阿曽原温泉小屋

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今日の阿曽原。(夕食一回戦は今月初かも)

2019-08-09

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なんだ?こいつ???(他にもミヤマクワガタ等いろんな昆虫が玄関先にやって来ます)

今日は久々に夕食が1回戦で済みそうです。って、3年ぶりに来てくれた山口県からの男性一人だけの宿泊でテント場も空っぽです。(そもそも一人しか食べないのですから1回戦もなにも・・・)

今年は暑いせいか、テント場の利用者がかなり少ないです。草をテントで押えてもらえないので伸び放題で、近々草刈りしないといけないかと。

午後2時過ぎてから、池の平を出発したテント泊の韓国人5人グループがア○ヒビールのロング缶飲んでカップうどん食べて欅平に向って下山して行きました。(峡谷鉄道発行の韓国人向けのパンプを見せて、電車には間に合わないと説明したのですが・・・心配の尽きない阿曽原です)

お客さんは少ないのですが、富山県内から高岡市・砺波市・黒部市・魚津市等から最近ポツポツと来てくれています。何時もの年より多い様な気が。(通り抜けや、欅平からの日帰りピストンの強者も)

今年も、トンボは大群です。去年も書きましたが、7月下旬から「アキアカネ」の色づく前の奴が、午前8時頃に黒部川の谷底に陽射しが差し込むと活動が活発になって!羽根に光が反射して、なかなかキレイなのですが、9月に入ればどんどん下界に降りて行って姿が見えなくなるはずです。(今は大量の小虫を食べてくれているのでしょうか?)

変わったところで、雑誌「ワンダーフォーゲル」編集部と日本経済新聞社からの取材が(経済には無縁の小屋なのですが?)訪れてくれました。ちなみに、どちらも来年の記事に成るらしいです。

他には、今年2回目の登山靴のソール剥がれの補修が一件。(使用頻度が少ない靴でしたが、接着剤が劣化していて両方ともビス止めと結束バンドで)

モバイルバッテリー充電用のソーラーパネルを持参したけど、ケーブルが違っていたからとキャンプの女性。(夜の内に小屋の充電コードを貸してフル充電にしてあげて、元気に池の平に向って行かれました)

昨日は、前日遅く届かれたご夫婦が「40年前の12本爪アイゼンを持ってきたけど、重くて置いて行っても良いですか?」って、明らかにオーバースペックの道具を持参される方がおられたり・・・。(登山コースと、現在の自分の力量を考えて装備をチョイスしなければ)

転倒して脛を強打して小屋に届いた女性、酷い内出血でパンパンに晴れ上がって細身のズボンも抜けない状態で取りあえず保冷剤でアイシング対応。

女性のお客さんが足首を捻挫していたので、出発前にテーピングで固定してあげたり。(仲良し夫婦の奥様が「イャーン!ドキドキしちゃう」って、んな事言われてもキチンと固定しなければ!固定を喜んで仲良く欅平に向われました)

この季節の風物詩?大量の羽アリの襲来に、灯火管制してホースの水で駆除に走ったり。(部屋に侵入を許すと、布団が酸っぱい臭いで大変な事に)

厚生センター(旧保険所)の査察?対応やら・・・。

相変わらず通常業務以外にも、なんやかんやの阿曽原なのです。大仏は白馬線・唐松線に引き続き、宇奈月から「越中駒ヶ岳」までの登山道の草刈りを頑張ってくれていて小屋には来れません。でも明日から少しの間ですが、癒し魔王?「白馬の王子」がやって来てくれるので私も少しは余裕が出るかと。

いきなりの豪雨!

2019-08-07

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雨粒が多過ぎて上手に撮れていませんが。

降り始めて30分ほどで、普段は見えない阿曽原谷の滝から水が噴き出しました。(黒部ダムで時間雨量20㎜だったそうです)

雪渓の下のトンネルが、広く高くなっているのが分かるかと!

現在は15時30分で陽射しが出てきましたが、遠くで雷の音が・・・不安定です。

真砂沢からの方が届きました。あと二人!

