今だから言える話。
2019-09-09
下界の警察署勤務をしていたから、秋口だったと思いますが、剱岳長次郎谷で遭難発生。
私とN隊員は、上市町の臨時ヘリポートから初代県警ヘリコプター「つるぎ」(ベル製206ロングレンジャー)で現場に向かう事に。
操縦士・副操縦士の二人が前部座席で操縦してくれて、機体を軽くするのに後部室は無人で飛来して来ます。我々は乗り慣れたってほどではありませんが、何度も搭乗した経験はあります。何時もの様に、サイドのスライドドアから搭乗して離陸。
剱岳の登山口の上市町からは、馬場島~早月尾根~頂上~長次郎谷出合までは10分余りのフライトです。
ザックが大きくて、床に置いて押えなければならないので座席に座らずに向かったのでした。
離陸して数分経ったところで、突然「ガラガラーッ」乗り込んだ際にロックしたはずのスライドドアが全開したのです。
「ヒヤッ」座席にしがみ付きながら、二人顔を見合わせて狼狽えるしかない我々です。その時、ヘリがバランスを崩したのか風に煽られたのかは分かりませんが、開いたスライドドア側に機体が若干傾いて、今まで見えていたのは山の稜線だったのに~山腹~数百メートル下の 「上市川第二ダム」 湖面へと見える景色が変わって・・・映画「ダイハード」のブルース・ウイルス的な?
パイロット達も異変に気付いていますが、前の座席からは移る事も出来ず「落ち着いて」って、インカム越しにやたら冷静なトーンでアドバイスをくれるのですが・・・我々にしてみればアタフタするばかりです。
機体の姿勢が直って景色も稜線に戻って、少しスピードも落としてくれたのか?安定したところで冷静さを取り戻して、座席とN隊員が装着していたハーネスを私が握りしめて確保したところでN隊員がスライドドアを閉めて事無きを得たのでした。
ホイスト降下時にはドアを開けてワイヤーを下げるのですから、スライドドアが開いたからと言って墜落する訳ではありませんが、怖い目に遭ったのはロックの確認を怠り、近いからと言ってシートベルトも装着せずに乗り込んだ我々のミスなのでした。(自力でフォローしたと言えば言えるのですが?フリーでの、あの高度感はかなりのモノでした、良い子は確認を怠らずに)
だからN隊員との現場は・・・。
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