阿曽原温泉小屋

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たったの百年! 黒部の開発は苦難の連続でした

2025-03-12

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暴れる山に人間は無力なのです

黒部川の災害については 「黒部川の洪水災害を振り返る」 にまとめられているので興味のある方はリンクを覗いてみてください。

(トロッコ列車の線路が被災している映像もあります)

昭和44年8月の災害時は私は小学生だったのですが、水が引いた後の黒部川に行くと河原一面が汚泥・流木・濁流で一面茶色に変わっていて、上流にあった旧愛本橋は流されたと聞かされて驚いた覚えがあります。(リンクの地図の現愛本橋の直ぐ上流に旧愛本橋がありました)

我々は仲間を募って、トロッコ列車沿線の欅平・鐘釣等で河川敷に錆ついて埋まっている鉄類(鉄道レール・鉄筋・ガードレール等)の 回収事業 を行って来ました。

ほぼほぼ洪水で流失被害に遭ったものばかりで、欅平「奥鐘橋」直下の河原でグニャグニャに曲がって埋まっていた鉄道レールは昭和20年代製のものだったり・・、黒部の開発は「災害との戦い」だった証拠ですが、観光に来た方々が目にすればガッカリするだけだろうから「後始末しなければ」と始めた事業です。

(洪水後すぐに回収すれば?って思うかもしれませんが、土砂・川の流れに埋まってしまい、後になって河床の流れが変わって目に付く様になってくるのですが、そもそも昔は環境保全意識が低くかった?回収するにも、費用はどこからも出ないし危険で汚いし「ゴミは川に流されるもの!」って意識があった様な???)

※実は・・・

これまで何度か放映されてきました

 『黒部百年物語』

BSテレビ東京 3月26日 19時~21時枠で、三度目の再放送が決まったと昨夜連絡が入りましたので興味のある方は見てやって頂けたらと・・・。

実は先月末の上京は、遅ればせながらの番組スタッフ連との打ち上げ的な・・・別件で、お世話になった方への御挨拶がてら、黒部でいい仕事してくれたスタッフと呑んで~Bディランの映画見て~靖国お参りして~将門塚巡りして来たのでした。

どちらも大切な用事ですが?偶然同じ時期に・・「縁」が味方してくれてる、って呑む言い訳にしか聞こえないか?

たったの百年! 今日は・・・もう十四年

2025-03-11

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一昨日の白馬方面・・稜線の手前は勾配が緩いのですが、稜線の向こうは急傾斜!

人間が電源開発で、本格的に黒部峡谷に入り出して、まだたったの百年余!

人間の祖先が地球上に生まれて200万年前(諸説あり)、日本列島が大陸から分離したのはズ~ッと以前の数千万年前には日本海となる溝が出来ていたとのこと。

ちなみに宇奈月温泉下流部の山中で、「ジルコン」と呼ばれる約38億年前に出来た日本最古の鉱石が発見されています。

原始の黒部川の本流は、黒部ダム上流の現在の「東沢谷」だったのではと地質学者の原山智先生から直接教えていただきました。(源流部の雲の平・上の廊下は火山活動で後から出来たとのこと)

また黒部川を境にした両岸「立山連峰」と「後立山連峰」は隆起し続けていると「ブラタモリ」でやってましたが「黒部が生きている証拠」です。

写真は自宅から見た白馬方面ですが 白馬頂上 に大きな「石製標柱」(方位版)が設置してあるのは登った方ならば御存知かと思いますが・・・設置場所の稜線沿いに地割れが発生し始めてしまい、場所を変える等の対策しないと倒壊の危険が出てきたとのことです。

黒部の両岸が隆起している証拠では? 人間の物差しとは比べ物にならない長い長いスパンで、隆起して~崩壊して~浸食されながら・・・現在の黒部が出来上がって来ているのですが、人間が関わり出してたったの百年しか・・・。

※もう十四年!

