阿曽原温泉小屋

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積雪情報。(参考ですから)

2020-01-31

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まだまだ冬は続きますから!

毎年のことですが、この時期は会議・会合が続いて・・・。

27日(月)「立山黒部観光旅館組合総会」に出席した際に、今現在のアルペンルート沿線の積雪状況が報告されました。

標高の低い「黒部平」は例年に比べ少ないのですが、2000m以上の高山帯はそれなりに積雪が有るようです。

今冬はなかなか冬型の気圧配置にならず、風向・気温・雪温等も当然違うはずなので、吹き溜まりの具合・雪庇の発達具合・雪崩の発生などは例年と違うのではないかと???

室堂の積雪量も、吹き溜まりの出来方で観測地点付近だけタマタマ多くなっているのかもしれません?

ただし、この数日は冬型になって波浪警報の出るほどの強い風が吹いているので高山帯ではそれなりの積雪が有るのでは???(やっと家の周りが、薄らと白くなりました)

いずれにしろ立山はゴールデンウイーク頃まで積雪が有るので、この先も情報が入ればお知らせいたします。

(このままだと、立山ケーブル・欅平の奥鐘橋の除雪作業のバイトが無いかも? 他にも、ガイド連中は雪が少なすぎてスキーガイドに行けないので・・・雪を当てにしている山関係者は結構いるのです)

冷たい風といえば。Ⅳ(批判を覚悟で?)

2020-01-26

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訓練中の「とやま」 繰り返し・繰り返し!

ヘリの強風で、吹き飛ばされそうになる!腕時計が冷やされて腕が痛くなる!顔面が凍傷になる!等々想像できないかも知れませんが、季節を問わず北アルプスの救助現場ではヘリだって簡単に飛んでいる訳ではないし、吊り下げられる隊員共々危険な作業に従事しているのは解ってもらえるかと。

残念ですが、山がある限り遭難は無くなりません。でも、事故が発生すれば誰かが助けに行かねばなりません。

その為には、事前に雪を吹き飛ばすとどうなるのか?実際の強冷風を実体験して完全装備で自分の身体がどれだけ動くのか?等々、現場の実態に即した厳しい訓練をこなした上でないと、自信を持った判断も救助も出来ないはずです。

何が言いたいかというと、ヘリコプタークルーもレスキュー隊員も人知れず訓練に励んでから現場に出ているってこと!

救助中のミスでレスキュー側が責められる事案がポツポツと、その割には簡単にヘリの出動を要請する話もちらほらと・・・。

誰も遭難事故を起こしたくもないし、先の登山研修中の雪庇崩落事故や他の救助中の事故だって、起こしたくて起こしているわけではありません。

続きは後日・・・。

冷たい風といえば。Ⅲ

2020-01-25

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山の上は、想像以上に寒いのです。

我々は、ある程度雪を吹き飛ばした後にホイストで吊り上げられることになったのですが、早月尾根に残る隊員から配転されるT分隊長・N隊員(久々の登場です)等、我々に持てるだけの装備・食料を持たされて・・・。

当時、近くにいた報道ヘリから救助活動が生中継されていて、後日自分が吊り上げれれている映像を見たのですが、荷物が重すぎて全身ハーネスの胸の金具から吊り上げられていたのに、後ろにひっくり返りそうになるのを堪えてフックに必死にしがみついている姿が映されていました。

(救助活動の生放送なんて後にも先にも記憶がありませんが、富山県内ではテレビ番組を差し替えて放送していたとのことです)

機内に引っ張り込んでもらって、床に転がってホイストのフックを外したもののザックが重すぎて起き上がれず、自衛隊のクルーに起こしてもらったのですが荷物の重さに苦笑いというか呆れ顔されてた記憶が・・・。

更に後から分かったことなのですが、後輩の隊員が顔面がタダレテいてしまっていて???

バートルの強烈なダウンウオッシュの中で、目出帽を被っていなかったおかげで凍傷になってしまったのでした。

無残に両頬がカサブタに覆われて。(彼の喋る話を聞いていると、面の皮がどれだけ厚いんよ?ちゅう印象の男だったのですが???)

「とやま映像祭2020」のお知らせ!

