阿曽原温泉小屋

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ミスは、頑張りでフォローすりゃ良いんじゃねぇ!

2019-09-08

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「コンプライアンス」とか「スタイル」とかに、囚われ過ぎていませんか?

続き。

ホジクルに連れて遺体の体制も変わって行くので、慎重に確保しながらベタベタに濡れて作業する事2時間足らずで遭難者を雪渓の上に引っ張り上げる事が出来ました。

遺体収納袋に収めて梱包して回収のヘリコプターを待つことにしましたが、ガスが湧いて来たので当日は諦めて、雪渓に穴を掘って御遺体を納めてから雪を被せて埋めておくことにしました。

翌朝から下り坂との天気予報なので、ヘリが飛ばなければ阿曽原~宇奈月・剣沢~室堂どちらかへ担ぎ下ろすことになるかもしれません。

取りあえず全員で「池の平小屋」へ向かったのですが、N隊員と「どうせ明日の朝は天気が悪いのならば、夜明けと共に行動をしなくても良いだろう」隣の仙人池ヒュッテのオバちゃんはN隊員の実家の近所なので気兼ねしなくて良いし、なにより遭難者の支援者と一緒に小さな池の平小屋で泊まっては気まずくて旨い酒が飲めない!

と言う事で、二人で40分離れた仙人池ヒュッテで泊めてもらう事にしました。

流石はご近所!歓待を受けて、雨も降り出したので明日はヘリも飛ばないだろうとシコタマ飲んでバタンキュー幸せに布団にもぐったのでした。

ウン・・・?夢の中が何やら眩しくて???ピーカンの快晴です「オイッNよ、起きれま晴れとるじゃ!」思わず大声になります。

N隊員も飛び起きて、朝食そっちのけで慌てて出発して池の平小屋で支援者と合流して現場まで駆け上がります。

神様はさらなる試練を・・・「エーッ」言葉には出しませんが、昨日被せておいた結構な量の雪が融けて安置する為に掘った雪の竪穴の中には水が溜まり遺体収納袋がドップリと浸かっているのでした。

N隊員と意を決して引き上げてみると、「ジャー」と収納袋のファスナーから漏れ出す昨日より濃い色の水が止りません。

いろんな角度に転がしてみて、水を切ろうとするのですが止まる気配はなく。本部からはヘリコプターのフライト時間を伝えて来ていますが、ガスが上空に広がり出して雲行きが怪しく成って来ています。

ジックリ処置をしていては、ヘリに振られる事になりかねません。(どうもN隊員と現場に出ると・・・)

続くが続く。

誰が遣るのって?他にいないでしょ!

2019-09-07

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黒部別山谷出合上流から。

遺体収容の話が出たので。

「池の平山」 頂上直下ルンゼで、正月登山で行方不明になっていた遭難者の遺体発見の通報。

初代県警ヘリ「つるぎ」で今回もN隊員と出動、発見者である遭難者の支援者と現場にて合流。

幅2m足らずの狭いシュルンド内に、下半身が雪渓内に埋まって上半身が谷底に向って垂れ下がる形で発見されていました。

遺体が落ちてゆかない様に、ロープで上の雪渓から固定しますが半年以上雪に埋まっていたのですからヌルヌル&ズルズルというか、濡れた遺体をマスト結びで締めているけど効いているのか???

壁も切り立っており、シュルンドもほぼ垂直な隙間での作業です。足場が無いので立つ事が出来ず、雪渓上からザイルでシュルンド内にブラ下って遺体の周りの雪渓をピッケルで削りながら掘り出してゆきますが、中吊り状態なので踏ん張れず上半身の腕力だけでピッケルを打ち込むのでなかなか捗りません。

雪に埋まった遺体の周りの雪は、残った体温で一度融かされて再度凍るからでしょうか?バリアのごとく?氷化していて硬いのです。

ピッケルは作業をするには短いのですが、狭いシュルンドではそれ以上長い物も使えません。(時には、チェンソーを使って周りの雪氷をカットする事も)

短いと言う事は、遺体の近くでの作業に成ります。遺体を傷つけない様に気を遣わねばなりませんが、チマチマやっていては終わりません。ガツガツと氷を打ち削って行くのですが、その氷が灰色がかっていて打ち削られる氷粒が返り氷となって・・・合羽を着てはいるものの顔面はもちろん全身に降り掛かってそのまま融け出します。

なんか臭い(味)がする様で微妙な気持ちになるのですが、顔面で融けて流れて口に入る液をペッペッしながらN隊員と交代でホジクリ続けます。

支援者と言っても遭難者とは直接は面識のない一般人です、そもそも汚れ仕事はしたがらないだろうし、登山・登攀とは全く違った馴れない作業で遺体を傷つけられても困ります。

御遺体は冷たい雪の中に長い間閉じ込められて、表に出たら出たで苦しい体勢で縛り付けられているのですから、誰かが頑張って早く楽にしてあげねば!

警察法第二条(警察の責務)「個人の生命、身体及び財産の保護に任じ・・・」とありますが、亡くなった方にはそもそも生命が無いのですが・・・困った人を助けるのも仕事の内というか、難しい事言う前に当たり前の事やればっ!特殊な場所で作業が出来るのは誰かって言ったら・・・でしょ!