東日本大震災当日は、午後から立山町民会館で登山道整備の会合が予定されていて芦峅寺でランチしながら、十一日前に発生した山岳警備隊員の訓練中の事故で殉職した隊員を偲びながら辛く悲しい時間を仲間達と過ごして、会議後の帰り路のラジオで大きな被害が出ていることを知り重い気持ちで帰ったのを覚えています。

こちらは、もう十四年!  被災した方々の傷は、まだまだいえるとは思いませんがお見舞い申し上げます。

殉職した後輩も、思い悩んでも還るわけでもないのですが・・・良い奴でした!

目の前のモノが当たり前ってことは・・・たったの百年!

2025-03-10

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冬の奥鐘橋から下流・・・ここから写真を撮られた方も多いのでは?

土曜日に聴きに行った県民会館での「黒部川電源開発の歴史」の講演会の後の質問コーナーで、トロッコ列車の復旧時期を質問されている方がおられました。

「地元の皆さんは心配して下さっているのだなぁ~」

というか「地元の誇り」として思っておられる方々なのだと強く感じて来た次第です。

少しだけ知っている?雑学を・・・

黒部川の上流部については「カモシカ狩り」「イワナ漁」「黒檜盗伐」等で信州側からの入山者があったり、戦国末期に富山城主佐々成正のサラサラ越えの記録もあります。

一番険しい中流部についても、鐘釣温泉へ魚津市から片貝川を遡ってウドの頭のコルから「ウド谷」を下って湯治に通っていたとの話もあります。(明治になって行政区分を決める際に、魚津と宇奈月が揉めたとの話が)

コル北側にに「サンナビキ山」と有りますが、「サンナビキ」??地元の方言でも聞いたことが無いのですが「鐘釣に向かう人々が、三回目に休む場所だから」と山の大先輩から聞いたことがあります。(黒部流域については「タテガビン」「ビンガ」等??意味不明のモノが)

黒部奥山は江戸時代には加賀藩直轄地として、奥山廻り役という役人と案内係のみが入る以外は立ち入りが厳しく禁止されていた場所でした。

奥山廻り役にしても激流と渓谷の険しさから黒部川沿いに行き来することは出来ず、支流の枝沢から尾根を越え枝沢を下り尾根を乗り越えながらの行程だったようです。

それでも明治になってから、水力発電の適地として脚光を浴びて調査~開発されて来たのです。

続く・・・

もう三月・・・

2025-03-09

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扇沢駅前から「爺ヶ岳」方面 今年は写真の切れた辺りの斜面が雪崩れてました

先程所用で宇奈月まで行って来ましたが・・・三月上旬なのに宇奈月スキー場が真っ白で「残雪が非常に多い!」って見て来ました。

今冬は大雪だったし二月末から寒かったのもあるのでしょうが、トロッコ列車の復旧作業に影響が出なければよいのですが・・・これからの気温にもよるのですが、毎年4月初旬に行う「黒薙温泉」の浮石除去作業も若干遅れるのではないかと???

雪が多かったからといっても「雪質」「気温」「風向」「雪崩発生のキッカケ」等の条件によって、雪崩がどの程度出ているかは別問題なのですが???

どれだけ黒部峡谷が雪で埋まっているのか??実際奥山に入ってみない事には今のところ何とも言えません。

写真は先日の欅平「奥鐘橋」除雪作業の帰りに「爺ヶ岳」方面の写真ですが、手前左側から降りて来ている尾根斜面から二月上旬に雪崩が発生して、扇沢から大町側斜面に雪崩が走ってスノーシェッドから溢れたデブリが道路を埋めてしまい・・・斜面安定後の道路除雪に一週間弱掛かって、その間は通行止めになっていた様です。

我々が扇沢に入る頃には、除雪された雪壁の掘削面には雪崩で折られた太い樹木が何本も埋まっていました。

樹木が太くなるまでの数十年以上は、その斜面に強い雪崩が出ていなかったことになります。

以前「柏原新道」上部から大規模な雪崩が発生して今回の雪崩れた斜面の大町側に巨大なデブリを見たことがありますが、今回その場所では大きな雪崩れは出ておらず???

