優しくありませんから!
2018-08-19
小屋には、いろんな電話が掛かって来ます。
「私に歩けるでしょうか?」
「一ヶ月後の天候は・・・?」
「バスの駐車場は、広いでしょうか?」
等々、耳を疑う質問も時にはあります。
最近、気になる問い合わせが相次いでありましたので。
○剱岳の北方稜線に行きたいのだけれど、仙人谷の雪渓の状態は?
○池の平山から小窓に行きたいけど、行けるだろうか?
バリエーションルートに行こうかという人間が、一般登山道の雪渓を心配したり、地図を見て池の平山から小窓にかけての嶮しさは一目で分かるはず、山小屋に問い合わせる内容ではないと考えます。
簡単に行けないから、一般登山道では無い訳です。少々の困難は覚悟の上で、困難を乗り越えるだけの体力・技術・装備・経験・心構え等を持ち合わせた人間が立ち入るエリアです。
どうしても行きたいならば、ガイドを雇うなり経験者に同行してもらうことを御奨めします。
電話してくる方は、そのエリアが事故の多い事を分かっているはずですし、私自身何度も救助に向かった経験が有ります。(学生時代にも池の平小屋でアルバイトをしていたので尚更に嶮しさは知っているつもりです)
そういった問い合わせがあると「そもそも自信がないから阿曽原に電話して来る?」と、とらえてしまいます。
傲慢に聞こえるかもしれませんが、そんな質問には優しい受け答えは出来ずにツイツイきつい答え方になってしまいます! 危なっかしい人が危険なエリアに行くのに、阿曽原から情報を仕入れたり泊まって行ってもらっては心が悪いのです。
※数年前10月中旬に「阿曽原から仙人池を越えて剱御前まで行きたいのだけど、道はどうでしょうか?」との問い合わせがありました。
「二股の橋は撤去されているし、剣沢は青氷の所も有るかも知れないし、そもそも人が居なくなったエリアへ、どうぞ行ってらっしゃいと山小屋の主人が言える訳がないだろう!!!」
って、叱った事がありました。 後からその問い合わせは、某TV企画の「一筆書き」で歩く本人からの問い合わせと分かりました・・・。 それだけの根性で入ってくるのなら、ウエルカムとなります!
この記事の URL : http://azohara.niikawa.com/news/2018/08/n20180819b.html