阿曽原温泉小屋

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暑いので涼しい話しを!

2019-07-26

写真

シュルンドの中は、雪が融けて大粒のシャワー状態です。(これは折尾谷、広く薄くとても入れません)

一般登山道を歩いていれば、シュルンド(岩盤と雪渓との隙間)に近づく事も見る事も無いはずですが、岩盤の流水が雪渓の裏側に消えていれば容易にそこには雪渓に穴が開いていると気付くはずですが、雨の時だけ出来る流れの場所にも発達していたり、岩盤が日射で温められて隙間が空く事も有ります。 一旦穴が開いてしまうと、風が通って見る見る穴が発達して行くことが有ります。水量・気温・斜面の向き等で様々な出来方をします。写真の様に大きく薄くなっていたり、狭く急な斜抗みたいなものも出来ます。

剣沢勤務の夏のある日、源次郎尾根二峰側壁を登攀中のクライマーが転落したとの通報が入りました。

現場に駆けつけると、平蔵谷の枝沢のシュルンドに転落したままで誰も入って行けもせず生死の確認も取れていないとのこと。(かなりの高度を、身体を岩盤にバウンドさせがら吸い込まれていったとのことでした)

覗き込むと切り立った岩壁と雪渓の間はほぼ垂直で、暗いシュルンドの奥は傾斜が緩くなっているのがヘッドライトの明りでなんとか分かるのですが遭難者の姿は見えません。

正直私も気は進まなかったのですが、一番若い隊員だったので・・・。スノバーで支点を作って10m余り懸垂下降して底(岩壁の緩斜面)降り立つと高さ3m位の空洞となっており、少し先に横たわる血にまみれて心肺停止した遭難者を見付けました。

急傾斜で岩屑の蟻地獄状態で足場が悪く、自分がずり下がって行かない様にザイルで確保しながら手早く遺体収納袋に梱包して、雪渓上の隊員と近くに居た大学山岳部パーティの力を借りて回収したのでした。

シュルンドの底は冷気が漂って寒く、間接的に差し込む薄暗い光と雪渓が融け落ちる滴の音がやたら響くし空気の動きも滞っていて・・・あまりの雪渓の厚さに崩落して埋まるとは考えませんでしたが、そのまま地の底まで引きずり込まれそうな不気味な空間で、思い返せば「インディジョーンズ」的な・・・???

少しは涼しくなっていただけたでしょうか??? 良い子は、シュルンドに落ちても・近付いてもいけませんからね!

※本日、シーズン初のキャンプ場利用の方が見えられました♪♪♪草刈り、しっかりやっておいてよかった~っ!

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