黒部は生きてます
2024-04-18
鐘釣橋上流の、不帰谷 からの沢水は濃い濁りが入っているのが解かるかと。
不帰谷は上流部で崩壊が進んでいて雨が降らなくても濁りが入ることがありますが、一昨日の雨に加えこの時期は融雪期なので斜面崩壊も激しいのでしょう。
濁流が流れる両サイドの堆積土砂は全て不帰谷から押し出されたもので、黒部川本流を堰き止めてしまう勢いですが大雨の度に堆積土砂は黒部川の水勢で下流に押し流されています。
押し流された土砂は黒部川の川床の高さを上げてしまい、下流の猫又にある「黒部川第二発電所」の排水口を埋めてしまうので土砂を除去しなければ発電所を動かすことが出来なくなってしまいます。
平成8年に不帰谷の測量で本流出合いから上流に遡行したことがありましたが、出合いから直ぐの場所に「不帰滝」があって立派な滝なので直登出来ずに藪斜面を高巻きしながら迂回したことがありました。
その当時は堆積土砂がほとんど無かったのですが、ここまで土砂が堆積してしまえば「不帰滝」は殆ど埋まってしまっているのではないかと???(見に行ってませんが)
白馬岳~祖母谷温泉に下る登山道の百貫山コル いると、不帰谷の谷底から斜面が崩壊している音が聞こえてくるほどですので常に大崩壊が進んでいると推察されます。
出合いで土砂が堆積し続ければ、上流の河原にある鐘釣の温泉も川の流れの下に沈んでしまいかねませんし、今現在も増水すると温泉に近づくことが出来なくなっています。
砂防堰堤工事に入るにも、ルート確保が困難というか全くアプローチできる谷ではなく別途トンネルでも掘らねばならず・・・困った問題なのです。
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