阿曽原温泉小屋

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それでも山へ・・・Ⅴ

2021-04-12

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小窓尾根1,614mからの「池ノ谷」

「池ノ谷」との出合いを過ぎると水量も増えるので本来ならば、通称「タカのスワリ」といわれるポイントまで赤谷尾根の踏み跡を登り返す高巻きを強いられるのですが、装備もメンバーも揃っているので白萩川沿いに下ることが出来て時間短縮になりました。

警察署の車庫へ収容した所で、警察医の先生に来て頂いて刑事課員と検視が行われました。

白萩川流域では登山者の行方不明者の届け出はなく、一般人が入り込む登山道の無いエリアで自殺企図者?とも考え辛く???身元を特定する者が無かったのですが、後に発見された胴体・所持品等から正月登山で早月尾根「シシ頭」で雪崩で「池ノ谷」に流されたうちの一名であると特定されました。

にわかには信じられないのですが、雪崩に巻き込まれて数百m流されていたはずなのに、自力で 「池ノ谷右股」 を下り左股と合流する「池ノ谷二股」より下流で小窓尾根に登り返して白萩川に下ろうとしていたことになります。

それだけの距離を雪崩に流されて、ダメージは無く自力歩行できたのだろうか? 両側が切り立っていて雪崩の巣となっていたはずの「池ノ谷」を下ることが出来ていたのか? 豪雪で急斜面の小窓尾根を単独で登り返せていたとは・・・。

※写真は鍛冶さんの捜索時の小窓尾根1,614mからのものです。

テント奥右上に伸びる雪渓が「池ノ谷右股」となり、右上ピークが「剱岳頂上」となります。

雪渓右側の(テント真後ろ)岩稜が「剱尾根」となり、その左側稜線のコルが「三の窓」になります。

雪渓も尾根も岩壁も、何もかもが険しいエリアなのです。

それでも山へ・・・Ⅳ

2021-04-11

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池ノ谷二股より右股を見上げる

4月4日の続き

沢水の中から真っ白な足首を握って、枯れ枝の溜まりの中から引き出してみると・・・脚の付け根の部分で千切れていて胴体も対の脚も見当たりません。

脚は冷水に長く洗われていたからか?血の気が引いて(抜けた)白さが際立っており皮膚も割としっかりしていますが、千切れた付け根部分の筋肉・腱・血管など長い繊維がヒラヒラと水に洗われているのを今でも鮮烈に記憶しています。 

長さ太さから推察すると成人男性であろうかと思われましが、胴体等の他の身体が見付からないか付近を捜しますが発見することが出来ず、検視等下山後の段取りもあるので事後捜索として下山することになりました。

水没していた片脚を、大きくシッカリした「漬物用」ビニール袋へ膝を折り曲げて収納して入り口をシッカリ縛って背負子に固定して担いできた様な記憶が・・・。

片脚なので重くはないのですが、筋肉の断裂部分から水分が出て来ているのか?動く度にジャボジャボと音がしはじめて・・・担ぎ出しは気にならなかった独特の臭いが漏れ出し始めた気がするし、自分の汗なのか?他の液体なのか???気にはなるのですが、新人隊員にはそんな事いえる訳も無く・・・冷たい腰までの渡渉を繰り返して(濯ぎ?)、車が置いてある 堰堤取り入れ口 までガンガン進むことに。

イノシシ対策!

2021-04-11

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電気柵の電線の張り直し中

昨日は地区の壮年会事業で、山の縁に沿って作れれている「電気柵」の整備に出てきました。

家から数百メートルの山の縁に、イノシシから農作物被害を守るために張られているのですが、〇冬季間外されていたソーラーパネルとバッテリーを設置 〇通電コードを新しくして結線 〇柵の補修 〇枯れ枝の除去 等々を行ってきました。

私は主にチェンソー係していましたが、前日までの作業から比べると「お遊戯」「お散歩」的な内容でした。

電気柵の山側の地面が所々で掘り返されていたので、この程度のものでもイノシシ防御効果が有るみたいです。

先々週は、年に一度の地区の農業用水掃除「えざらい」が有ったのですが所用で欠席してしまい・・・新年会も自粛されていて、案外こんな時しか御近所さんと顔を合わせる機会がないので貴重な行事でした。

キョトン!

2021-04-10

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ジッと

昨日で、黒薙温泉の山腹調査は無事終了。

現場に向かう途中、遊歩道の真上の斜面に「二ホンカモシカ」が動かずに。

新芽が膨らんだ程度で芽吹いていないのですが、常緑の雑草や苔等を食べていたみたいです。

見えないところでも!

2021-04-09

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年輪をざっと数えてみても・・・。(左下に、先に切り落とされた幹が二本)

昨日は、朽ちて倒れた大木が斜面に引っ掛かっていたので処理しました。

全長7mほどの朽木で、写真は根元から1m余りのところの切断面ですが、樹木の中は生きていましたが根っこと周囲は完全に朽ちていました。

更に朽ちれば確実に斜面を滑り落ちてしまい、人間にぶつかろうものなら5~6人は吹っ飛ばすのか確実!このままにしておくと、大変危険なのでチェンソーでバラバラにして落としておきました。

太さを見れば、重さを想像出来るかな?チェンソーのバーの長さがギリギリで、不安定な場所だったので切り口が汚くて・・・太い幹だったので飛び散る木屑も多くて、切り分けた時には私も大仏も全身木屑まみれになってしまいました。

斜面は不安定なので、チルホール(ワイヤーウインチ)で引いて安定した所で取り掛からないと、作業中にバランスが崩れると大木が動いたり跳ねたりして人間に当たると大怪我の元です。

この木は、十年ほど前に大量発生した カシナガキクイムシ の被害で立枯れしたままになっていたものが、今冬の雪の重みで倒れたものではないかと考えられます。

黒部の様に急峻なエリアでは、利用者の方々が訪れる前に「山」を点検しておくことは大切な仕事なのです。

見えないところで!

2021-04-08

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大露天風呂横の壁の点検(ダイブツを探せ)

黒薙温泉旅館 の、大露天風呂横の壁の点検中です。

露天風呂に安心して入ってもらえるように、毎年シーズン前にザイルでぶら下がって「浮石」が無いか点検しています。

毎年点検しているおかげで、段々浮石は少なくなって来ている様な気がしますが「黒部の秘湯」を楽しんでもらうためには大切な作業だと考えています。

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