阿曽原温泉小屋

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ヤッパリ・・・。

2022-03-24

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積雪調査ご苦労様です。

今週初より、立山室堂に積雪調査に入った飯田肇先生の調査チームからの連絡が入りました。(佐久市でのミーティングの進行役の飯田先生です)

やはり例年よりもかなり多いようで、21日の写真で5.7m掘ったところだそうですが地面までは・・・まだ届きそうにないとのことでした。

雪の断面(黄砂・氷盤)を油類で汚さない様に?機械類を使わず、スコップなどの道具だけで手掘りで進めなければならない調査とのことで、毎年決まったメンバーで慣れているとはいえ苦戦しているとのことですし「この時期にしては、とにかく寒い」とのことでした。

また立山黒部アルペンルートの除雪隊からの連絡でも、例年より積雪量が多いのに加え「今年の雪は柔らかい」とのことで作業に手間が掛かってしまうとのことでした。

今年は「山雪型」と伝えてきましたが、降雪時の気温?等が関係しているのか積もり方が違っているのではないかと?

実際に確認してみないとハッキリ言えませんが、雪庇の発達・雪崩や吹き溜まりでの谷筋の雪の残り方・「表層雪崩」「全層雪崩」等雪崩の種類と規模の違い等々の影響があるのではないかと。

ゴールデンウイーク中の奥大日岳や剱岳周辺の稜線歩きや、夏の剣沢・仙人谷等の雪渓歩きは例年通りとはいかないのでは?? 

そもそも登山と言うものは、目の前に現れる「荒れた道」「増水した沢」「倒木」「残雪」等で難儀することも有ると覚悟して、自力で歩く!状態が改善するまで待機!手に負えなければ引き返す!などの対応力・想像力を発揮してもらわないといけないのですから。

とにかく入山前には、山岳警備隊や山小屋等からのコース状況と入山日からの天気予報等の情報を仕入れてから入山してください!

再放送決定!

2022-03-21

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「えび寿し」さんの、特大カマの塩焼き!(写真を見ると、酔いが回り始めていたのが・・)

昨年末に放送された

BSテレビ東京「黒部源流紀行」

ですが再放送が決定したそうで

BSテレビ東京 4月5日(火)18時54分~20時49分

の予定だと連絡が入りました。

放送後の反響が大きかったみたいで、今回はゴールデンタイムでの放送とのことです。

※富山も減少傾向です。

3日前に個人的な送別会で「えび寿し」さんに三人でコッソリ?行って来ました。

相変わらずキトキト(新鮮)な魚介での「刺身の盛り合わせ」「シメサバの炙り」「スルメイカ造りの肝添え」「カワハギ造りの肝添え」(肝攻め)をオーダーした時に、バイト君から、今日のお勧めメニューの「カマの塩焼き」があと二つ!と聞かされたので即注文して、ジックリ焼き上げられて出て来た特大カマ!(肋骨?の太さが!)三人で突いて丁度の大きさで(マジで二つ頼まなくて良かったと)、お酒も進み良い時間を過ごさせてもらいました。

コロナ感染も徐々におさまって来ている様で、全国の皆さんに富山に山歩きに来て頂いた後に魚を食べてもらって幸せに浸っていただけたらと願う小屋主なのです。

ご冥福を・・・。

2022-03-20

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寒いと思ったら、宇奈月温泉辺りまで新雪が・・。

欅平駅前の「猿飛山荘」の御主人が長期間の入院治療の末お亡くなりになられました。

前黒部観光旅館組合組合長を務められておられて、山奥で小屋を守って来た昔の苦労話を沢山聞かせてもらい勉強させてもらったり、「欅平に来ているなら顔出せ」ってチョイチョイ声を掛けられて小屋に寄らせてもらってはランチ・ビール・露天風呂を御馳走になっていました。

高齢の奥様と御家族では・・関係機関等から弔問に来られる方々がもしも来られたら顔が分からないのでは・・せめてもの恩返しに明日から「お通夜」「本葬」と受付・使い走り?等の御手伝いに行って来る予定です。

あんなに遠くから!

2022-03-17

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「四平」の対岸、百貫山と名剣山のコルからの谷!(狭く深く尾根まで一直線ということは?)

以前にも少し書きましたが、平成8年春にトロッコ列車の運行再開に向けて山腹調査の為に宇奈月から上流に向けて進めていった時の事です。

鐘釣駅から上流は直ぐに長いトンネルが始まって、「四平」 と呼ばれる地点でトンネルを抜けてスノーシェッドが始まるので、屋根はあるものの黒部川側は景色が開けるのですが・・・トンネルから先のスノーシェッド内の天井までカチカチに固まった雪でビッシリと埋まっていました。

事前調査で情報は入っていたのですが、「何処から運ばれて来たのか」目の当たりにしてみて???

下流側にある「四平谷」で発生した雪崩が横斜面に溢れて廻り込んだ? スノーシェッドに上を流れる細い沢から出た雪崩が巻き込んで入って来た??

