阿曽原温泉小屋

スピード命です!

2019-08-02

写真

雪渓崩壊時の、救助活動が書いてあります。

平成8年の10月初旬、仙人温泉から旧道を進んだ第二雪渓で登山者一名が横断中に崩壊に巻き込まれた事案が有りました。

あの年の冬は豪雪で残雪量も多く、「下の廊下」の白竜峡から先は10月末まで残雪で埋まったまま開通しない年でした。

丁度小屋に居合わせた警備隊OBの稲葉ガイドと二人、雪に埋まったままならば早く助けなければ「凍えてしまう」と一気に阿曽原から現場に駆け上りました。

現場は幅広く高く残っていた雪渓が、両岸の橋脚部分を高く残して中央部分は谷底まで約7m位崩落しており、遭難者はぐったりしているものの呼吸はしている様ですが、身体の半分以上が折り重なったスノーブロックに埋まって身動き出来ないままです。

当たり前の事ですけど、そんな危険な場所には誰も近づけず手つかずな状態???

間近で見る崩壊直後の迫力と破断面の綺麗な氷に、一瞬見とれてしましたが直ぐに冷静さを取り戻してアプローチ方法・次の崩壊は大丈夫か等々方針を検討、決まってしまえば現場を重ねた仲、テキパキと侵入準備にかかります。

雪渓は本流出合い側の下流から順番に崩壊して来ており、少し下った橋脚部分の低い場所から谷に降りてスノーブロック(ほぼアイスブロック)の上に登ります。

10月まで残った雪渓の崩壊屑は、大きなものは畳二枚位の広さで厚さは1m余りも有って氷塊となって積み重なり、崩れたばかりなので安定しておらず自然とズリ下がるのを避けたり蹴り押したりしながら滑るアイスブロック上を慎重に進みます。(大きく硬い氷の重さを想像して下さい・・・挟まれると痛いで済まないかも)

遭難者の近くに着くと雪の硬さが幸いしてか、ドラム缶位のブロックとブロックの隙間に挟まる様に埋まっていて息も絶え絶えと言うか息は弱く・・・「エッ・エ~ッ?」二度見してしまいました。ドラム缶ブロックの隙間から見える下腿部は、片足の膝から先が外側に不自然な角度で折れ曲がっていて、絶対痛いはずなのですが・・・返事も虚ろな遭難者なのでした。 

これってヤバイんじゃね???発生から二時間ほど経っており低体温症も心配。もたもたしていられませんアクセル全開ブッ飛ばします!

続く!

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