阿曽原温泉小屋

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それでも山へ・・・Ⅲ(信じられない!)

2021-04-04

写真

中央右寄りの大きく白いコルが「大窓」(白萩川上流の「中仙人谷」)

先のページで、残雪が融けるまで「待たれていたはず」と書きましたが、正確には覚えていませんが初夏だったと記憶しています。

白萩川 で遺体の一部が発見されたとのことで詳しいことも分からずに当時は制服警察官の仕事に戸惑っていた私は、「下界で仕事しないで山に行ける」って大喜び?で先輩隊員と向かいました。

地形図を参考にしてもらうと分かりますが、剱岳北方稜線から馬場島に向けて下る谷になりますが、早月尾根と小窓尾根に挟まれた部分は「池ノ谷」となり小窓尾根から赤谷尾根に挟まれた斜面の水を集めたのが「白萩川」となり、途中で「ブナクラ谷」と合流して更に馬場島で「立山川」と合流して「早月川」となります。

夏場だったので水量が少なく、藪尾根の踏み跡を使わずに川伝いに遡行して「池ノ谷」出合~小窓尾根1,600mピークに取り付くポイント「雷岩」を過ぎて更に上流の水流中に人間の片脚を枯れ枝等と共に堰き止める形で沈んでいるのを見つけました。

脚の付け根から引き千切られた片脚は、ズボンや靴下等の衣類は着けておらず足先~フクラハギ~膝~太腿は、とにかく白くマネキン?の様でもあるけど表面がリアルな質感で、サイズ感から一目で成人男子と推察できました。

新人隊員の私はもちろん初めて目にするものでしたが、先輩に促されるまま縮み上がるほど冷たい雪解け水の流れの中に入って足首を掴んで引っ張り出します。

新米隊員は、初めて見る「白い脚」に腰が引けていたのもあったのだと思うのですが軍手の上から伝わる冷たさと硬さを今でも覚えています。

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