「沈黙の山」放送決定!(福井県民の方限定)

2019-08-07

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今朝夜明け前のウロコ雲。

福井県民の方限定のお知らせです。

このページで何度も紹介して来た、チューリップテレビ制作の「沈黙の山」が初めて県外で放送される事が決まりました。

※8月14日(水)14時54分~16時10分  福井テレビ

お盆休みの昼の時間帯とのことです。

チューリップテレビはTBS系列で福井テレビはフジテレビ系列だそうですが、先月の「日本民間放送連盟賞中部・北陸地区審査会」でテレビ教養部門で1位を受賞した「沈黙の山」を見た福井テレビの方が感銘を受けて放送される運びとなったようです。(14作品中の1位となって中央審査に進んだそうです)

業界のプロが見て、系列局の枠を超えてでも「みんなに見てもらいたい」って評価されて実際に放送されるのは凄いことかも。知り合いに福井県内の知り合いがおられる方は視聴をお勧めしてみて下さい。

写真は、今朝7時前の「ウロコ雲」ですが、左側の太陽の昇る場所の雲が光っています。

一般的に天気が崩れる前兆と言われる雲ですが、昼まではいい天気でしたが13時40分頃から猛烈な雷雨となって来ました。

まだ届いていない方が3人いるのに・・・今日も到着を心配する阿曽原なのです。

山は楽しく!(こんな暑い時期は余裕を持って)

2019-08-06

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絵に描いた様な積乱雲が!昨日の夕方に酷い降り方が、遅く届いた方々は合羽を着る羽目に!

毎年のことですが、ここ数日連続で夕飯時にお客さんが揃わなくて・・・2回戦・3回戦と作って出しています。

山小屋としては遅めの、18時に夕食時間を設定しています。と言うか、その時間にでも届かない方・遅く届いても風呂を済ませてからと言う事で、18時に全員が揃われる日は夏場では4日に1日位の割合で、16時半過ぎに成らないと当日はどれだけの御飯を用意すればよいのか決まらないのです。(なるべく炊き立てを提供したいし、夜のうちに作る朝弁当は受付してみないと分からないので大変悩むところなのです)

「午後3時には小屋に入ってください」など阿曽原には有り得ません。シーズンを通して夏は暑いし秋の「下の廊下」は長いし・・・アクシデントも良くあるコースで、先日も食事を終わらせたのが21時過ぎになりましたが全然珍しいことではないのです。(シーズン中迎えに行く件数は両手の指で足りない位です)

体力・経験・今年の猛暑・午後の夕立等、考えての登山計画を立てて頂けたらと思います。ヘトヘトになって届いても楽しくはないし何より危ないでしょ?(早めの就寝をしておられる方にも迷惑になります)

山小屋は、大勢の方が利用する施設です。アクシデントで遅くなるのは仕方ないし、お互い様だしアクシデントのサポートも仕事の内と考えています。

しかし無理な計画での行動は別物です!途中で無理と思われたら計画を途中で変更するなりしてもらえると楽しい安全登山に成るし、真っ当に小屋を利用しておられる登山者の迷惑に繋がりますので慎重な行動をお願いいたします!(多くの小屋は、無理して行動してもらいたくないから予約金も頂かずキャンセル料も請求しない事にしているはず)

基本的に、私は遅く届いたからと言って叱る事は有りません。特に合理的な理由が有って遅れた人を、叱る事は絶対有りませんから心配無用ですから。

ただし自分の体力・経験の無さを棚に上げて、キツイ計画で来て登山道等のせいにするような人は翌朝陰に連れてって・・・って、Vシネマのチンピラ想像してませんか?ちゃんと理路整然と諭すことにしていますから。(バテている時に何を言っても効かないし、プライドを傷つけない為の配慮です)

先日「池の平小屋」からの予約の松戸の女性二人組が、体調が悪いからと歩いて1時間足らずの「仙人池ヒュッテ」に泊まって1日遅れで阿曽原に来られました。翌朝出発前に「休んだおかげで、御飯が美味しく食べられました」って笑顔で出発されました。大正解!前日強行日程で向かわれていたら、そんな事を言えなかったのではないかと???

