阿曽原温泉小屋

k

それでも山へ・・・Ⅱ

2021-04-02

写真

剱岳~剣御前~大日岳(立山IC付近より)

先に早月尾根「シシ頭」から「池ノ谷右股」へ転落して命が助かった遭難事故の話を書きましたが、正確に言えば「しばらくの間は、行動できる程元気で生存していた」という事例がありました。

厳冬期の剱岳で池ノ谷に転落して生存していたなんて、鍛冶さんの発見現場は稜線から800mもの高低差がありましたが、頂上付近から転落すれば常識的に考えられないのですが・・・。

私が警察学校に在学中の正月登山で、早月尾根から剱岳登頂を目指していた地元の山岳会パーティーの中の2名が シシ頭 から「池ノ谷右股」にザイルに繋がれたまま転落した遭難事故が発生しました。

発生当時は救助活動も行われたはずですが、厳冬期の「池ノ谷」は雪崩の巣です。(富山県登山届出条例 の特別危険地区にされています)積雪期の「池ノ谷」入って捜索するのは危険極まりない行動になります。

転落した2名の方々は行方不明のままとなり、本格的な捜索は雪崩の危険が少なくなり、なおかつ雪渓の雪が事故発生時期の層まで融ける時期になるまで「池ノ谷右股」の捜索は待たれていたはずです。(3月上旬の層が7月中旬に現れましたが、正月前後の雪の層は9月頃に現れるはず)

その年の4月に、私は剱岳を管轄する上市警察署に着任して新米山岳警備隊員として活動することになったのです。(40年以上前の話しになるなんて・・・オッサンに成った訳だわ!)

アーカイブ

最近の記事