阿曽原温泉小屋

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案の定・・・昨夜は撃沈!

2019-02-09

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「又六」 飛騨から山小屋仲間が遊びに来ました。 飛騨の酒にしては甘くなくてナイス!

さすがは「三笑楽」!昨夜は、その口当たりの良さにペースが上がり・・・。

二日酔いのダメージは、世界遺産級の重みでした???

さて、前ページで「分散化」について検討してはと書きました。

アルペンルート利用者数は、富山側からと信州側からの合計人数を合算してのもので、昨年は 980,809人 前年比106% だったそうです。

ただ、増加したのは信州側からの入り込みが112%となっており、富山側からは99%とのことでした。(何れも、対前年比)

それぞれの入山口からの通り抜け客は何れも若干増加していますが、折り返し客は立山側は減少して、信州側からは増加しています。

特に、信州側から黒部ダムまでの折り返し客の伸びが一番大きかったのは、黒部ダム~扇沢間のトロリーバスが昨シーズン限りで電気バスに更新される事が決まっていた関係で、最後の年となる事が影響したようです。(ブラタモリかも???)

前のページで、ゴールデンウイークの混雑のことを書きました。ハイシーズンは、観光客だけではなく登山者も立山室堂から各方面に登山する計画でみえられます。

ハイシーズンは、室堂到着が遅れてしまい予定通りに出発が出来なくなってしまい、結局山小屋に到着するのが真っ暗になってから、ということがチョクチョクあって心配だし危険だと会合で話題になっていました。(阿曽原も同じです)

アルペンルートについては、現在の輸送能力でさえもハイシーズンは大きな問題を抱えていることも配慮して、総合的な計画を立てなければ「満足度」などは期待できないのでは?また、キャパを超えた受け入れは、現場が混乱するばかりなのは明らかです。(ハイブリッドバス・クリーンディーゼルバスといえども、繁忙期に集中して運行しても良いのかな・・・?オーバーヒートしているバスを見たこともあるけど)

「雪の大谷ウオーク」が終わった6月・夏休みが終わった9月上旬等、閑散期に魅力ある仕掛けを提案すれば、ハイシーズンの集中も少しは緩和されるのではないかと???

来訪者の分散化!真剣に考えてみなければならないのではないかと思います。

そもそも・・・!

2019-02-07

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「三笑楽」 世界遺産「五箇山」の、どぶろく! 友から貰ったのですが・・・今夜の飲み会は危険な予感が・・・。

新ロープウエイ構想についての意見は、当ページ12月3日分にザックリ書いておきました。

更に言わせてもらうと、現在の立山ケーブルは老朽化について問題があるのは間違いありません。

また黒部峡谷鉄道沿線の、山腹調査を行っている経験から見て、溶岩台地の縁に作られているケーブルカーは大丈夫なのだろうか?材木石が沿線にあるという事は、不安定な斜面であると常々思っています。

(実際、山側の斜面は鉄製のネットがズーッと張り込まれて落石を防いでいますが、ずっと上部の斜面まで対策してあるのだろうか?対策したとしてもメンテ等維持管理は大丈夫?)

なので、新たな輸送手段が早急に必要なのには異論はありません。

しかし、もう一つの「輸送能力」の増加のため!については???

今一度、アルペンルート全体をデザインしてみる事が必要ではないかと!(現場を知る人間を交えて!)

確かに、混雑時は立山駅で上山ケーブルカー・室堂駅から下山バス・美女平駅での乗り換え待ち等、それぞれ数時間待ちとなっているのは事実です。

せっかく高い運賃を出して来て頂いているお客さんにしてみれば、大変な「イメージダウン」となっているはずです。

私はゴールデンウイークに、室堂ターミナルで「入山指導員」として詰めています。

多分三年前、日本人観光客で混雑するゴールデンウイークなのに外国人観光客も大挙して押し寄せて来て・・・。

その日は、天候も荒れていて外に出る事も出来ず、勿論「雪の大谷ウォーク」は中止・・・。高原バスはフル運行ですが、混雑解消には「焼け石に水」マジでターミナル内で身動きが取れなくなって。

追い打ちをかけるように、昼前にはターミナル一階の水洗トイレが・・・使い方に馴れていない海外の方が詰まらせたとのことで、外は氷点下の冷え込みでバスが到着する度に寒気が流れ込んで来てトイレを求める人でターミナル内は大混乱。

