阿曽原温泉小屋

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雪が無くなると分かりませんが(爆風の威力)

2022-03-12

写真

不思議な構造物ですが・・。

この写真は、前ページ写真の左端に少しだけ見えているグレー色に塗られたコンクリート製の構造物です。

小屋平ダム管理棟 と小屋平駅の間のコンクリートの運動場の様な平地に有って、アーチ型で立ち上がった形をしていてトロッコ列車もすぐ脇を走るので見たことある人もおられるはずです。

このコンクリート運動場?の地下には巨大なプール?水路?が隠れており、グレーのコンクリートの構造物の中には水量調整の「制水門」「ゲート」「巻き上げ機」等が有ります。(30年ほど前に、アルバイトの水路点検で中に入って見て来ました)

小屋平ダム から発電所までの送水が、雪崩れの影響を受けない様にするために作られたものだと思われます。(ゲートが雪崩で壊されたり、水槽・水路に雪が詰まるとコントロールできなくなります)

それ自体も大変な苦労だと思うのですが、見て頂きたいのはグレーの壁の最上部に横一線に採光用のガラス窓が並んでいるのが見て取れます。

昔、小学校にあった?分厚く鉄線で補強してあるガラスに見えるし、外圧を受けないようにと横長で一枚の面積を押さえて有る?

よーく観察すると、グレーの壁の中に横長の長方形が見て取れるのですが・・・実は採光窓が、もう2・3段あったのですが平成8年の「泡雪崩」の爆風で最上段以下の狭く分厚いガラス窓が全て破られてしまったので、コンクリートで窓を全て埋めてグレー色で塗装された痕跡なのです。(アーチ構造物は、上流側・下流側と二つあります)

破られたのは上流側を向いている窓だけで、裏側から見ると採光窓は未だに何段も残っています。

地形図をリンクしておいたので見て頂くと解りますが、沢筋からは離れた場所にあるアーチ構造物ですが爆風の影響を受けてしまったのです。

とてつもない事が起きていたとは、雪が無くなると全く分からないことなのですが・・百年以上前に、険しい黒部峡谷を切り開いてダムを作り水路を作り発電所を作って、そして今も維持管理している「人間って凄い」と思ってしまう小屋主なのです。

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