扇沢は偏西風が立山連峰~黒部峡谷~後立山連峰を越える都度雪を置いてくるのですが、雪質も積もり方も違うし当然地形も別物なのですが、写真の稜線には雪が薄くしか付いていないけど手前斜面にはそれなりの積雪があるから雪崩が発生したのですが・・・

黒部は「奥が深い?・・雪が深い?」です。

何時までワヤワヤ???

2025-03-09

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盛況でしたし勉強になりました。興味のある方は見て来らては!

昨日、富山県民会館美術館で開催されてる

『県民会館開館60周年記念事業 黒部峡谷の魅力 名画とともに~セレネ美術館収蔵品より~』

を覗いて来ました。

〇セレネ美術館収蔵作品  50点(なんと拝観無料!)

・平山郁夫 ・塩出英雄 ・福井爽人 ・田渕俊夫 ・手塚雄二 ・宮廻正明 ・戸出喜信

〇黒部市歴史民俗資料館収蔵資料  13点

等が展示されていましたが、初めて目にする絵画・資料等興味深く見て来ました。

もちろん「黒部心象 鉄塔」(阿曽原の鉄塔)も展示されていましたが、光の当たり具合?会場の広さ?多くのギャラリーの感嘆する空気感??セレネで見る時とは違った新鮮さで見て来れました。

14時から八尾隆夫氏(日本黒部学会 副会長)を講師に「黒部川電源開発の歴史」講演会を拝聴してきましたが大変勉強になりました。

ちなみに八尾さんは自宅が近所で、地区の行事(神社の清掃等)やらで何かとお世話になっております。

会場では、顔見知りの方々と挨拶を交わしながらいたのですが・・・驚いたのが二十歳そこそこのワヤワヤ?だった警察官時代の同僚に声を掛けられて!

あの頃は仕事だけでなく、朝間野球・ナイターソフトボール・逮捕術や柔剣道訓練等々山岳以外でも若い署員はなんだかんだと身体動かして・・・・終われば、みんなで上市川の土手横の「大ムカデ」が出る古い官舎で、安酒をワヤワヤに飲んでました。 

彼はやがて出世して黒部警察署長で赴任していたこともあったのですが、既に定年を迎えて「最近山に登り始めている」とのことでした。

久し振りに会った彼は、どう見ても「オッサン」(見様によっては?私より品は良さげでしたが・・)にしか見えなかったのだけれども???

ってことは「自分もそうなんだろうなぁ~~」なんてことを思いつつ「あの頃はワヤワヤだったけど、楽しくて元気だったよなぁ~」懐かしさに浸りながら帰って来たのでした。

お知らせ

2025-03-07

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バーチャルツアーのチラシ

バーチャルツアー!  絶景 黒部峡谷 下の廊下

(VR映像体験 第2弾!)

開催のお知らせです。   日時 2025/3月15日~7月13日  開館時間9:00~18:00

会場 うなづき友学館

    〒938-0861 黒部市宇奈月町下立682  ℡0765-65-1010

黒部市生涯学習課からの依頼で、先日バーチャル映像の確認をして来ました。

初めてVRゴーグルを装着したのですが、回転椅子に座って周りを見回すと・・・テレビ映像とは違った意味でなかなかの大迫力でした。

今年も下の廊下が歩けるか???な状態ですし、「そもそも自分の足で歩く自信が無いけど行ってみたい」って方にはうってつけ?14分間にまとめられていて、お気楽体験できるかと?

※もう一つ

3月23日14時より 黒部市芸術創造センター セレネ

  立川志の輔 独演会

が開催されます。

一時期「チケットが取れない!」志の輔師匠の独演会ですが、宇奈月に来てくれるそうです。

30年以上前になりますが阿曽原小屋を引き継いだ年に、富山のローカル局チューリップTVの志の輔師匠との対談番組に呼ばれてお話ししたことがありますが、その時「頭の回転がメチャ速い人!」って強烈な印象を受けた覚えがあります。

※更にもう一つ

2025年3月1日(土) 〜2025年3月30日(日)  富山県民会館美術館

  県民会館開館60周年記念事業 黒部峡谷の魅力 名画とともに~セレネ美術館収蔵品より~

が開催中です。

近々行ってこようかと・・・

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