「レスキュー」とは、救命・救助を意味しますが、山岳遭難救助活動ではカッコいい仕事と言うよりも、実は遺体の収容作業のような汚れ仕事も沢山こなさねばなりません。

遺体収容は人命救助活動と変わらず大変なのですが、亡くなっておられれば表彰対象にはなりません・・・もっと評価されても良い活動だと思うのですが。

隊員は表彰されたくて活動している訳では無いので?どうでもいいって言えば、どうでもいいことなのですが・・・ご遺族の方々からの心の底からの「ありがとうございます」の一言の為に頑張っているのですけど、一般の皆さんは知らないかな~っと思って書いてみました。

続く。

下の廊下の進捗状況。

2019-09-07

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紅いです。

大仏とは毎日連絡を取って「下の廊下」上半の整備状況の報告は受けています。

先にも書きましたが、メンバーが遺体収容に取られてしまい少ない人数での作業はなかなか進まないとのことです。(危険な場所での収容作業が出来る人間は限られているのですから、そちらが優先です!)

週明けには、メンバーも帰って来てくれるはずなのですが台風が・・・。

何れにしろ、黒部別山谷の雪渓崩壊がまだ落ち着いていないはずなので通行は出来ませんから。

下半についても、昨日ヘリが仙人谷ダム~黒部別山谷まで飛行していたので、道の調査と物輸の下見かな???

※予約情報!

・そろそろ、予約を受けれなくなる日

 10月 5日 12日 19日 26日

・なぜか、ガラガラな日?

 10月14日(月)連休最終日、例年はツアーが2社位は入っていて混雑するのですが今年はツアーの予約が有りません。

 一般予約も6人(本日9時現在)です。 今のところ10月のどの日より予約が少なく?(神様が与えた安息日???)

※混雑日の飛び込み宿泊はご容赦下さい。

先にも説明しましたが、諸々の理由で混雑日に飛び込み宿泊さんに開放していた「食堂スペース」は使用しない方針にしましたことを御理解いただき「飛び込み宿泊」は控えていただきますよう重ねてお願いいたします。

充電は!

2019-09-06

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ビール用冷蔵庫の横に。

多いのが、スマホ・デジカメの充電場所についての質問です。

専用の充電装置は用意できませんが、コンセントを無料開放していますのでご利用ください。(スマホのコードは従業員のモノが少しは有りますが、当てにしないで下さい)

他にも、受付カウンター等にもあるコンセントも利用してもらっています。(こちらは、忙しい時間帯には勘弁ですが)

無料の代りと言ってはなんですが、混雑時は多くの皆様が利用できるような配慮をお願いいたします。また、機器の管理は御自分で!お願いします。

登山道情報!(あっちも、こっちも)

2019-09-04

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夜明けの雲。

○仙人池方面

仙人谷コース仙人温泉上部20分の雪渓は増々小さくなって来ています。

とても雪渓上に乗ろうか等と思えないとのことで、沢を上部に向い雪渓を迂回して回り込むルートで来てください。

ただし状態が毎日変わりますので、数日後にはまた変わっているであろうと・・・。直前の情報は、各小屋で仕入れて下さい。

※参考情報

剣沢雪渓の長次郎谷出合上部で、雪渓に穴が開いて来たとのことです。

現在は、穴を迂回しながらルートを取っているとのことですが、こちらも状態が変わって行くはずですので剣沢小屋にて情報を仕入れてから通行する様にして下さい。(こちらの守備範囲では有りませんので見に行けません)

○下の廊下方面

昨日は天候不順でヘリが飛べず、今日の昼ごろから「下の廊下」上半の復旧用資材の搬送が終了しました。

ただし、作業に来てくれていたメンバーが長野県の山岳救助隊員ですので「槍ヶ岳方面」で行方不明になっていた遭難者が発見されたのことで遺体の回収に向ってしまったので(何日掛るのか?)、下の廊下上半の作業のペースが若干遅れそうとのことですが、お伝えしている通り損傷個所が少ないとのことなので「天気さえ良ければ、それほど日数は掛からないのでは」とのことです。

天気次第なのですから、自分で勝手に見込みを立てて整備終了前に入り込まない様に願います。

10月13日・20日は、ご予約は勘弁して下さい。

2019-09-04

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室堂山荘前に咲いていた「トリカブト」立山は、草紅葉が始まっていました。

研修会で留守にしている間に・・・少し慌てています!

あれよあれよという間に、10月13日(日)20日(日)の両日は定員の倍のご予約に達してしまいましたので、ご予約をお断りしております。 

他には、10月19日(土)26日(土)も、そろそろ打ち切りが迫っています。

以前は飛び込みさん用に夕食後の食堂スペースを空けていたのですが、昨シーズンから以下の理由から止めました。

1.早朝出発のお客さんの、朝食弁当を食べるスペース確保。

2.遭難対応時には、無線中継・電話取り次ぎ等、寝るどころでは無くなる。

3.遭難者・到着の遅れた方等、消灯後に対応するスペース確保。(キャンプ場で体調を崩された方を収容する場所が無かった事があります)

等の理由から、食堂では基本的に寝てもらわない事といたしました。

前年の年末からご予約を頂いている方もいらっしゃるのに、客室に無理やり詰め込む事も出来ませんので、定員の倍の予約を頂いたところでお断りする事に成りますので、よろしくご理解のほどお願いいたします。

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