阿曽原温泉小屋

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組合総会日!(目の前のモノが永遠に、なんてことは?)

2024-05-24

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小黒部谷出合下流の右岸の崩落(高低差80mほど?)

本日は、黒部観光旅館組合総会です。

正月の地震の影響で、黒部峡谷鉄道が全線開業出来ないのでは?との情報も流れるなかでの総会開催となり・・・当組合の組合長としては、重た~い気分での開催になります。

一昨年までコロナ禍で叩きのめされ、昨シーズンから宿泊人数制限しながらも賑わいが戻って来ていたのですが・・・。

救いは平成7年の洪水災害時は、仕入れやアルバイト雇用した後だったので米・ビール・食材等は大汗かいてボッカして小屋に納めたのに誰一人お客さんが泊まりに来る前に使われることも無くなり、バイトにも帰ってもらったり・・・。(平成14年9月も落石災害でやられてます)

当時は小屋を引き継いで間もない時で借金も有って、先に仕入れてしまったものへの支払いが圧し掛かって苦労した記憶があります。(トロッコの復旧に一年掛り、下界に降ろすことも出来ませんでした)

黒部峡谷の地形の険しさ! 積雪量・降雨量の多さによる雪崩被害と鉄砲水等の異常出水! 等々・・・

その険しさと厳しさを体感できるからこそ多くの人々を惹きつける黒部峡谷であり、加えて険しく厳しい黒部での電源開発・治山事業のために101年前から世の為人の為に立ち向かって来た人間の凄さを直に感じることが出来るからこその、黒部での「観光・トレッキング」であり毎年の様に入って来る「テレビ番組作成」なのだと考えます。

写真は、黒部川本流小黒部谷出合下流右岸 に発生していた斜面崩落です。

今回の地震で発生したものと考えられますが、河原に堆積した土砂量が見えますが撮影時までの間に下流に洗い流されてしまったものと思われます。

自然保護・環境保全等々を率先してゆく立場にありますが、黒部を視ていると「目の前のモノが永遠に!」なんてことはあり得ないって解かるし、折り合いつけながらの活動(共生)が大切なのではないかと考えてしまうのです。

速報!(まだ5月です)

2024-05-17

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室堂ターミナル駐車場で待機中の「巨大な除雪車」

昨日からの寒気流入による荒天でしたが、立山黒部アルペンルートは弥陀ヶ原から上部で50cm以上の積雪が!除雪に入ったとのことです。

先日まで夏日が有ったかと思えば、雪が積もったり・・・珍しい事ですが、まだ5月!標高が高い山岳地帯はマダマダ気が抜けないってことです。

遭難とまでは・・・?

2024-05-14

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ターミナルを見下ろして

GWの入山指導員勤務中こんな事案が・・・。

スキーヤーが単独で、一の越~東一の越~タンボ平 に向かったものの、ルートを間違えて 一の越~御山谷~黒部ダム に向けて降ってしった方が・・・。

怪我をしたわけではないのですが、最終バスには間に合わず困って山岳警備隊に携帯電話で連絡を入れて来られた方がおられました。

今年は残雪量が少なく、御山谷を下れば黒部ダムのかなり手前から雪が無くなりスキーブーツで不安定な河原下りをしなければならず・・。

歩き辛いだけでなく歩く距離も随分遠回りになり、連絡が入った時点で最終バスには間に合わないだろうとの判断でした。

入山指導員窓口では「御山谷を下り過ぎない様に!」って声掛けしているし、滑降して行けば先の雪が無くなるのは分かりそうなのに・・・シッカリ計画立てて、コース研究して、実際に確認しながら行動してもらえれば・・・。

ヤキモキ&ハラハラ!そこが黒部峡谷なのです。

2024-05-11

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9月末では、なかなか見れませんから!

写真は 2015年9月30日に撮影したS字峡に残るスノーブリッジです。

この年は残雪が多く「下の廊下」を歩けた人は10月後半だけで非常に少なかった記憶が?

(ちなみにこの年はNHKが長期滞在してジオジャパンの番組製作していて、小屋が盛況ならば彼等だけ特別待遇も出来る訳もなく・・毎日カレーばかり食べてもらわねばならないし大量の資機材置き場確保等々、NHK的にはラッキーだったのでは?)

