阿曽原温泉小屋

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こんなところで!Ⅲ

2020-02-12

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昨日はスキー日和でした。(雪って楽しいんだけど・・・)

続き。

デブリの厚さは2m前後で発生から時間も経っておらず、枝・岩・氷も殆んどないので割とスムーズに進められました。(枝・岩・氷などの硬いものが有るとゾンデが入らず、それを確認してからの捜索になり手間が)

捜索開始30分位、一人目の埋没者の上部5m余りの中央部で、隣の隊員が「アッ、ここかも?」声を上げます。

突き立てたままの反応が有るゾンデ棒を代わって突いてみると、1m余りの先端からは硬いは硬いのですが明らかに岩等のメチャ硬い物とは違う反応が伝わってきます。(死後硬直してはいるものの、ヤッケ等の着衣や身体そのものに若干の弾力が。比べてみれば分かるはずですが・・・普通は進んで体験したくはないですよね)

上部斜面の見張りを交替しながら、ゾンデ棒で埋まっている遭難者の身体の大きさを確認しながら周りから掘る者と身体の上を埋めている雪を除ける者に手分けして、頭部がどこを向いているのか解らないのでゾンデ棒で突き当ながら大まかな身体の向きを探りながら慎重ながらもガンガンと掘り進めます。

まだ続く。

※昨日は、いい一日でした!

昨日は急に思い立って、六年振りに「押し掛け助っ人」に行ってきたのですが、予想通りランチタイムは大混乱でした。

久し振りに顔を合わせた、京都からの御家族・お馴染みローカルさん・阿曽原に来てくれた方等々から笑顔で声を掛けていただいて・・・仕事は疲れましたが、皆さんの元気な笑顔も見れたし照れ臭いけど暖かい気持ちになれて・・・良い一日になりました。

(髪の毛が油煙で固まって帰ることになりましたが)

明日は晴天!(助っ人に)

2020-02-10

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晴天の立山

明日の休日は、晴天予報!富山のスキー場は、今シーズン一番の賑わいになるのでは? 

ということで、立山室堂の立山センターの賄いをしている「絹ちゃん」が牛岳スキー場で経営しているレストハウス「サンシャイン」に助っ人に行ってこようかと。(実は絹ちゃん、「所さんの日本ムラビト大賞」第一回グランプリ受賞者なのです)

休日のランチタイムは、盛りが多いので馴染みのローカルメンバーで大賑わい。

オープンキッチンの厨房内は三人程度しか入れず、フライパンを振る者・トンカツ揚げる者・食器洗う者・盛り付ける者・バナナジュース作る者・・・オーダー漏れ・オーダー違い・生ビールの樽の切り替え等々一人で何役もこなさなければ。

忙しい日の帰りには、あまりの炒め物の多さと揚げ物のフライヤーの油煙で髪の毛がポマードで固めたようになったことも。(換気ダクトが追い付かず・・・にしても)

昨秋の悪天続きで、阿曽原で売れ残った缶ビールを買い取ってもらった恩が有るので、明日は押しかけ助っ人頑張って来ねば!!

こんなところで!Ⅱ

2020-02-10

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赤谷山~大窓~池の平山~小窓尾根~剱岳(年末の馬場島)

続き。

全員アイゼンを装着して、クラストした斜面を現場に向かって下り始めます。少し歩きだすと、元通りの少し靴が潜る程度の雪に変わって、デブリの近くまで行くとアイゼンが邪魔になるくらいの柔らかさに変化してゆきました。

現場に近づくと、デブリの末端辺りに黒いヤッケのパンツと登山靴が見えています。向かいながらコールしても反応もなく、着いて直ぐにシャベル等で掘り出すものの遭難者は既に硬直が始まっています。

ガンガン掘り進めたいところですが遭難者に傷を付けない様な慎重さも大切、やっと顔面が出てきましたが中年の女性は呼吸の確認をするまでもなく、顔面蒼白・唇は蒼く・頬は冷たく硬く・瞼を固く閉じて・・・せめてもの救いは、顔面に傷もなく穏やかな表情だったことでした。

曇天で寒風に小雪が吹き付ける現場、重たい雰囲気の中で聞こえるのは風の音と我々の作業音だけ。

通報者は、埋まっている仲間が見えているのに現場を離れて通報に向かったの???