午後からは美女平方面へのバス待ちの行列がドンドン伸びて、信じられないかもしれませんが夕方にはターミナル内から屋上までの階段に順番待ちが続いて・・・。(いつぞやのシルバーウイークは「みくりが池」方面の遊歩道に、もっと伸びたことが有るとのことです)

挙句に、午後四時半に室堂に到着したツアーの添乗員の説明を聞いて呆れました、「夜七時までバスが無いので、各自それまでには此処に帰って来てください」って、天気が悪くて何処にも行けず・・・バスに乗る頃には真っ暗で景色も見えず・・・。

と、大変な修羅場を見て来た経験が有ります。(推進委員会で、こんな現実が有るって話題に出た事あるのでしょうか?)

立山ケーブル区間の輸送能力を上げても「そもそも室堂に、そんなに人を一度に上げて良いの?」素朴な疑問が・・・。

天気が良ければ外で時間を潰す事も出来ますが、悪天候時の対応・日本の祝祭日・文化の違う観光客のオーバーユースによる諸問題・分散化する努力(上手く運用出来れば、総人員も自ずと)・現場の処理能力等々、ビジターの「満足度」をジックリ考えてみる事が重要なのではないかと考えます。

立山黒部アルペンルートの新ロープウェイ構想について!

2019-02-07

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雷鳥沢キャンプ場から劔御前への登り!(以前、この登りで吹雪かれて・・・)

昨日、称名滝~大観台まで計画されている新ロープウェイ構想について、推進派と慎重派の双方から要望書が県に提出されました。

以下、リンクのニュース映像等を見てください。

チューリップテレビN6

KNBニュースevery

BBTプライムニュース

NHK富山ニュースウエブ

北日本新聞Webun(実際の紙面には慎重派の事も書いてありました)

ざっと見比べてもらえれば・・・。(にしても、同じ日に提出とは偶然???)

今まで出された各慎重派の意見書等は、それぞれ良心に従い勇気を出して声を上げています。 

県の観光振興も正義かも知れませんが、慎重意見も正義なのです!ワザワザこんな面倒くさいことしてまで、県庁とイザコザを起こしたい者はいません。どうか、実情を知っていただいて考えて頂けれたらと・・・。

NPO法人富山県自然保護協会 菊川茂理事長が、昨日のインタビューでおっしゃっておられますが

「(現状を知るため)現地を歩いて足でかせいでほしい」

この一言に尽きます!

環境面・安全面に配慮すると言われても、現場の実情を知っている人間に意見を聞いてから計画を立てて摺り合わせする事なしに強引に進めるやり方は???

※当HP12月3日のページに、ザックリと私の意見が書いてありますので参考になれば。

「春一番」一夜にして!

2019-02-06

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バックの雲が邪魔で分かり辛くて申し訳ありません。(見ようによってはモノクロ?)

先日、新雪が積もった「白馬岳~朝日岳」にかけての写真と比べて頂ければよく判るとおもいます。 (1月30日のページの写真と比べてください)

奥の稜線と手前の低い山並みも、黒くなっています。 「春一番」の風雨で融雪が一気に進んだ様です。

4日から知り合いが仕事で、信濃大町~扇沢~黒部ダム経由で小黒部まで入っていましたが、雪崩の危険が治まる7日まで、扇沢~信濃大町間の通行止めとなる予定との連絡が入りました。

帰れなくなったと!泣きの電話が有りましたが、シーズン中に通行止めになることは、実は良く有ることなのです。

月曜日の黒部川は、下流域でも増水して濁流が流れていました。 山の中ではどれほど荒れていたのか容易に想像がつきます。

何度も言いますが、積雪期の立山黒部に、観光客が入るのはリスクが大きすぎます!

※富山の方限定!

今日、県庁に「立山黒部世界ブランド化」についての意見書が、推進派と慎重派から二件提出されるらしいです。(多分ですが・・・)   夕方のニュースを見て考えてみて頂けたらとおもいます。

「春一番」黒部恐るべし!

2019-02-04

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「勝駒」 高岡市の小さな酒蔵で、なかなか手に入らなくなって。

後に、この「春一番」時に災害が発生していたことが伝わって来ます。

黒部峡谷「仙人谷ダム」で、突然黒部川上流から押し寄せてきた「雪しろ」が待機室まで水没させて一名亡くなってしまったのです。

「雪しろ」とは、里の除雪作業時に排水路・用水路等に大量の除雪した雪を一度に流すと水路で雪が流れなくなって、「堰止湖」状態となって水路から水が溢れ出して付近一帯が水浸しになる事が有ります。

そして何かの切っ掛けで、その堰止湖の堰堤代わりの雪が土石流のごとく一気に流れ出したものを言います。(分かり辛いかな???)