「まさか」と思うけれど、数百メートル対岸の谷から出た雪崩が黒部川を渡って更に数十mの高低差のある線路までまで届いた???(リンクの 地形図 参照して想像してください)

四平谷から出た雪崩の痕跡!(どう考えても雪崩が回り込んで、スノーシェッド内を埋め尽くすはずがない) 

黒部川が、巨大なスノーブリッジで覆われて対岸まで雪の上を歩いて渡れる大量の残雪!(残った残雪の形状・地点から、対岸の谷から「泡雪崩」で運ばれてきた残雪としか考えられない) 

対岸の谷と黒部川との、出合い上部の巨木・樹木が軒並み薙ぎ倒されている爆風の痕跡!(倒された樹齢数百年の巨木が、そこまで育つ間に発生したことの無い強烈な「泡雪崩」が発生した証拠)

等々その「まさか」しか考えらず驚かされました。

昨夜も東北で大きな地震が発生してしまい、お見舞い申し上げるところでありますが、テレビでコメンテーターが「11年前の教訓で皆さんがパニックにならなかったのでは?」と語っていましたが、安全で便利な生活に慣れ過ぎて「まさか!」「そんな事?」ってことを忘れがちになってしまってないか?

四六時中考え過ぎてしまうと、心配で酔っ払うことも出来ない寂しい人生になりそうで・・息苦しい生活になってしまわない様に、時々新たな情報を仕入れてシュミレーションして、なにか異変が有った時には想像力を働かせて落ち着いた対応が出来る様に心掛けたいものです。

もう一つ言うならば、「怖いモノ」「嫌なモノ」から目を逸らさずに生きてゆけば、有事に際して(今まで目の前で交通事故・人が倒れたり等ありませんでした?)冷静に対処できる人間になれると思うのですが・・・。(お節介?)

知らないところで。

2022-03-14

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冬場にレールが撤去されているのを知ってましたか?

写真は、小屋平駅から宇奈月に向かって一つ目のトンネルを抜けた所にある「ウド谷」 の運行再開に向けた架橋作業になります。(藪の広葉樹が芽吹いていないのが解るかと)

この場所のレールは、雪崩の被害を避けるために毎冬全て撤去されて、コンクリート製の橋脚だけになってしまいます。

写真左側のトンネル入り口に鉄製の扉が見えますが、撤去されたレール類は中に片付けられた後にトンネル内に雪崩が入り込まない様に頑丈な鉄扉で塞がれています。

元々この場所より少し下流に線路が有ったのですが、雪崩被害を避けるためにトンネルを併用して収納場所を作る形になったと聞いたことがあります。

この「ウド谷」で発生しているのは、川床の構造物の被害状況や谷の地形等から底雪崩ではないかと推察しているのですが、いずれにしろ大量のデブリが押し出されて線路が壊されてしまう雪崩の威力には驚かされます。

平成8年の大雪の年には、開業直後は残雪が多くて、この場所がアルペンルートの「プチ雪の大谷」状態となって窓の外は雪の壁になっていたのですが、峡谷沿いは標高が低く気温が高いので見る見る雪壁はなくなってしまいました。

険しい黒部峡谷でトロッコ列車を走らせるという事は、人の眼の触れないところでの管理の大変さがあるのです。(電車賃が割高になるのは勘弁してやってください・・)

※ちなみに

この部分は、向こうのトンネル内から沢の下に向けて冬季歩道が掘られて沢を過ぎた辺りから写真では見えませんが手前のトンネルに向けていて人間が通れるようになっています。

雪が無くなると分かりませんが(爆風の威力)

2022-03-12

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不思議な構造物ですが・・。

この写真は、前ページ写真の左端に少しだけ見えているグレー色に塗られたコンクリート製の構造物です。

小屋平ダム管理棟 と小屋平駅の間のコンクリートの運動場の様な平地に有って、アーチ型で立ち上がった形をしていてトロッコ列車もすぐ脇を走るので見たことある人もおられるはずです。

このコンクリート運動場?の地下には巨大なプール?水路?が隠れており、グレーのコンクリートの構造物の中には水量調整の「制水門」「ゲート」「巻き上げ機」等が有ります。(30年ほど前に、アルバイトの水路点検で中に入って見て来ました)

小屋平ダム から発電所までの送水が、雪崩れの影響を受けない様にするために作られたものだと思われます。(ゲートが雪崩で壊されたり、水槽・水路に雪が詰まるとコントロールできなくなります)

それ自体も大変な苦労だと思うのですが、見て頂きたいのはグレーの壁の最上部に横一線に採光用のガラス窓が並んでいるのが見て取れます。

昔、小学校にあった?分厚く鉄線で補強してあるガラスに見えるし、外圧を受けないようにと横長で一枚の面積を押さえて有る?

よーく観察すると、グレーの壁の中に横長の長方形が見て取れるのですが・・・実は採光窓が、もう2・3段あったのですが平成8年の「泡雪崩」の爆風で最上段以下の狭く分厚いガラス窓が全て破られてしまったので、コンクリートで窓を全て埋めてグレー色で塗装された痕跡なのです。(アーチ構造物は、上流側・下流側と二つあります)

破られたのは上流側を向いている窓だけで、裏側から見ると採光窓は未だに何段も残っています。

地形図をリンクしておいたので見て頂くと解りますが、沢筋からは離れた場所にあるアーチ構造物ですが爆風の影響を受けてしまったのです。

とてつもない事が起きていたとは、雪が無くなると全く分からないことなのですが・・百年以上前に、険しい黒部峡谷を切り開いてダムを作り水路を作り発電所を作って、そして今も維持管理している「人間って凄い」と思ってしまう小屋主なのです。

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