一緒に流されて生き残った通報者は、同じく中年女性だったので一人では無理だったのだろうか??? それはそれで、辛かっただろうな~って。

可哀そうというか・・・「何とかならなかったのか?」って遣り切れない気持ちも湧いてきますが、未だ寒くて寂しい思いをして雪の中で待っている遭難者を早く出してあげないと。

雪崩のデブリは、幅10m足らず・長さ25m余り・厚さもそれほどでもなさそうで雪崩の規模とすれば小さなものでした。

発生源は、剣山荘の裏の剣沢側の緩斜面で「這い松」が生い茂っている隣の斜面からです。

「エーッ、急斜面は他にいくらでもあるのに、あんな場所から出るなんて?」

出動メンバーは4人だったか?隊員一名は次の雪崩に備えて上部の見張りに残して、残りは横一列になってゾンデ棒で雪崩デブリを突きながら探します。

もう一回続く。

こんなところで!(先入観は持たずに)

2020-02-09

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剱岳~クロユリのコル~劔御前~大日岳(北陸道:流杉PAより)

今回の寒気はそれなりに強かったのですが、元々の積雪が少ない上に積もった積雪だから黒部の奥で大規模な「泡雪崩」は発生していないのでは???と予想はしているのですが・・・。 

予想外の事が起きるのが山の中です!

10月末?11月?源次郎尾根の登攀に向かったものの、悪天候で引き返してきたパーティーが剣沢内で発生した雪崩の直撃を受けて2人だったか?埋まってしまう遭難が発生しました。

曇天で風が少しあるものの視界が効いたので現場上空まで県警ヘリで向かい、上空からデブリを確認すると剣山荘の直下から 「武蔵谷」 出合いの少し上部まで雪崩れた跡がありました。(雪崩が発生するような急傾斜の印象は無かったのですが???)

デブリの近くは急傾斜地で着陸は出来ず、ホバーリングするにも新たな雪崩を誘発さる恐れが???なので少し離れますが剣沢警備派出所前の小さな広場にホイストで降下。

派出所前は風で吹き飛ばされたのか積雪はほとんど無く、沢筋は真っ白ですが風の通り道だからなのか?雪面に足を踏み出してもそれほど潜らずツボ足で快調に下り出して「六字塚」を過ぎた所で「ヒェーーッ、チョット待て待て!」見た目は同じ雪面なのですがパンパンに硬くなっていたのです。

(ちなみに六字塚は、剣沢キャンプ場下部の池塘の近くに「南無阿弥陀仏」で六字って聞いています)

それほどの急斜面でもないのですが、まともに立つことも出来ず足を滑らせればどこまで滑落するやら。

滑落停止訓練は受けているけど、強風が吹きつけてパンパンの滑らかな斜面で化繊のヤッケを着て滑り出して勢いが付けば・・・滑落停止なんて無理無理!慌ててピッケルを突き刺しながら戻ってアイゼンを付けます。

続く。

熱い思いは!

2020-02-08

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フライング(0次会?) お世話になっています。

昨日は「沈黙の山」の製作スタッフとの打ち上げ。熱い思いで作り上げた「いい仕事!」いろいろ表彰されたけど、その分厳しい部分もあったしそれを補う不思議な縁みたいなものも・・・盛り上がって飲み放題プランは次々とグラス・ジョッキが空いて気が付けば22時を回っていて・・・とっても「良い酒」でした。

もっと早く集まりたかったのですが、みんな忙しくて・・・カメラマンが「大間」のマグロ漁師密着で長期出張等々。

メンバーの一人が夕方のローカルニュースのキャスターなので、彼の仕事が終わってからの19時半にインド料理店で開始!なので「かど屋」さんで軽くフライングしてから。

吉田拓郎の大ファンの主人は、山のガイドもやっていて地元の山の関係者がよく出入りしています。

カウンターだけの小さな店ですが、16時から開いていてくれるので富山市内での飲み会前に時間調整(0次会)に顔を出させてもらっています。(そういえば先週も来ていた)

地酒が充実した、仲良し夫婦がオモテナシしてくれる大切なお店なのです。

ザワツイテいます。(山小屋のヘリ問題)

2020-02-07

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今日は快晴!(冬季国体が開催されることに決まりました)

先のページで、池の平小屋の今シーズンのヘリコプターでの物資輸送について触れましたが、一部で話が伝わっている通り、物輸ヘリコプターが今まで通りに飛んでもらえなくなって(機体や操縦士不足、墜落・物資落下事故による安全対策費用高騰等)

飛んでくれたとしても、料金が跳ね上がったそうだし回数も思うように飛んでもらえなくて・・・。(昨年、途中でビールが無くなった小屋もあったとか)

昨日の会合でも、少し話は出ていましたが決定打はなく・・・二週間後に開催される北アルプス山小屋協会総会でも議論されるとおもいますが・・・存続の危機にある小屋も出てくるのでは?マジでそんな話しも出て来ています。(阿曽原小屋は基本的にヘリは使わないのですが、劔岳方面の小屋には頑張ってもらわないと!他人事では有りません)

今日これから、富山駅前で仲間達との「打ち上げ」に行って来ます。(開始時間が19時30分からなので、一人でフライングすることになりそうです)

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