当時は、「雪しろ」の大規模なものが黒部川の下の廊下で発生したらしく、「春一番」の融雪で大量に発生した底雪崩れが黒部川を堰き止めて「堰止湖」が出来てしまい、上流からどんどん供給される水量の圧力に耐えきれず。

大量の水を含んだ雪が、一気に黒部川を流れ下って仙人谷ダムを越流してしまい、待機室にまで雪水が入り込んで作業員が水死されたとのことでした。

仙人谷ダムは、川幅も狭くはなっていますが、まさか越流して施設内まで水没させる「雪しろ」が発生するなどとは・・・黒部恐るべしです。

☆季節を問わず入山する際には、天候が悪化する兆候が有れば常に避難場所の確認・引返すポイントの確認・メンバーの体調や気力の観察等を頭に入れながらの行動が必要かと。

よく言われますが「山を舐めるな」山の怖さを知れば無理な行動は控えると思うのですが、帰りの予定・仕事の都合等々いろいろな要因で突っ込んで行って取り返しの付かない事故に遭われる人が・・・。

ただ、その凄いパワーを持った山に入るのが登山の醍醐味なのですが。

※予報通り、北陸地方では昨夜観測史上最速の「春一番」が! 今年は積雪が少な目なので雪崩れの被害が無ければいいのですが・・・。結構な暖かい強風と強い雨が降っていて、おかげで自宅の周りの雪は全く無くなりました。

※ちなみに、数年前に自宅の近くの用水路で雪が詰まって、詰まった雪を流すために出動していた消防署員が、突然流れ出した「雪しろ」に巻き込まれてしまう残念な殉職事故が発生してしまいました。(今でも現場には花が手向けられていて、皆の為に命を落とした男の事は絶対忘れてはいけません)

「春一番」山には敵いません!

2019-02-02

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「立山」 年間通して一番飲んでるかも?阿曽原でも提供しています。

フイックスザイルを回収してから馬場島に下山し始めたのですが、登って来た時とは尾根の状態が全然違っています。

雪は冷え込んで硬くなっていますが嵩が低くなっており、なにより尾根の左右に張り付いていた雪が雪崩れ落ちてしまって場所によっては雪が付いていない場所も有ります。

登って来た時と同じように、輪カンジキを履いて下山していたのですが歩き辛くてなりません。

強引に下山して行き、小窓尾根から雷岩に降りるポイント着いて、

おもわず「エーッ!ちょっと待て!!!」

尾根から白萩川に向けての下降ルートは、急斜面で来るときには輪カンジキで足を雪に潜らせて来たのですが、変わり様にビックリ!底雪崩れで雪が雪崩れた後に前線通過後の冷え込みで、雨水を含んだザラメ雪はカチカチ・ピカピカの急斜面になっており、輪カンジキの木製の爪はホトンド効かずフクラハギはプルプル・・・薮に掴まらねば立つ事すらできません。

このカチカチ斜面でバランスを崩そうものなら、何処まで滑落するのやら・・・。

ザイルを出したりブッシュに掴まったりしながらドンドン下降を続けて、白萩川の谷底まで来た頃には雪も軟らかくなりだして気持ちに余裕が出て来た頃に???

登って来た時には、川の流れの音などは聞こえなかったのに?強い流れの音が聞こえ、川床に近づくと真っ白に埋まっていたはずの川床の雪が、川の流れ通りに雪の上に泥水が流れた跡が???

想像するに、「春一番」の暖かい強風で融雪が進みその後の大雨で増水した川が雪下の流れだけでは飲み込む事が出来ず、滝の落ち口の様な雪の薄い場所から濁流が雪を突き破って溢れ出して、積雪の上を広い所では幅五メートル位で二〇〇メートル位の距離を流れ下って、また雪の穴から川の流れに戻ったみたいです。

凄い物を見たと感嘆すると同時に、山には敵わん!強く思い知らされて馬場島に帰ったのでした。

※ここに書いたものは極端な例ですが、融雪期の雪渓も変化のスピードが遅いだけで同じことです。一般ルート以外の場所を歩く時には、地形・雪渓の色・雪面の傾斜・クレパス・シュルンド等をよく観察して想像することが大切です。

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