阿曽原温泉小屋

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「臭い」って大切なんです。

2022-04-06

写真

志合谷方面からの「奥鐘山」 左奥に「名剣山」

830mまで登ってからは、稜線をそのまま950mから1,000m位まで岩盤に張り付いた頼りない藪を頼りに登って行きます。

その辺りから、祖母谷側の名剣温泉の少し上流に向かって下る尾根状の地形を目掛けて下降を開始します。(地形図リンク の800mの等高線の数字の8の左側にある尾根)

途中で一班ずつ、尾根から右側の急斜面に入り点検範囲を分担しながら岩壁を 下降 してゆきますが、もちろん一日で全て見て廻れる訳もなく・・何日も通って上部から順番に浮石発生地点(崩落発生場所)を探しました。(上部から順次見てゆくのは、未点検の斜面の下部に先に入ると結果として不安定なものが自分の上部にあるかもしれないので怖いのです)

崩壊の 痕跡 等から、だいたい目星をつけて集中的に人員を投入して、発生地点の不安定になっている浮石掃除してから順次崩落が壊していった斜面を点検して不安定なものを見つけては落として下ってゆきます。

崩壊が下った斜面は、樹木の樹皮は剥がされ葉っぱは引き千切られて土砂は耕され泥と葉っぱの濃い臭いが漂い、岩盤では岩がぶつかって表面が砕かれ剥がされて白くなってキナ臭さが数日経っても漂っています。

最初の発生は、現スノーシェッド直上だったので発生源・崩落面も割と狭い範囲の点検でよかったのですが・・・。

現場で慌てないために!

2022-04-05

写真

志合谷左岸上部から欅平方面(右側岩壁奥の、影の尾根裏側に調査に入ってました)

地形図リンク

「名剣温泉」から地形図で5㎜ほど欅平側(左)に下った道路から、緩い傾斜の藪に入って直ぐ急斜面を登り奥鐘橋~1,218mピークに向かう傾斜が緩くなった尾根上830mに向かって直登します。

地形図を見てもらうと等高線の狭さで・・どれだけの急傾斜か想像できると思いますが、岩が剥き出し部分は割と少なく、岩壁・灌木・雑草のミックス斜面で枝・草を握りながらの登高になりますが、枝が折れたり草が千切れたりすれば転落しなければならないのですが細かくピッチを切ってザイルを張り込んで登るほどでもなく・・・。(一面に見事な山菜の ゼンマイ が生えていたり、庭木にすればキレイであろう シャクナゲ が密生していて行く手を阻まれて大変でしたが)

安全をないがしろにしている訳ではないのですが、そこは経験で強い枝の樹種の見分け方や力の加え方を工夫したりしながら行動予定・地形・作業量・チームの実力や体調等々を総合的な判断で、何を優先させるかは現場で考えて行動してゆく!どんな仕事でも同じではないかと?

経験に裏打ちされた広く高い視点でモノを見て、独りで判断がつかない時の為の信頼できる相棒・メンバーです!って失敗も沢山あるのですが、それも経験値を上げる為に神様が与えてくださって試練!って??(失敗を恐れて、行動しないことの方が✖✖少々のことを乗り越える「突破力」も)

初めて入る山なので、帰りの下降ルートは岩壁の連続で困難が予想されたので、登りで時間を消費してしまうと明るいうちに調査しながら下山できなくなるかも??

実際に、何度か作業に手間取って真っ暗になってから道路まで降りて来た事も・・。

行って見て初めて分かった、困難なルート・巨大な浮石を見つけて作業に手間取ったりと想定外に遭遇しても、突破したり作業を終わらせないと帰ってうまいビールにあり付けないのですから?頑張るしかありません。

※再放送!

そういえば今夜「最後の秘境 黒部源流紀行 小椋久美子が黒部川の“最初の一滴”を目指す旅」再放送予定です。

今から思えば・・・。

2022-04-01

写真

祖母谷に向かう道路のスノーシェッド!

前ページと同じ写真を使ってますが、右端に灰色の鋼鉄製の「スノーシェッド」が見えると思いますが、二昔前までは無かった工作物なのです。

祖母谷川での砂防堰堤工事中に、写真右側上部山腹で発生した落石が現在スノーシェッドが作られている辺りに降って来ました。

記憶が曖昧ですが、夜間に発生した??幸い怪我人も車両や設備の被害は無かったのですが、そこそこ大きな落石(崩落)だったので普通に考えると落石が転落して来た斜面はバウンドしながら落下して来る岩でダメージを受けると岩壁・山腹が破壊されて「浮石」「倒木」が不安定に残っていることが想像されます。

そうなると、強風・野生動物の移動等をキッカケに不安定な落石・倒木等が落下して来る危険が出て来ます。

この道路が使えないと、付近一帯で進められていた堰堤工事がストップしてしまうのです。

という事で、「この斜面を点検して来てくれないか!」と工事業者から連絡が来たのですが・・下記のリンクで地形図を見てもらうと解りますが、簡単に言われても登山道どころか大部分が「人跡未踏」の急斜面(岩壁)になります。

名剣温泉付近の地形図

モデルケース???

