阿曽原温泉小屋

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暗くなって歩く道ではありませんから!

2023-10-02

写真

仙人谷ダム人見寮から先には「キツイ登り階段」が待ち構えています。

ここ数日は遅く届かれる登山者はおられませんが、十月に入ってへ日没が早くなって来ました。

「下の廊下」「水平歩道」共に、黒部川の左岸に付けられた道ですので午後遅くからは山の陰になることになります。 

加えて標高が低いので、樹林帯に入ると上空がまだ明るくてもヘッドライトが必要になって来ることもあります。

「下の廊下」は距離が長く、「水平歩道」からは距離は短いものの始発列車が遅いので出発が遅くなってしまいます。

これから先は、どんどん日照時間が短くなって来ます。 ノンビリ歩いていたり写真を撮り過ぎていると時間が掛かってしまい、些細なアクシデントで阿曽原への到着が暗くなってしまう方が毎年おられます。

写真は、先日遅くなった方を迎えに行った時に写した 人見寮先(地図の等高線の狭さで解るかと)の水平歩道への登り返しの階段です。

長い距離を黒部ダムから歩いて仙人谷ダムに着いて、構造物を見てホット気が抜けた後でのキツイ登り返しなのでマイってしまわれる方が多いのですが、バテて暗くなってから届かれる方にとってはトドメ!を刺される登りになってしまいますし、水平歩道から阿曽原に降る道も急なので余力を残しておいてくださいますようにお願いいたします。(慣れていない人が、暗くなってから歩く道ではありませんから)

※なんで仙人谷ダムと阿曽原はキツイ登り降りが?

元々は水平歩道~旧日電歩道ともにほぼ水平?に作られていた調査道ですが、ダムを建設する場所として現仙人谷ダムへ、トンネル工事の基地(飯場)として阿曽原へと道を無理やり降ろしたからなのです。

冬枯れすると、阿曽原谷右岸に旧道の痕跡が見えてきますし、雲切新道下部のトラバース道は旧道を再利用しております。

(阿曽原から欅平側にハシゴ場が二ヶ所ありますが、どちらも水平歩道が崩落した際に高巻き道を作ったからです)

残念ですが・・・。

2023-10-01

写真

「ヒジキ」を大量に作りました!(山小屋は、力仕事も調理場もなのです)

トラベリンバス🎵 :作詞 西岡恭蔵 :作曲:歌 矢沢永吉 

ルイジアナ♪ テネシー♪ シカゴ♪

はるかロスアンゼルスまで♪

キツイ旅だぜ♪ お前に分かるかい♪

あのトラベリン・バスに♪ 揺られて暮らすのは♪

若いおまえは♪ ロックンロール(山仕事)に憧れ♪

生まれた町を♪ 出ると言うけど♪

その日暮らしが(山の仕事が)♪ どんなものなのか♪ 

分かっているのかい♪

先日、アルバイト募集に応募して来てくれた男子君でしたが・・・残念ながら試用期間で帰っていただきました。

男子バイトには、ボッカ・外回りの作業などを期待しているのですが・・当然初めての場所だし当初は分からない事ばかりだろうから教えて覚えてもらうのですが・・・そもそもの基礎知識が無いと「何を言われているのか?」分らないこともあるようで・・・。

難しい仕事ではないのですが、気長に仕事を覚えてもらう余裕もなく・・・テキパキ仕事を進める他のスタッフから見れば、若すぎてジェネレーションギャップ?というか会話も噛み合わず・・長いこといてもらったら「可哀想かも?」って考えての対応でした。

黒部で働くことを楽しみししていた様なのですが、一つ屋根の下で一緒に働くってことはなにかと大変なのです。

新人女子の方は、山小屋アルバイト歴があって助かってますが、結局のところ男性スタッフの負担は減らず・・・「シャーないな~」って歌詞を一部差し替えて口ずさむ小屋主なのでした。

大切な仕事!

