阿曽原温泉小屋

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スピード命だけど・・・!

2019-08-04

写真

折尾谷の崩壊前のスノーブリッジの遠景(最上部を横断中に崩れたと想像してみて)

続き!

埋まっている場所の真上のスノーブリッジは崩落した後なので真上はクリアなのですが、少し上流側から先は谷を埋め尽くしたスノーブリッジが続いて中央下部に空いたトンネルからは白い冷気が重い静寂の中をユラユラと流れ出て来ています。

遭難者を引っ張り出そうとしますが、ブロックに身体を押し潰されている状態!

上に乗ったドラム缶クラスのブロックは、ピッケルを打ち込もうが全身を使って押せどもビクともしません。

この時期の雪渓は硬いだろうと、小屋から持参して来た雑木切断用の目の粗いノコギリでブロックを切断したり、切れ込みを作ってピッケルを打ち込んで叩き割ったりしながら、痛そうな下腿に干渉しない様に徐々に小さくしてゆきました。

突然「バフッ」我々の上方の雪渓にクラックの入った音がしました。二人で目と目を合わせたと同時に「ヒェー」下方の残雪のしっかりした脇の部分にそれぞれ飛び逃げます。

その直後に「バッホーン」大きな崩壊音と共に雪渓が崩落して、その煽りで氷粒・水を伴った爆風?に吹かれて二人とも髪の毛は逆立って全身クールダウン???なーんて・・・そんな余裕など無くて、砕けたブロックがずり下がって来て作業していた場所の直前で止まってくれて、実は肝を潰していたのでした。

その後もしばらくクラックの入る音が次々と・・・「スピード命」ですが落ち着くまでは気持ち悪くて近づけません。

続きが続く!

スピード命です!

2019-08-02

写真

雪渓崩壊時の、救助活動が書いてあります。

平成8年の10月初旬、仙人温泉から旧道を進んだ第二雪渓で登山者一名が横断中に崩壊に巻き込まれた事案が有りました。

あの年の冬は豪雪で残雪量も多く、「下の廊下」の白竜峡から先は10月末まで残雪で埋まったまま開通しない年でした。

丁度小屋に居合わせた警備隊OBの稲葉ガイドと二人、雪に埋まったままならば早く助けなければ「凍えてしまう」と一気に阿曽原から現場に駆け上りました。

現場は幅広く高く残っていた雪渓が、両岸の橋脚部分を高く残して中央部分は谷底まで約7m位崩落しており、遭難者はぐったりしているものの呼吸はしている様ですが、身体の半分以上が折り重なったスノーブロックに埋まって身動き出来ないままです。

当たり前の事ですけど、そんな危険な場所には誰も近づけず手つかずな状態???

間近で見る崩壊直後の迫力と破断面の綺麗な氷に、一瞬見とれてしましたが直ぐに冷静さを取り戻してアプローチ方法・次の崩壊は大丈夫か等々方針を検討、決まってしまえば現場を重ねた仲、テキパキと侵入準備にかかります。

雪渓は本流出合い側の下流から順番に崩壊して来ており、少し下った橋脚部分の低い場所から谷に降りてスノーブロック(ほぼアイスブロック)の上に登ります。

10月まで残った雪渓の崩壊屑は、大きなものは畳二枚位の広さで厚さは1m余りも有って氷塊となって積み重なり、崩れたばかりなので安定しておらず自然とズリ下がるのを避けたり蹴り押したりしながら滑るアイスブロック上を慎重に進みます。(大きく硬い氷の重さを想像して下さい・・・挟まれると痛いで済まないかも)

遭難者の近くに着くと雪の硬さが幸いしてか、ドラム缶位のブロックとブロックの隙間に挟まる様に埋まっていて息も絶え絶えと言うか息は弱く・・・「エッ・エ~ッ?」二度見してしまいました。ドラム缶ブロックの隙間から見える下腿部は、片足の膝から先が外側に不自然な角度で折れ曲がっていて、絶対痛いはずなのですが・・・返事も虚ろな遭難者なのでした。 

これってヤバイんじゃね???発生から二時間ほど経っており低体温症も心配。もたもたしていられませんアクセル全開ブッ飛ばします!

続く!

ファスナーのトラブルに。

2019-08-02

写真

シリコーンスプレー!結構使えます。

先日、登山靴のソールの剥がれに結束バンドをの話を書きました。

トラブルとして時々あるのが、スパッツのファスナーやストックのジョイント部の固着トラブルです。

小屋にはシリコーンスプレーを用意してありますので、トラブルの際には遠慮なく申し出て下さい。(ほとんどの場合解消できますし、オイル系と違いベタ付きにくいです)

安いモノですし自宅に用意されておいて、入山前のギアをチェツクの際に使ったり他にも使い道がイロイロあるはずです。(愛車ハイエースバンのシートベルトのすべりの悪さの解消に使ったり)

薄紫色に???