大磯からのご夫婦は、早目に到着して夕飯前には玄関前のベンチ(角材)にニコニコしながら並んで腰掛けて楽しそうでした。翌朝「居心地の良い小屋でした」って、最高の褒め言葉を残してくださって出発されました。(こんな言葉に乗せられて頑張ってしまうのです)

この日は、朝6時に雷鳥沢を歩き出して3時過ぎには平気な顔で阿曽原に届いた佐久の男性もおられましたが、自分の実力を知っていればこその早駆けです。(大盛りのドンブリ御飯食べて、朝から風呂に行って!「また来ます」って嬉しいことを)

皆さんは、山を楽しむために歩きに来ておられるのではないのですか???

仙人谷の雪渓が!

2019-08-06

仙人池の水場から、仙人温泉上部20分の二又までの雪渓の状態が悪くなっています!

猛暑で状態が毎日変わっていて、今しばらくは歩く場所を見定めなければならなくなっています。

「よく観察して想像して」

自信が持てない方は、無理せず仙人池に戻って頂くコース変更も検討して下さい!

やはり「登山道の基本は尾根」って痛感しております。

スピード命で帰ります!(観察して想像しましょ)

2019-08-05

写真

前ページの近景。ブリッジの中央部が崩落して両岸に橋脚部分の残雪が残ります。

続きが続くの続き?

(現場の写真が無かったので取りあえず折尾谷の残雪を載せましたが、高さも残雪量も勾配も比べ物にならない別物ですが、中央部分が無くなった状態は、前々ページの遠景と比べてもらえるかと)

暫く様子を見て、落ち着いた様なので再度埋めているブロックに向いますが、崩れたばかりのブロックが動き出さないか?慎重に近づきます。(重い氷に挟まれて、へし折れた遭難者の膝が・・・)

上部でズルッとブロックが動き、ビクッと立ち止まらせられますがアプローチ。

幸い遭難者の周りのブロックの状態は変わっておらず、ドラム缶ブロックの氷切りを再開して押して動かせる大きさになったところで滑るブロックを足場に全身の力を込めて二人で押し退けます。

その後は、屑ブロックを除けて遭難者を引っ張り出して(膝に気を付けながら!)谷の下方の安定した場所まで搬送(膝に気を付けながら!)無線で連携済みの初代県警ヘリ「つるぎ」に引き継いで一件落着なのでした。

走って現場に向かい~ほじくって~引っ張り出して~引き継ぎ!単純な救助だったのですが、「緊張感」だけで言えば五指に入る現場でした。

例年ならば、現場の雪渓は8月末には崩壊しながら無くなってしまうのです。しかしあの年は豪雪で秋まで残ってしまい、更にはその量の多さから雪渓の高さが高いまま残ってしまったので当然崩壊したブロックの量も多くなってしまいました。

当日は、雪渓中央がゆがんで広く窪んで、そこに真っ暗な穴が見えていたそうで、他の人達は異常を感じて雪渓を下って沢の中に降りて迂回して、対岸の雪渓に登り返して夏道に取付いていたそうです。

遭難された方は、周りの人が「危ないですよ!」って声を掛けていたのに、雪渓上に残る登山者の踏み跡通りにトラバースして崩壊に巻き込まれたのでした。

地形・残雪量・季節・気温・トンネルの大きさ・崩壊方向等々、簡単にに雪渓を論じる事は出来ませんが崩壊する時には、ほとんど新しいクラック・窪み・穴等の前兆が視られる筈です。(雪渓が安定していれば、これほど歩き易い場所は無いのですが) 

変化を危険と察知する事は、それほど難しいことではないのですが・・・「うん?」と思ったら、観察して想像して下さい!そして迂回する等の臨機応変の対応をしてください。(問題です!なんでクレバスが出来るのでしょうか?)

踏み跡が有るからって盲信して進まずに、周りの状況・他の人の声を聴いていてもらえれば事故には遭わずに済んだのですが・・・。

当日は、小屋の宿泊が60人位の忙しい日だったので「スピード命」小屋まで駆け下りると、現場を通り掛かって救助活動を見ていた登山者から次々と労って頂いて(手を合わせて拝まれても・・・私は大仏では無いんですけど)ちょっと照れながら旨い酒を頂けた夜に成ったのを覚えています。

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