2020-01-24

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「バイ貝の串焼き」日本酒飲むには肝が絶品ながやちゃ。(「ながやちゃ」は、富山弁)

以前から応援してきた「沈黙の山」(チューリップテレビ制作)が、2月15日から 富山県教育文化会館で開催される「とやま映像祭2020」で上映されることになりました。

お伝えしてきた通り、第56回ギャラクシー賞・2019年日本民間放送連盟賞などの受賞作品ですが、内容もさることながら四季折々の迫力ある山の映像を大スクリーンで! (私も14日は富山市内で飲んで泊まる予定なので・・・翌日午後からの上映ならば二日酔いも治まっているはず?そのまま残って見てゆこうかと)

阿曽原小屋の立ち上げ・解体風景や、大仏達が断崖で旧日電歩道を整備している場面等々、マニアには興味深い場面も!(マニアって誰よ?)

他にも、富山に関する力作・話題作が上映されますので、県外の富山マニアの方は「バイ貝の串焼き」を食べに来るついでに観に来ていただければ。

詳細:「とやま映像祭2020」

冷たい風といえば。Ⅱ

2020-01-23

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昨日の昼に怪しい雲が! やはり今日は結構な雨が・・・。

私たちの真上でホバーリングするために徐々に降下してきてくれるのですが、高度差が有り過ぎれば隊員が吊り上げ中にダウンウオッシュや横風に煽られて不安定(吊るされたままクルクル廻り出すことも、最近はフックに撚り戻しが有るはず?)になったりすることも。

加えて冬山の場合は、新雪が舞い上げられて人工的なホワイトアウト状態になります。 事前にポイント付近をみんなで踏み固めておくのですが、斜面や這い松の近くなどは固めようもありません。(特に風下側の吹き溜まりや雪庇には、フカフカの積雪が有るけど手が出せません)

ヘリは頭上にある程度降下してきて、一旦静止してしばらく雪を吹き飛ばして舞い上がりを落ち着かせてから吊り上げてくれるのですが、準備が整うまで爆音轟く暴風のホワイトアウトの中で耐えねばならないのです。せいぜい数分間なのですが、その間を強風と冷たさに耐えるために目出帽とゴーグル・サングラスを装備して、ヤッケのファスナー全閉・フードも出来る限り絞り込みます。

ちなみに他の冬山の救助現場で、金属製の腕時計とベルトを着けてヤッケと手袋で取り合えず隠していたのですが、ダウンウオッシュの強冷風で冷やされて手首が千切れそうに痛くなった経験があります。(こんな時には樹脂製のものがいいのですが、大人な男は葬儀・式典等々に出ることも多くて・・・)

なにより、ヘリの機内からホイストを操作してくれるクルーから我々が雪煙で見えず、吊り上げられる隊員も手探りでフックをハーネスに装着する様なことは絶体避けなばなりません。

冷たい風といえば。

2020-01-22

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訓練しなければ!(防災ヘリから降下中)

三月初旬に、剱岳 早月尾根上部(通称:カニのハサミ)より東大谷に滑落した三人組の救助に向かった事があります。

早月尾根の標高2600mだったか2700mを歩いて現場に向かっている時に連絡が入って、自衛隊のレスキューヘリが来てくれて我々を現場近くのカニの横這い下部(旧平蔵避難小屋)までピックアップして配転してくれることになりました。

当時の県警ヘリは小さな機種で、気流の悪い冬山の剱岳頂上付近で人間を吊り上げるなんて出来るはずもなく、消防防災ヘリも導入される前だったと思いますし、民間ヘリには基本的にホイストが装備されていないし、そんな危険な事を要請できるはずもありません。(三月といっても、当時は天候悪化で冬山状態でした)

当時の県知事からの要請で出動してくれたのだと思うのですが、自衛隊の救難隊ヘリコプターが現場に飛来してくれて我々をピックアップしてくれることになったのです。

この機体が、通称バートル(CH-47)という双発機種で(ローターが前後に二つ=タンデムローター)とにかくでかくて・・・。

真上に来られると、空が見えないというか暗くなるっていうか・・・それだけならまだしも、大きな機体を飛ばすのだから当然パワーも半端なく強くて、ホイストワイヤーを身体に装着するまではダウンウオッシュ(ヘリからの吹き下ろしの風)が強くて岩場か這い松にしがみついていなければマジで吹き飛ばされそうになります。

 バートル(CH-47)

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