2019-08-01

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空気全体が染められた様でした。(小屋の対岸)

昨日の夕方は、夕立こそ降りませんでしたが「重たい空気」みたいな・・・山にはガスが掛って視界も悪かったのです。ちなみに、仙人池は、その時間帯はガスの中だったそうです。

夕食時に、窓の白色のアクリル板が段々赤色に???窓を開けてみたら、空気全体が薄紫色みたいな感じに、河原の石や水はオレンジ色がかっていて。 (スマホの写真でうまく取れていませんが)

ここまで不思議な空間は、28年間で初めてだったかも!

※お願い!

 当小屋は、午後九時消灯になっております。連日消灯前後に電話が掛かって来ており、宿泊のお客様の迷惑になっているのではないかと・・・。

何処の山小屋も同じですが、早出のお客様がおられます。(昨夜も、三人だけの宿泊でしたが仙人池に向われる方は早めに寝ておられました。ちなみに二人は超リピーター、一人は名古屋のイベントに来てくれた人でした) 

特にオンボロな阿曽原小屋では電話の音が鳴り響きますので、問い合わせ・ご予約の電話は午後八時ぐらいまでには済ませる様にお願いいたします。(緊急時の連絡用に、夜間に切って置く事も出来ませんので)

大音響が!(登山道情報も)

2019-07-31

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阿曽原谷の雪渓がドンドン崩壊しています。

先ほど、「バフッ」って阿曽原谷から大きながして。みると、雪渓の上辺に大きなクラックが入っていて見る間に「ボフーン―」と大音響と共にクラックから先が崩落してゆきました。

前に何枚か載せてある写真と比べてもらえたら、どれだけ雪渓が縮んだか分かるかと。(滝下の岩盤の流れが随分見える様に)

写真がボケて見えるのは、猛暑で薄い霞がかかったようになっているからです。(もしかしたら夕立が来るかも)

元々少ない残雪だし、連日の猛暑で崩壊ペースも上がるのではないかと思われます。

今日から、大仏達は唐松岳~祖母谷温泉間の登山道の草刈りに向いました。普通の人が見れば正気の沙汰ではない重労働です、それこそ猛暑で彼らが崩壊しないか???

登山道情報!

水平道  阿曽原から上り切った地点(先日テント泊の男性にロープフイックスしてもらった場所)の梯子・その先の壊れていた橋は修理・新設されました。 草刈についても、昨日全線終了しております。未整備の場所は若干残りますが、問題なく歩ける様になりました。

折尾谷の沢の下をくぐる砂防堰堤状のトンネル内に、水が少し溜まっているとのことですが(上手に歩けば靴の中には水は入りません)業者さんに水抜きをお願いしておいたので近々解消されるかと。

仙人谷  仙人池ヒュッテの水場から雪渓が続きます。ポイント毎にピンクテープで目印を付けてありますが、夏道から雪渓に移る場所は薄くなっている雪渓があるかも?注意をしてください。(不安に思えば少し回り込むなど)

仙人温泉直下の渡渉ポイントは、ロープが張られたそうですが、雨も降らず水量も少ないので問題なく飛び石で渡れるそうです。

今シーズン初トラブル!

2019-07-31

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結束バンドは、ホームセンターで買えますから。

昨日は、三連泊目(最近毎年来られるようになって、今年は五連泊予定)のテントと宿泊予約の四人の予定でノンビリしていたら、雷鳥沢発の単独のテント泊が到着。

ロングランを頑張って来たのは良いけど、見ると軽登山靴のソールが両方共先端部分が何とか着くだけで全体ベロベロ状態を紐で縛って騙し騙し降りて来たようです。

小屋のサンダルを貸して上げねば、風呂にも行けそうにありません。

今朝出発する時に、靴底のかかとの部分は木工用のビスをインパクトドライバーを使って固定して、甲の部分は写真の結束バンドでソールごと締めて固定して帰ってもらいました。

去年も、ビス止めして補修した話を載せましたが(昨年の補修記事)、入山前の靴の点検をお忘れなく!昔は、細い針金を持ち歩いたりしていましたが、締めすぎると痛いし・・・、結束バンドは手軽に買えるし軽いので、グループで行動する時には少し用意しておかれれば役に立つかもしれません。

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