2023-09-30

写真

「黒部名水ポーク」のバラ肉を切り分け中の大仏(脂が甘い)

昨日のお客さんは皆さん優秀でした。

夕食・入浴時間前には全員到着されて、夕食を食べられたのが40人余り。

余裕がある方々は食べ方が違います! 夕食に七升の御飯を焚いて朝弁当用に一升チョイ使いましたが、残りの六升足らずを40人余でほぼほぼ食べ切ってしまわれました。

食事スペースも余裕があって御代わりに立ち易いし若い男性も多かったのですが・・・にしても女性もソコソコの割合でおられたのですが???

お腹いっぱい食べていただくのも山小屋の大切な仕事です!

食べっぷりを見てると、少なくとも「シャリバテ」で動けなくなる方が出る心配は無さそうでした。

夕食後のDVD上映も立ち見の方も出てしまうほどで、喜んでいただけたのではないかと思います。

写真はカレーの仕込みでバラ肉を切り分けているところですが、阿曽原小屋は毎年建てて解体しての小屋ですので厨房設備を増やそうにも、冬季間収納しておく場所も確保できないので、炊飯器3台・ガスコンロ3台・フライヤー一台で切り盛りしています。

これだけの設備で数十人の食事を切り盛りするにはカレーになってしまうのですが、お腹一杯になっていただくためには美味しくなければなりません!

一晩寝かせたカレーとよく言いますが、阿曽原小屋は毎日仕込んで作らなければスパイスが飛んでしまうと考えて作り置きは一切いたしません。大仏が毎日お客さんの顔触れを見て御飯とカレーの量を決めて仕込んでいます。

余ったカレーは、ジップロックで冷凍して、スタッフのお土産・欅平駅員さんへの差し入れ等々になります。

黒部名水ポーク「バラ肉」の脂の旨さとローストしたたっぷりの「ニンニク」を使ったカレーをお楽しみください。

「黒部の谷の小さな山小屋」恐るべし?

2023-09-28

写真

「飯山市美術館」 写真展やっているらしいです。

先週末、8歳の男の子を連れた御夫婦が小屋に泊まりに来てくれました。(親御さんがシッカリ子供をコントロール出来ているみたいでしたが、少し心配でもありましたが)

玄関に到着するなり男の子が「ササキイズミさん居ますか?」って??なんで俺の名前?って思ったら、親御さんが「たまたま写真絵本を借りて、読ませたら興味を持ったみたいで・・・」みたいなことを話してくれました。

物怖じしない素直で元気な男子君で、チョイチョイいろんな質問して来るし~玄関の半鐘をカンカン鳴らして一人遊びして~「カレーは15杯食べる!」って言いやがるしで・・・。

翌朝出発前に玄関先で少しお話しして見送ったら、何度も振り返りながら手を振ってくれて・・オジサンとしては照れくさくてショーがなかったのですが手を振り返して送り出したのでした。

正直「こんな写真絵本、子供が読むの?」なんて思っていたのですが、喜んでいる子供もいるみたいだし、わざわざ会いに来てくれるなんて思いもよらない事でした。

「下の廊下」が開通してから、多くのお客さんと「エーッ」とか「コノーッ!」って想定外?な事案に振り回されて疲れが蓄積してしまう日々を送っているのですが、こうして「いい仕事だわ」って思わせてくれることも有るから頑張れるのだと。

今日は雨でキャンセル続出で、一桁の予約が残っているのですが?? 

「暇な日に限って」いろいろあるのが阿曽原なのですが・・疲れが溜まり出した?スタッフみんなの安息日になればなんてことを願ったりしてます。

※参考

写真絵本の撮影カメラマン 星野秀樹氏の写真展が飯山市美術館で開催中だそうです。

気を抜かないで!(連日事故が発生しています)

2023-09-26

写真

救助に向かう消防防災ヘリ「とやま」

一昨日 、雲切新道下部で転倒時に「足首骨折」

昨日 、仙人谷上部二又付近で登山道から沢に転落「溺死」(気を失ったまま沢へ転落?)