今年は残雪量が少ないので、登山道整備も早く終わって通行可能期間の長くなり多くの方々に黒部峡谷を楽しんでいただけたはずなのですが・・・。

これまでも大雪だけでなく「洪水」「落石」等々災害が繰り返し発生してしまい、小屋の営業自体出来ない年もありました。

その度、復旧作業で危険な現場に入って来ましたし、雲切新道を切り開いた年も「下の廊下」の開通が遅れた年だったので最後の最後まで集中して作業することが出来ました。(NHK番組制作も雲切新道工事も、ただの偶然なんだろうか??)

正直に言えば小屋の営業的には厳しいものがあるのですが、事ある毎に危険で大汗かかされる現場に一緒に入ってくれる仲間達が出来て~ネットワーク的なモノが出来て~危険な作業が出てくれば声を掛けられる信用??みたいな流れが出来てきたのではないかと?(仲間も信用も、いくら金積んでも揃わないのでは?)

本業は山小屋ですから、好き好んで危険で大変な仕事に向かっている訳ではありませんが、困った人を助ける・苦労して歩いて来た人の世話をする・救助現場に向かう・・・などの延長線上で、現場に出て汗かいて来たからではないかと考えてしまう訳なのです。(基本、山小屋従業員は何でも屋!)

とにかく黒部峡谷は、次々と「ハラハラ・ドキドキ」させてくれる(自分から突っ込んでる?)場所だと考えてる小屋主なのです。

※そんな黒部なのですから、計画通りに入山できないとしても勘弁してやってください??

営業見通しは立っていません!

2024-05-11

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そのうち良い事あるやろ??

本年に入ってから繰り返しお伝えしていますが、本年の宿泊営業の見通しは全く立っておりません!

〇トロッコ列車の鐘釣橋の復旧については、一応10月初旬の復旧予定と発表がありましたが・・・なんてったって黒部峡谷?での作業ということを忘れてはなりません。

〇黒部ダム~旧日電歩道~阿曽原~水平歩道~欅平までの登山道についても、全く現地調査が行われておりません。

 昨年10月11日 に、強雨の影響?で登山道が一部崩落したことがありましたが、そもそもが深く険しい峡谷沿いに作られた歩道ですので、道の崩落・落石による手摺り番線切断や丸太桟道欠落・枯沢や急斜面に屑石が堆積等々が考えられます。

〇登山道整備については例年通り6月以降に順次調査に入る予定ですが、まず調査してから復旧に当たることになります。 東北の震災の年に発生した地震では十字峡上流で斜面が地滑りを起こして登山道が30mほど消失してしまいましたが、あの時よりも強い地震だったので、今回もどこかで被害が出ているものと考えておいた方がよいかと。

とにかく現場に人間が入れるようにならないと確認出来ませんし、復旧工事の見通しも立ちません!(今年は雪が少ないと言っても・・まだ待たなければ入れないし、トロッコが止まっていては欅平に入る事すら大変なのです)

以上の肝になっている「橋復旧」「登山道修復」が予定通り終了したとしても、小屋を運営するための資材物資搬入・人員確保等々の体制整備も近づいてからでないと動きようもありません。

なので小屋の宿泊については予約は受け様が無い!事を御理解して頂きたく御願い致します。

正確な情報を、なるべく早くお伝えするように努めますので 〇先走って登山計画を立てたる 〇予約電話や問い合わせ 等々を行わない様に重ねて御願い致します。

富山県水墨美術館

2024-05-10

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飛龍峡

【予告】[四館連携企画展]立山・黒部の魅力再発見!~山河をめぐる歴史・文学・美術~(6月7日から)

富山県水墨画美術館 において開催されるとのことで、阿曽原温泉を題材にして作られた写真絵本「黒部の谷の小さな山小屋」の写真も展示されるらしいです。

6月7日のトークショウ は、名古屋に向かう日なので残念ながら聴きに行けませんが、星野カメラマンが富山に来るタイミングと合わすことが出来れば、話しの種に?行ってこようかと考えております。

※先日までの室堂勤務で見掛けた、写真家の高橋敬市氏の作品も展示されるらしいです。

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