2022-03-29

写真

名剣温泉から上流の道路!写真右上最高所から調査で下ったことも有ります。(マジ怖かったですが・・)

昨日は、宇奈月国際会議場セレネで「欅平・祖母谷温泉間道路管理組合」総会に出席。

私には直接関係ない方面の話なんだけど、副会長職を当てられて・・要は利害関係にある関係者だけでは、どうしても「言いにくい事?」が出て来て・・直接関係がない私ならば「言いにくい事?」をブッチャケ話してしまうので??ある意味大岡裁き?を期待されての当て役と理解して引き受けています。(会長は副市長なんだけれど、毎回この日は忙しいらしく?ここ数年は私が議長をしてます)

今シーズンは、お伝えしている通りの大雪で欅平~祖母谷温泉間の道路にも雪崩で運ばれてきた大量の残雪が残っていると予想されています。

訪れる方々に、黒部峡谷の迫力ある風景と祖母谷から送られて来る温泉を楽しんでもらうには、なるべく早く除雪を終わらせて~山腹点検して~道路整備を済ませて~引湯管の整備になるのですが・・・。

特に名剣温泉から先の 「雪崩沢」 は、重機で除雪するにしても気温が上がり融雪が進んでから進めないと手間と費用が掛かるばかりだけでなく、残雪の崩壊・落石等の危険度も大きくなりますので無理は絶対にしてはいけないと話して来たところです。(雪崩が集まるという事は、落石も集まるチューことです)

ちなみに国立公園内で、こういった管理組合を作って歩道の管理をしている例はないのではないかと???

昨年辺りから国立公園内の登山道の管理方法についての議論がされて来ているのは御存知かとおもいます。

国立公園といっても、地域によって事情・歴史・経緯等が違うので一概に言えませんが、我々が行っている管理方法も「モデルケース」になりうるのではないかと個人的には考えています。

ただただ「予算を付けてくれ」と役所に要望するだけではなく、役所と現場に居る者が一緒に考えて実際に動く形が、周りからの理解も得られて理想なのではないかと考えるのですが???

猛烈な強風!

2022-03-28

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神社の境内に散らばった大量の「杉」の葉が入れられたゴミ袋の山の一部

26日(土)の富山県内は、台風並みの強風で富山市八尾では観測史上1位の強風が吹き荒れました。(「おわら風の盆」 街流しが有名です)

高速道路・新幹線・在来線の通行止めや運休が相次ぎ、走行中のトラックが横転したり火災の飛び火で風下1Kmの家屋等9棟が焼けてしまいました。

暖かい南風だったので、白馬方面の稜線が随分黒くなったように見えました。(融雪が進んでいた証拠で底雪崩も発生しているかも?)

翌27日(日)は、集落の用水路・神社等共用部分の清掃日「江ザラい」でした。

私は地区の神社の清掃当番でしたが、案の定!前日の強風で境内の「杉の木」の葉が強風で大量に振り落とされて地面が見えず、改めて春の嵐の威力を実感させられました。

奥山では、どんな影響が出ていたのやら??トロッコの線路や発電設備に被害が無ければよいのですが・・・。

遅れます!

2022-03-27

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雪崩の被害を避けるために、猫又駅上流対岸の地下に「新黒二発電所」が作られてます。

今冬は「山雪」と何度もお伝えしてきましたが、やはり黒部峡谷鉄道の運行再開も例年に比べてかなり遅くなります。

〇4月27日 宇奈月駅~笹平駅

〇5月20日 宇奈月駅~鐘釣駅

〇5月26日 宇奈月駅~欅平駅

の予定と発表がありました。

沿線の残雪が多いだけでなく、2月6日に発生した泡雪崩が 「猫又駅」 付近に届いて、工事用の設備・施設が被害を受けているとの情報が入って来ております。(リンクの地形図の「新黒二地下発電所」の文字の「新黒」と記載のある辺りの急な沢が発生源らしい?)

必然的に、我々の山腹調査の日程も遅れてしまう事になり~山松会の集い~GW中の立山室堂での「入山指導員」~送電線巡視路の点検作業も遅れ~そうこうしているうちに阿曽原の「小屋建て」~名古屋での「夏山フェスタ」~時々飲み会???等々予定が・・・どうせ夏には、水平歩道が歩けないかも知れないのですが???ドタバタしそうです。

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