時、現場に行くと水平道が有った薮斜面が崩落して一枚岩の岩盤むき出しになっており、その向こうに水平歩道がキレイに見えていました。(今は藪斜面に)

欅平の山小屋従業員が遊びに来て、道が欠落しているのに岩盤をトラバースしようとして滑落して・・・自力で這い上がって来て阿曽原に着いた時にはズタボロ状態で、事情を聴いて知る事に成ったのでした。

アクシデントに遭遇しても、決して無理せず冷静な判断を!

取りあえずは、大丈夫かと!

2019-08-30

写真

白長靴&首のタオルが・・・王子でしょ!

続き。

小型のツルハシと鍬で、堆積した石と土砂を落として道の幅員を広げて整備して来ました。

今年は雪崩が少なかったとお伝えしていますが、例年であれば春先の融雪時期に底雪崩れで崩落するモノが残っていたのでは? 更には、猛暑が続いて乾燥していた斜面が最近の長雨で一気に水を含んで崩れ出したのかもしれません。

この様な地形は落石の通り道なのですから、上部の音に注意しながら素早く通り抜ける事が肝要です。

また写真の様に、草の状態・堆積した石・土砂等を見て新しそうだったら、更に注意が必要と言う事です。

全くの自然落石での遭難事故は、今までの救助活動の中でも白竜峡のハシゴ場で軽傷が一件あっただけです。(内蔵助出合い下流で、死亡事故が有りました。これについては黒部ダム直下で発生した地震の直後で安定していなかったか余震で発生した落石でした)

大概は何かの切っ掛けが有っての落石です。その、切っ掛け・予兆等に気を配っていれば自分の身を守る事に成ります。

※雲切新道を作る際、仙人谷左岸を調査した時に「岩が折り重なった尾根」との話を以前書きましたが、水平道は同じ尾根の裏側に当る訳で同じ様な出来方なのではないかと。(風穴が有ったり、穂高での地震時に巨岩が転落して来たり等々)

阿曽原から仙人ダムに向けて進んだ「権現峠」のトンネル手前が、数年前の冬期に崩落したことがありましたが、赤茶けた岩が折り重なるようにずり下がってのものでした。

言えるのは、この尾根は雲切新道を作った尾根よりも不安定と言う事!(藪に入ってみないと解らない事です)

黒部に入ると言う事は、一般的な山歩きと違った目配り・気配りが必要と言う事です。

大雨が降ると言う事は。

2019-08-30

写真

歩道に堆積した落石に混ざって、潰れた草が大量に見えます。

一昨日午前7時40分頃です。

強い雨が降る最中「ゴロゴロ」外から音がして、雷?がって思ったのですが「カーン」と乾いた音も聞こえ出して?雷にしては長い間聞こえています。

厨房の窓を開けて外を見て見ると、数百メートル離れた小屋下流の黒部川に「ドボーン」と落石が飛び込んでいるのが見えて音も聞こえて来ました。

小屋を出たお客さんは、すでに通過しているはずだとは思いながら・・・しばらく様子を見ていましたが、お客さんが帰って来ることも無く通り抜けたのだろうと判断して、昨日午後の雨の晴れ間に王子と様子を見に行ってきました。

現場は、欅平に向って水平道に出て直ぐ左に曲がった涸れ沢形状の急斜面でした。

今回は「落石」と言うよりは、上部斜面の「崩壊」と表現した方が当てはまる規模でした。

角が尖った赤色や黒色の石が歩道を埋め尽くして、崩落の際に引き千切られて潰されながら落ちてきた草が混ざって青臭い臭いと泥の臭いが漂っています。赤色・黒色の石が有るのは、すでにクラックが入って風化していた岩場が崩れてきたものかと。(砂・泥が少ないのも、発生源は岩場ではないかと?)

黒部川に落下して来た、落石の着水音の大きさや回数を考え合せると相当量が崩落して来たものと想像できます。

涸れ沢を見上げると、幅5m位で薙ぎ倒された草の斜面がずっと上方から続いている様に見えます。

発生源は水平道からは見えませんでしたが、落石音も一日半は聞かれないし、あの後も強い雨が降っていたし、かなりの急斜面なので「取りあえず、落ちるモノは落ちたかな?」との判断です。(細かな石は有るでしょうけど)

続く。

他人に、迷惑・心配を掛けては成りません!