阿曽原に向かって来ていた登山者の事故が二件発生してしまいました。

今年は北アルプス全域で遭難事故が多発していたのですが、幸い黒部地区では夏場から事故と呼べない程度の「夏バテ」「体力不足」しかありませんでしたが、ここへ来て連日事故が発生してしまいました。

どちらも68歳の方でしたが、慎重に歩いて頂ければ問題の無い場所のはずですが・・・。

更に言えば、仙人谷上部二又(仙人温泉から上流20分)については、何故か今まで何度も事故が発生してしまっている箇所になります。(一日に二件の転落事故が発生したことも)

沢筋の登山道は、転落のリスクも高い・残雪量でルートが代わる・積雪のズリ下がりで道が削られる・増水すれば渡れない・残雪が消えたところから草が伸び始めるので草刈り時期が毎年変わる(草刈りスケジュールの予定が立てづらい)等々、問題があるのですが・・加えて黒部エリアは積雪量が多く急傾斜なので、登山者の方も歩き辛く登山道の維持管理も手間が掛かることになってしまいます。(水が補給し易い・雪渓が安定している時は歩き易い等の利点もあるのですが)

登山道の維持管理の話は、別の機会に譲りますが・・・皆様におかれましては、慎重の上にも慎重に歩いて来て下さいますようお願いいたします。

ガッテンビバーク✖(かなり強く怒鳴りました)

2023-09-23

写真

いまだに?ロング缶5ケース担ぐ大仏!

午前9時過ぎに、60歳前後の御夫婦?が小屋に来てカップ麺を注文してバイト達がお湯を沸かして対応していました。

どうやら昨夜阿曽原まで届かなかったみたいで・・・とのことだったので、単に足が遅い方たちだったのかと思っていたのですが、出発間際に「何時に黒部ダム出たの?」って尋ねたら・・・。

「雨が上がるのを待って、九時半頃に・・・」ってことは、初めから十字峡でガッテンビバークするつもりで入山して来ていることが判明。

一通り通り叱ってから「このページで書いておくから」って言ったら・・少し反応したのでブチッ!頭のネジが飛びます。

「阿曽原のブログ読んでいるなら、ガッテンビバークしないでって書いてあったでしょ!」  

「知っていてなんでそんなことするの?ましてやカップ麺食べに小屋に顔出すなんて、ふざけんじゃない舐めてんの?

みんなの黒部を、自分達の都合で好き勝手に使っちゃダメでしょ」

「皆さんに黒部を安全に楽しんでもらうために、道の整備して~情報流して~真面目?に山小屋やっているのに、自分達だけは特別って思ってるの」 ✖✖✖✖✖✖✖✖✖✖✖✖✖✖ かなり強く長く、女子バイトがドン引きするくらい?大声で怒鳴り飛ばしました。

真面目に日本人して来られたように見える?二人に、そこまで言わなくてもって思うところもあるのですが・・・。

みんなが楽しみにしている黒部峡谷です。 細く険しい登山道が続く「下の廊下」で、トイレの始末・暗い時間に藪へトイレに行くリスク・残飯処理・・・等々を考えると「悪いモノは悪い」と誰かが言わなければ!阿曽原を預かる者として見て見ぬ振りは出来ません。

無法地帯の「下の廊下」を想像してみてください・・そんな黒部なんて嫌でしょ?

※真面目に山小屋やってます。

秋の荷上げの貨車がやって来て、ビール・ジュース・米・サラダ油・タマネギ・ジャガイモ・材木・プロパンガスボンベ・灯油等々が大量運ばれてきました。

キャンプ場から小屋までは、男衆の背中でボッカされて運ばれます。

ビールはケースを減らせばいいし、30Kgの米袋も三袋担いでいたものを二袋に減らせばいいのですが、プロパンガスボンベ(総重量40Kg)だけは減らすことも出来ず・・形がかたちだし無慈悲な硬さの鋼鉄製なので、近年は肩に担ぎ上げるのが必死になってきた私です。

「こんなこと何時までヤッてんの?」って呟きながら、皆さんに美味しいビール飲んでもらって旨い御飯食べてもらうために?真面目に山小屋やってます。(怒鳴るからには、その分みんなの為に汗流さねば)

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