2019-08-29

写真

怒りの土石流!

こんな時期に、こんなこと書いていいのか?って少し考えましたが・・・。

ヤッパリ納得いかないと言うか、日本の山はこんなものと思われては困るので! 宇奈月方面遭難対策協議会救助隊長の立場で書きます。

先日、宇奈月温泉のホテルで宿泊~朝一のトロッコ列車にて欅平~祖母谷温泉~唐松山荘の行程を一日で登る計画の韓国人ツアー22人からの強行登山予約が入ったと山岳警備隊に連絡が入りました。

出発が遅く暑い時間の長い登り! 猛暑で水場は大黒銅山まで無いはず! そもそも大人数過ぎて、どう考えても揃って届くとは考えられない! たとえコースタイム通りに歩けても到着は遅くなる! 暗くなってバテテ歩いていれば事故の元!

等々、問題が起こるのは目に見えている行程であったため山岳警備隊・唐松山荘から再三韓国に連絡を取って計画変更を進めたが聞き入れてもらえません。「遅い到着になってしまう」と、何度も丁寧に説明しても「午後6時には届くから」との一点張りだったとのこと。

更には入山前日に、宇奈月のホテルに山岳警備隊員が出向いて「せめて登山届を出してくれないか」と持参したところ「書く必要はない!」と突き返されたそうです。

案の定、唐松山荘には午後7時過ぎからバラバラに到着し始めて、最終到着は午後9時だったとのことでした。(先に届いた人間は、後ろを歩いている人間のことは「知らない・分からない」って・・・)

大きな小屋で予約してあるからって、他の宿泊者・不測の事態(予測の事態?)に待機していた救助隊員・翌早朝から働く従業員には大変迷惑な話です。

ヤッパリと言うか相変わらずと言うか、遅い夕食時に大声でのお喋りするは、就寝している客室前の廊下をドタバタと歩いて!!!(自分の立場に置きかえて考えられないのでしょうか?)

宿泊していた、他のお客さんからのクレームが翌朝半端無かったとか。

先日も少し書きましたが、アクシデントでの到着遅れは仕方ないにしても、無理な行程で再三の忠告を無視しての強行登山で回りに迷惑をかけるのは、強く非難されるべきではないでしょうか。

もう一つ言えば、そのツアーは元々は「祖母谷温泉から白馬へ向かうのに、44人宿泊できるか?」との問い合わせを5月には入れていたのに、何時まで経っても確定人数を伝えて来ず?そのうちに唐松山荘から「登って来る韓国人ツアーが有るけど、前日は祖母谷泊?」との問い合わせで・・・祖母谷温泉に連絡を入れずにコース変更していたのが発覚したものです。

祖母谷温泉は、30人も入ればいっぱいの小屋です。44人の問い合わせをされたまま放っておかれては迷惑千万な話です。(その日の他の予約を断っていたはずです)

今までもチラホラとこの手の話はありましたが、たまたま行儀の悪いガイドだったのではとウヤムヤになって来た様な気がしますが

昨年の事件

今年の忠告無視

そうではないのではと思うのは私だけでしょうか?見て見ぬ振りしたり、「ダメなものはダメ」と伝えて来なかったツケが回ってきたような気がしてなりません。(アルペンルートの高原バス内で、飲食禁止になったのも臭いのきつい物を食べてしまうマナーの悪さからとの話があります)

すべての登山者の為の公的な救助体制・すべての登山者の為の山小屋・ルールとマナーを守れる登山者の利用を前提とした国立公園管理です。 

文化の違い!知らなかった!等は、業としてお客さんを集めてツアーを催行するのであれば言い訳にもなりませんし、そもそも山岳警備隊と唐松山荘から、再三申し入れをしていたのですから。 (気配りが出来てマナーもシッカリわきまえた外国の方も大勢おられるのですが)

この先の対応は、遭難対策協議会・山小屋組合・行政機関等で協議する事に成るとは思いますが、今のトゲトゲした両国で決定打となるものが果たしてあるのか???

かと言って、このままにしておいていい訳が有りません!

誰か、この文章を韓国語に翻訳して向こうの山関係者に送ってくれないかな!

アーカイブ

最近の記事